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パスタを茹でるお湯に塩を入れるのはなぜ?家庭で茹でるときのポイントもご紹介

パスタを茹でている画像

パスタを茹でるとき、お湯に入れる“塩”。何気なく入れてはいるものの、「なぜ塩が必要なの?」「塩なしではダメ?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、パスタを茹でるときに塩を入れる理由や、ご家庭でパスタを茹でるときの最適な塩の量、塩を入れるタイミングについて、パスタ専門店『ピエトロ』のシェフが解説していきます。ちょっとしたポイントを押さえるだけでさらにおいしくパスタを楽しめるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

◆パスタを茹でるときに塩を入れるのはなぜ?

お湯に塩を入れている画像

パスタを茹でるときに塩を入れる目的は、大きくふたつあります。

下味をつけるため

パスタを茹でるときに塩を入れる一番の目的は「パスタに下味をつける」ためです。
何も加えていないお湯で茹でると味がぼやけてしまうのですが、パスタに下味がついているとソースとの馴染みが良くなり、全体の味が決まりやすくなります。

塩を加えるタイミングは、パスタを茹で始めるより前が良いため、お湯を沸かすときにあらかじめ塩を入れておくのがおすすめ。塩を溶かしたお湯で茹でると、パスタの表面だけでなく内部までまんべんなく下味をつけることができます。

コシを出すため

もうひとつの目的は「パスタのコシを出す」ためです。
塩を加えることで、パスタの弾力を生み出すグルテンという成分がお湯に流れ出にくくなります。また、パスタが吸い上げる水の量も減り、その分コシが強くなります。

ですが、パスタのコシにはっきりとした違いが出るほどの高い効果を得るためには、2~3%もの塩分濃度が必要といわれることも。これは海水(塩分濃度3%強)に匹敵するほどの濃さ。これくらいになるとパスタ自体に強い塩味がついてしまうため、ソースの塩気とあわせたときの調整が難しくなってきます。ご家庭で茹でる際には、ほどよい下味をつけることを優先に考えて塩の量のバランスをみるようにしましょう。

◆パスタを茹でるときの塩の量はどれくらいが適量?

女性が悩んでいる画像

普段パスタを茹でるとき、お湯や塩をきっちり計量している方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?ですが、コツを押さえて塩の量を調整することで、ご家庭でもさらにおいしくパスタを茹でることができます。

塩分濃度が高くなるほどパスタにコシが出る

2015年の「日本家政学会誌Vol.66」に記載されている論文に、「パスタを茹でるときの塩分濃度がパスタの硬さにどう影響するか」の調査結果が掲載されています。

これは、パスタに塩を入れずに茹でた場合と、塩分濃度を0.2%・1%・2%にして茹でた場合とで、パスタの硬さと水分の吸収量にどのような変化があるかを比較した研究です。実験の結果、塩分濃度が高いほど茹で上がりのパスタは硬く仕上がり、パスタが吸った水分量は少なくなりました。

このことからも、パスタを茹でるお湯に加える塩の量が多いほど、パスタにコシが出てくることが分かりますね。

参照:「村上恵,ゆで水に添加する食塩の濃度がスパゲティの硬さに及ぼす影響」(日本家政学会誌 2015 年 66 巻 3 号 p120-128)

お湯1リットルに対して小さじ1~2の塩の量がおすすめ

ここまで色々とご紹介しましたが、「じゃあ実際どれくらいの塩の量がいいの?」と迷ってしまいますよね。ご家庭でパスタを茹でる際は、ずばり「お湯1リットルに対して塩小さじ1~2」を目安にしましょう。塩分濃度に換算すると0.5~1%程度になります。

あまり濃い塩分濃度で茹でてしまうと、コシが強くなってもソースとあわせた時にしょっぱくなりすぎてしまう恐れが。ご家庭ではほどよく下味をつけることができる0.5~1%程度の塩を目安にし、しっかりめの味わいのソースとあわせる時は0.8%程度までにおさえるなど、好みの濃さを見つけながら調整するのがおすすめです。

◆プロも愛用するパスタのご紹介

「自宅でも簡単においしくパスタを茹でたい!」という方におすすめなのが、ピエトロのレストランでも長年お客様に提供している「ピエトロ AGNESI スパゲティ 1.7mm」というパスタ。

アネージの画像

中温でじっくりと乾燥させる製法で作っているので、最高の茹で上がりと呼ばれる“アルデンテ”の食感と、専門店のような弾力のあるコシをご家庭でも簡単に再現することができます。

イタリア各地のデュラム小麦を14品種厳選し、「コシ」だけでなく「風味」「弾力」「色」のすべてが最高品質になるようにブレンドしたこだわりのパスタです。

◆まとめ

パスタを茹でるときに塩を入れる目的は、主に「下味」と「コシ」の観点からおいしさを引き立てるためでした。ご家庭ではお湯に対して0.5~1%程度の塩(お湯1リットルに対して塩小さじ1~2)を加えて茹でると、パスタにほどよい下味をつけることができて、ソースとの馴染みも良くなります。

ぜひ今日からはパスタを茹でるときの塩の量も意識して、さらに充実したパスタライフを楽しんでみてくださいね。

▼監修者プロフィール

小森シェフの画像

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。
シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。
ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。
日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。