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「なすはアク抜きをすべき野菜」と思っている方は多いかもしれません。しかし実は、調理の仕方によってはアク抜きをしなくても良いケースもあるのです。今回は、なすのアク抜きをすべきかどうかの判断基準や正しいアク抜きの方法、なすを使ったおすすめのレシピまでご紹介します。
◆なすのアク抜きは必要?
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なすのアクのもととなる成分の特徴を踏まえて、アク抜きが必要かどうかを解説します。
●そもそもなすのアクとは
一般的に「アク」とは、渋みや苦み・えぐみの素となる成分のことです。食材を切るとアクの成分が空気に触れて酸化が起こり、切り口の色が悪くなる(褐変)原因になります。
しかし、なすのアクの正体はポリフェノールの一種であるクロロゲン酸というもので、体に悪いものではありません。強い抗酸化力があり、血圧を下げたり、血糖値の上昇を抑えたりする効果があります。健康にも良い成分であるクロロゲン酸を無駄なく摂取したい場合は、アク抜きをしないほうが良いとされています。
とはいえ、クロロゲン酸には多少の渋みや苦みがあり、切り口の変色の原因でもあるため、料理にあわせてアク抜きするかどうかを判断しましょう。
●作りたい料理に合わせて決めるのがおすすめ
ここまででご紹介したように、なすのアクの正体は健康をサポートする有用成分です。なるべく栄養素を無駄にしたくない方は、アク抜きをせずに調理しましょう。
一方、味や見た目を重視したい場合は、調理方法によってアク抜きが必要かどうかを判断する必要があります。ここからは、アク抜きをするかどうかの判断基準について解説します。
・なすを切ってすぐに加熱調理をする場合:アク抜きは「不要」
なすを切ってすぐに加熱調理をする場合は、アク抜きは不要です。変色の原因となる酵素(ポリフェノールオキシターゼ)が60~70度以上の加熱によって失われ、変色を防げるためです。
また、なすを油で調理すると独特の渋みや苦みが軽減されるので、アク抜きをしなくても気になりません。加えて最近では、一般的に広く市販されているなす(千両なす)でもアクが少ないものが多く、そのままでもおいしく食べられるものが大半になっています。
特に、なすを使ったカレーやトマトソースといった「煮込み料理」や、麻婆なすのような「炒め物」、なすの素揚げや天ぷらといった「揚げ物」にすると、えぐみや苦みも気にならずおいしくいただけますよ。
・見栄え良く、すっきりした味に仕上げたい場合:アク抜きが「必要」
料理の見栄えを良く、すっきりとした味わいに仕上げたい場合は、アク抜きをするのがおすすめです。
例えば、だし汁を濁らせずにすっきりした味わいにしたい「炊き合わせ」、生食でいただく「サラダ」や「漬物」などは、アク抜きをしたほうが味も見た目もよりよく仕上がります。
◆なすのアク抜き方法2つ
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なすのアク抜き方法を間違えると、料理がしょっぱくなったり、なすがしぼんでしまったり、栄養価が下がってしまったりと、思うような仕上がりにならないことがあります。
なすをおいしくいただくためにも正しいアク抜き方法を知っておきましょう。
●水にさらしてアク抜きする
一番手軽にできるなすのアク抜き方法は、水にさらすことです。
【手順】
1.ボウルに水をため、食べやすい大きさに切ったなすを入れる。
2.なすは水に浮きやすいため一度手で押し込んで沈め、軽くかき混ぜたあと5分程度さらす。
3.ザルにあげ、キッチンペーパーで軽く水気を拭く。
なすの色をよりキレイに仕上げたいときは、水に塩を加えてみてください。なすを塩水にさらすことで、より効果的に変色を防げます。塩水にさらすときは、なすの風味を損なわないよう、塩分濃度を0.8~1%ほどに抑えるようにしましょう。
●塩をまぶしてアク抜きする
水にさらす方法以外に、塩を振ってアク抜きする方法もあります。
【手順】
1.なすの切り口に塩を少々振り、5分ほど放置する。
2.アクを含んだ水分が表面に出てくるため、キッチンペーパーで拭き取る。
塩を振る方法は水にさらさなくて良いので、水溶性の栄養素を逃がすことなくアク抜きをすることができます。なすの水分が適度に抜けるので、料理を水っぽくしたくないときにおすすめです。
しかし、塩加減が強過ぎたり、長く放置し過ぎるとなすがしょっぱくなってしまったり、小さくしぼんでしまったりするので気を付けましょう。
◆アク抜きで下処理したなすをおいしく食べられるレシピ3選
正しいなすのアク抜き方法にプラスして、なすをおいしく楽しめるレシピも覚えておきましょう。
●ベーコンとなすのジェノベーゼ
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ベーコンの旨みとなすの甘みがマッチしたパスタです。爽やかなバジルの香りが食欲をそそります。
【材料】(1人前)
・スパゲティ(乾麺) 100g
・ベーコン 20g
・なす 40g
・おうちパスタ バジル(パスタソース) 大さじ2
【作り方】
1.スパゲティを茹でる。
2.ベーコンとなすを食べやすい大きさにカットする。
3.フライパンに油をひいて中火で熱し、(2)のベーコンとなすを炒め、水40㏄を加えて少し煮た後、「おうちパスタ バジル」を加えて混ぜる。
4.(3)に茹であがったスパゲティを入れてよく混ぜ合わせ、具材が上にくるようお皿に盛り付ける。
●なすのラザニア風
![なすのラザニア風の画像](https://www.pietro.co.jp/pietro-radio/wp-content/uploads/2024/04/719ebe6bd2b4d848153ec1677ab90254-1024x683.png)
なすと相性抜群のボロネーゼソースとチーズが合わさった魅惑の一品です。ごはんやパン、お酒ともよく合います。
【材料】(2人前)
・冷凍揚げなす 120g
・ミックスチーズ 15g
・ブラックペッパー 適量
・洋麺屋ピエトロ お肉好きのあなたのためのボロネーゼ(パスタソース) 1/2袋
【作り方】
1.耐熱容器に冷凍揚げなす(生のなすを揚げ焼きや素揚げにしたものでもOK)を入れ、電子レンジ(500W)で2分30秒加熱する。
2.1に洋麺屋ピエトロパスタソースをかけ、ミックスチーズをのせたらトースター(230度)で6~7分加熱する。
●なすと鶏のしっとり蒸し
![なすと鶏のしっとり蒸しの画像](https://www.pietro.co.jp/pietro-radio/wp-content/uploads/2024/04/775e23d79e57814db08c20650b7eb239.jpg)
油を使わずに電子レンジだけでできるヘルシーメニューです。しっとりした食感のなすと鶏肉に、まろやかな風味の和風ドレッシングが絡まった一皿は、お子様からお年寄りまで幅広く楽しめます。
【材料】(2人前)
・鶏もも肉 1枚(300g)
・なす(中) 3本
・塩 2つまみ
・片栗粉 大さじ1
・青ねぎ 2本
・ピエトロドレッシング 和風しょうゆ 大さじ2
【作り方】
1.ヘタを切ったなすの皮をピーラーで3か所むき、乱切りにする。その後、ドレッシングをなす全体に絡める。
2.鶏肉は一口大に切り、塩をふってから片栗粉をまぶす。
3.耐熱容器に(1)と(2)を入れ、ふんわりとラップをしたら電子レンジ(600W)で7分加熱する。一度取り出して全体を混ぜたら、再び電子レンジ(600W)で3分加熱する。
4.皿に盛り、小口切りにした青ねぎをちらす。
◆まとめ
なすのアクの正体は、健康をサポートするポリフェノールの一種です。体に悪い成分ではないため、アク抜きをしないからといって過度に心配する必要はありません。
また、焼きなすや麻婆なすといった加熱料理の場合はアク抜きをしなくてもおいしくいただけます。見栄えの良さやすっきりした味わいを重視する場合は、今回紹介したアク抜き方法を参考においしく調理してみてくださいね。
▼監修者プロフィール
![小森シェフの画像](https://www.pietro.co.jp/pietro-radio/wp-content/uploads/2024/02/b2385946019045081d9435375d02f9ab-1024x272.jpg)
小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。
シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。
ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。
日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。