ごぼうのアク抜き方法とは?アク抜きの必要性と下処理についても紹介

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和食に奥深い風味を与えてくれる、日本特有の食材であるごぼう。アク抜きをするよう記載されているレシピも多いですが、本当に必要な工程なのでしょうか。なかには、「下処理が面倒だからめったに使わない……」という方もいるでしょう。

今回は、ごぼうのアク抜きの必要性や具体的な方法、おいしく仕上げるための下処理について紹介します。

ごぼうのアクは抜かなくても良い?

ごぼうの画像

結論からお伝えすると、ごぼうのアクは必ずしも取り除く必要はありません。ごぼうのアクの正体は、健康成分として知られるポリフェノールです。

ポリフェノールは抗酸化作用があり、日々の健康づくりにも効果的なはたらきがあるので、栄養的な面で見ると取り除いてしまうのはもったいない成分なのです。

ただし、ポリフェノールは酸化すると赤や茶・黒といった褐色に変色する性質を持っています。また、ポリフェノールには苦みや渋みがあるため、えぐみや雑味の原因にもなるのです。

そのため、栄養素をしっかり摂りたいときはアク抜きをせず、彩りや味わいにこだわりたいときはアク抜きをする、といったように使い分けるのが良いでしょう。

ごぼうのアク抜き方法

ごぼうをあく抜きしている画像

ごぼうのアク抜き方法は、大きく3つあります。それぞれのやり方で風味や色合いの仕上がりが変わるため、目的に応じて使い分けましょう。

水にさらしてアクを抜く方法

もっとも簡単にアク抜きできるのが水にさらす方法です。ごぼうは断面が空気に触れると色が変わる性質があるので、切ったらすぐに水を張ったボウルに投入していきましょう。

しかし、長時間水にさらすとごぼうの旨みや香り、栄養成分が失われてしまうため、手短に済ませるのがポイントです。新ごぼうを使う際は、アクが少ないので浸水時間はさらに短くしましょう。

【水にさらしてアクを抜く手順】

  1. ボウルにごぼうが浸る程度の水を張っておく。
  2. ごぼうを料理に適した大きさに切り、1のボウルに入れていく。
  3. 1~2分ほど水にさらし、ザルにあげて水気を切る。

酢水にさらしてアクを抜く方法

ごぼうの色味をキレイに白く仕上げたい場合は、酢水を使う方法がおすすめです。酢水の濃度は水500mlに対して、酢大さじ1/2が目安になります。

ここまででお伝えした通り、ごぼうに含まれるポリフェノールは酸化すると褐色に変色しますが、ごぼうの色素には酸性の状態で無色になる性質があります。

そのため、水に入れて空気との接触を遮断し褐色になるのを防ぎつつ、お酢を加えて酸性にすることでごぼうの白さを引き出すことができます。

【酢水にさらしてアクを抜く手順】

  1. ボウルにごぼうが浸る程度の水を入れ、酢を加える。
  2. ごぼうを料理に適した大きさに切り、1のボウルに入れていく。
  3. 1~2分ほど酢水にさらし、ザルにあげて水気を切る。

熱湯に通してアクを抜く方法

熱湯を使ったアク抜き方法もあります。ごぼうの使用量が少ないときは、ザルに広げたごぼうの上からお湯を回しかけるだけでも良いでしょう。

まとまった量があるときや色良く仕上げたいときは、アクをしっかり取るため、酢と塩を加えた熱湯を用いた次の方法をおすすめします。酢と塩の分量は水500mlに対して、酢大さじ1/2、塩小さじ1が目安です。

【熱湯に通してアクを抜く手順】

  1. 鍋にお湯を沸かし、塩と酢を加え混ぜる。
  2. 切ったごぼうを数秒間お湯にくぐらせるか、1分程度軽く煮る。
  3. ザルにあげて湯を切り、そのまま冷ます。

アク抜きとあわせて下処理についてもチェックしておこう

ごぼうを切っている画像

ごぼうをおいしく食べるには、アク抜きだけでなく、下処理も大切です。ごぼうの洗い方や切り方についても押さえておきましょう。

ごぼうの洗い方

ごぼうはすでに洗って販売されているものよりも、土付きのもののほうが風味や香りが良いといわれています。土付きのものを調理する際は、衛生面を考慮しながらしっかりと洗って使いましょう。

ごぼうの皮にはポリフェノールや旨み成分が豊富に含まれています。ピーラーを使用して皮を完全に剥いてしまうと、せっかくの栄養成分やおいしさが損なわれてしまうため避けましょう。

皮が硬くて食べにくいごぼう以外は、次の3つのいずれかの方法で汚れを落とすのがおすすめです。

まず、「たわしでごぼうの表面を軽くこすり洗いする方法」です。たわしがない場合は、「アルミホイルを丸めてこすり洗いする方法」が良いでしょう。

ごぼうの皮が傷つくと食感が損なわれるので、食感をできるだけ大事にしたい方は、「ふきんで優しくこすり洗いする方法」が適しています。ひげ根が気になる場合は、包丁の背を使ってこそげ取りましょう。

ごぼうの切り方

ごぼうをおいしく食べるには、料理に適したごぼうの切り方を押さえておくことも大切です。ごぼう料理で良く使う「ささがき」「細切り」「筒切り」の3つの切り方を紹介します。

ささがき

ごぼうのささがきの画像

ささがきは、食材を包丁で薄く削るように切る方法です。鉛筆を削るように、くるくると回しながら薄く削り取ることで、断面の面積が大きくなります。

火の通りや味の染み込みが良くなるため、調理時間の短縮につながる点や、ふんわりとした食感に仕上がる点が魅力です。きんぴらごぼうや炊き込みご飯、和え物などに適しています。

【ささがきの手順】

  1. ごぼうの太い部分へ縦に数本の切り込みを入れる。
  2. 鉛筆を削るイメージで、ごぼうを回しながら包丁の刃の中央部分を当てて、薄く削るように切る。

細切り

ごぼうを切っている画像

細切りは食材を長さ5cm、幅3~5mmほどの細い棒状にする切り方です。食材の大きさを揃えると、均一に火が通りやすくなり、料理の仕上がりが美しくなります。

細切りは噛み切りやすく火の通りが早いので、炒め物や和え物、サラダなどに幅広い料理に活用できます。

また、ごぼうを細切りにすると独特の風味が料理全体に広がり、ほかの食材と調和しやすくなります。調味料がよく馴染み、短時間で調理できるのも魅力です。

同じ要領で幅を3mm以下に細く切ると「千切り」と呼ばれ、シャキシャキとした食感が活きた仕上がりになります。

【細切りの手順】

  1. ごぼうをまな板に置き、断面が大きくなるよう斜めにスライスする。
  2. スライスしたごぼうを何枚か重ね、端から3~5mm幅の細長い棒状に切る。

手順1で断面を大きく切ると、あとの細切りがしやすくなります。また、細長く切る際にごぼうを重ねすぎると滑りやすくなるため、適度な枚数で切るよう注意しましょう。

筒切り

ごぼうの筒切りの画像

筒切りは、ごぼうをはじめ細長い野菜の魅力を活かすための基本的な切り方です。食材の長さを3~4cmにぶつ切りにします。このとき、包丁を一気に押し切るのではなく、軽く前後に動かすのがポイントです。歯ごたえがあり、ごぼうの存在感を活かしたい煮物などに適した切り方です。

【筒切りの手順】

  1. ごぼうの切り口が円柱状になるように包丁を置く。
  2. 刃先をまな板に軽く当てた状態で、包丁を前の方向に押し出すようにして3~4cmほどの長さに切る。

まとめ

ごぼうの仕上がりの色や雑味が気にならないのであれば、必ずしもアク抜きをする必要はありません。実のところ、アク抜きをしないほうが栄養素の損失を防げます。

一方で、ごぼうの色を白く仕上げたい料理や雑味が気になる方は、用途に合わせてアク抜きをすると良いでしょう。

さらに、ごぼうは冷凍保存も可能です。下処理してから冷凍すれば、1か月ほど保存ができるうえ、いつでも手軽に調理に使えます。冷凍保存の方法については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

ごぼうはどのように冷凍したら良い?保存手順とおいしく食べるレシピを紹介

 

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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