なすは冷凍しても良い?正しい冷凍保存方法やおいしい食べ方を紹介

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なすを余らせてしまったときや多めに買い置きしておきたいときは、冷凍保存できたら便利ですよね。ちょっとしたポイントを押さえれば、なすは冷凍してもおいしさを保つことができるので、冷凍保存の方法を知って料理の幅を広げていきましょう。

今回は、なすを冷凍保存する方法や、冷凍後の食べ方のポイントについて解説します。

なすの長期保存は冷凍がおすすめ

冷凍室になすを入れる画像

気温の高い環境で育つなすは寒さに弱く、基本的には温度の低い場所に置いておくのは向いていません。冷気に当たると種が黒くなったり、しなびたりしてしまいます。とはいえ、夏場に常温においておくと2日ほどで鮮度が落ちてしまうので、すぐに使わない場合はポイントを押さえながら冷凍保存するのがおすすめです。

なすの93%は水分が占めており、冷凍すると細胞が壊れたり、解凍により水分が抜けやすくなったりするため、冷凍に向かないと思われがちですが、工夫すれば冷凍後もおいしく楽しめます。冷凍なすの特性やメリット・デメリットを踏まえた上で、上手に冷凍保存を活用しましょう。

<メリット>

  • 日持ち期間が長くなる(常温保存:2~3日、冷蔵保存:1週間→冷凍保存:約1か月)
  • 冷凍により、なすの繊維が壊れて味が染み込みやすくなる(煮浸しや煮物におすすめ)
  • 実の部分はより柔らかく、皮の部分はコリコリとした食感になる(蒸し料理におすすめ)
  • 火の通りが早くなり、調理の時短ができる
  • 冷凍により酵素のはたらきが止まり、アクが出にくくなる
  • 生よりも油を吸収しにくく、さっぱりした仕上がりでカロリーダウンできる
  • 冷凍したなすは繊維が壊れているので、油通しせずに中華料理に使える

<デメリット>

  • なすを冷凍してから解凍すると、水分が多く出てしまい食感が変わる
  • 皮の食感が気になりやすくなる

なすの冷凍保存方法3つ

なすを切っている画像

なすの冷凍保存方法は、「そのまま冷凍する」「切ってから冷凍する」「加熱してから冷凍する」の3パターンがあります。

それぞれに適した料理法もあわせて、冷凍の手順をご紹介します。

そのまま冷凍する方法

なすは手軽にそのまま丸ごと冷凍することができます。丸ごと冷凍したあとは味が染み込みやすくなっているので、「煮浸し」や「蒸しなす」などに活用するのがおすすめキストを入力です。

【丸ごとの場合の冷凍手順】

  1. なすを洗って水気を拭き取る。
  2. ラップで1本ずつ包む。
  3. 冷凍用保存袋に入れて、空気を抜き密閉する。
  4. 冷凍庫に入れる。

切ってから冷凍する方法

乱切り・輪切り・棒状など、よく作る料理に合わせて使いやすくカットしてから冷凍するのも便利でおすすめです。「麻婆なす」や「カレー」といった煮込み料理の具材に使いやすくなります。

【カットする場合の冷凍手順】

  1. なすを洗って食べやすい大きさに切る。
  2. 10分ほど水にさらしてアク抜きをし、水気を拭き取る。
  3. 冷凍用保存袋に入れて、空気を抜き密閉する。
  4. 冷凍庫に入れる。

加熱してから冷凍する方法

なすを加熱すると余分な水分を飛ばすことができるため、加熱処理をしてから冷凍したなすは、解凍後も食感が変わりにくくおいしく食べられるのがメリットです。ひと手間かかりますが、もとの食感をできるだけ変えずに楽しみたい場合におすすめですよ。

冷凍前の加熱方法を「電子レンジ」「焼く」「揚げる」の3つをご紹介します。

電子レンジで加熱してから冷凍する場合

電子レンジで加熱してから冷凍したなすは、1か月ほど日持ちします。

加熱すると味が染み込みやすくなるので、「煮浸し」などにする際の漬け込み時間を短縮できます。小さなお子さまやご年配の方が食べるときなど、皮のコリコリした食感が気になる場合は、皮の表面に斜めに切り込みを入れてから加熱するのがおすすめです。

【電子レンジ加熱後の冷凍手順】

  1. なすを洗い、ヘタを取る。
  2. 耐熱皿にのせてふんわりラップをする。
  3. 600Wで2分30秒加熱する。
  4. 粗熱をとり1本ずつラップで包む。
  5. 冷凍用保存袋に入れて、空気を抜き密封し、冷凍庫に入れる。

※ヘタを取り除かずに電子レンジで加熱すると、水分が膨張してなすが破裂するおそれがあるので注意しましょう。

焼いてから冷凍する場合

焼いてから冷凍したなすは、1か月ほど日持ちします。皮をむいてから保存するので、「お浸し」や「和え物」のほか、「離乳食」に使うのもおすすめです。

【焼いたあとの冷凍手順】

  1. なすを洗ってグリルやトースターで両面20〜30分焼く。
  2. 皮が黒くなったら粗熱をとり、皮をむいて取り除く。
  3. 食べやすい大きさにカットし、小分けにしてラップで包む。
  4. 冷凍用保存袋に入れて、空気を抜いて密閉し、冷凍庫に入れる。

揚げてから冷凍する場合

揚げてから冷凍したなすは、2週間ほど日持ちします。あらかじめ油を吸っていてコクが出るので、「パスタの具」や「炒め物」、「麻婆なす」などにおすすめです。

【揚げたあとの冷凍手順】

  1. なすを洗って食べやすい大きさに切る。
  2. 10分ほど水にさらしてアク抜きをし、水気を拭き取る。
  3. 油で素揚げする。
  4. キッチンペーパーの上に取り出して油を切り、粗熱をとる。
  5. トレーなどに並べてラップをかけ、1〜2時間冷凍庫に入れる。
  6. 表面が凍ったら冷凍用保存袋に移し、空気を抜いて密閉し、再度冷凍庫に入れる。

冷凍したなすの活用方法

冷凍なすを電子レンジに入れる画像

冷凍保存したなすをおいしく食べるには、ちょっとしたポイントがあります。それぞれの冷凍方法に適した解凍の仕方も覚えておきましょう。

丸ごと冷凍したなすの調理法

丸ごと冷凍保存したなすは、完全に解凍してしまうと水分が抜けてしまうので、半解凍状態で食べやすい形にカットして調理しましょう。

【丸ごと冷凍したなすの使い方】

  1. ラップに包んだままの冷凍なすを電子レンジで温める(1本につき600Wで30秒ほどが目安、まだ固く刃が入らない場合は10秒ずつ追加加熱)。
  2. 半解凍状態になったら、食べやすくカットして料理に使う。

カットした冷凍なすの調理法

カットして冷凍保存したなすも、解凍すると水分が抜けてしまうので、カチカチに凍ったまま料理に使うことをおすすめします。溶け始めて表面に水分が多くついていると、加熱する際に油がはねるため注意が必要です。

カット後に生のまま冷凍保存したなすは、解凍すると皮の食感が気になりやすくなるので、短時間でさっと加熱するよりも「じっくり加熱する料理」に向いています。ラタトゥイユやカレーといった煮込み料理がおすすめです。

【カットして冷凍したなすの使い方】
凍ったまま、加熱調理(蒸す・焼く・煮る・揚げる)をして使う。

加熱後に冷凍したなすの調理法

加熱してから冷凍保存したなすは、解凍してしょうゆやめんつゆをかけるだけでもおいしくいただけます。あらかじめ余分な水分を飛ばしているので、解凍後も食感を保ちやすいのがメリットです。

【加熱後に冷凍したなすの使い方】

  • そのまま食べる場合:冷蔵庫に移すか、常温において解凍する、もしくは電子レンジで解凍してから食べる。
  • 再加熱調理に使う場合:味噌汁やパスタなどに再加熱して使いたいときは、解凍せずに凍ったまま調理する。

まとめ

なすの冷凍保存のコツを覚えておけば、日持ちさせられるだけでなく、作りたい料理にあった保存の仕方を選べてとても便利です。しかし、解凍方法や調理法を誤ると水分が出すぎてしまったり、食感を損ねてしまったりします。今回紹介したポイントを押さえて、なすを無駄なくおいしく使い切りましょう。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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