納豆のたんぱく質の含有量は?その他の栄養素やおすすめの食べ方も紹介

この記事をシェア

Xで共有する

LINEで送る

Facebookでシェアする

「ボディメイクや健康づくりのために、手軽でヘルシーな納豆でたんぱく質を補給したい!」と考えている方は多いと思います。美しく健康的な体をつくるためにも、納豆の栄養価や健康効果について、しっかり学んでおきましょう。

今回は、納豆のたんぱく質の含有量や、栄養素・健康効果を活かす食べ方を紹介します。

納豆100g当たりのたんぱく質は16.5g以上!

納豆の画像

納豆(可食部100g)にはたんぱく質が16.5g以上も含まれており、同じくたんぱく質が豊富な牛肩ロース(可食部100g)と同等の含有量を誇ります。

納豆1パック(40g)あたりで換算すると、たんぱく質含有量は6.6gほどです。たんぱく質の1日の推定平均必要量のうち、成人男性(50g/日)では約13%、成人女性(40g/日)では約17%が納豆1パックで摂取できます。

<食品可食部100g当たりの栄養比較>

食品名 エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
糸引き納豆 184 16.5 10.0 12.1
ひきわり納豆 185 16.6 10.0 10.5
木綿豆腐 73 7.0 4.9 1.5
絹ごし豆腐 56 5.3 3.5 2.0
鶏卵(全卵) 142 12.2 10.2 0.4
牛肩ロース(赤肉) 293 16.5 26.1 0.2
鶏もも(皮付き) 234 17.3 19.1 0
きはだまぐろ 102 24.3 1.0 Tr(※)

※出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
※「Tr(微量、トレース)」は最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満であることを示す。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

納豆の栄養素と健康効果

納豆にはビタミンK・パントテン酸・鉄が多く含まれており、糸引き納豆には食物繊維も豊富です。

そのほか、カリウムやビタミンB2も含まれています。納豆に含まれるこれらの栄養素の働きを紹介します。

ビタミンK|血液凝固のサポート・骨の形成

納豆はビタミンKが豊富で、100g当たりに換算すると糸引き納豆では870μg、ひきわり納豆では930μg含まれています。

ビタミンKは血液凝固に必要な栄養素です。血液を固めるには、主に肝臓で作られるプロトロンビンという血液凝固因子が必要であり、ビタミンKは補酵素としてプロトロンビンの生成を円滑にする働きがあります。

また、ビタミンKは丈夫な骨の形成にも欠かせません。骨へのカルシウム沈着を促進して健康な骨づくりに役立ちます。

パントテン酸|脂質・糖質の代謝

納豆はパントテン酸が豊富で、100g当たり糸引き納豆では3.63mg、ひきわり納豆では4.28mg含まれています。

パントテン酸は、私たちが食べた脂質や糖質をエネルギーに変える手助けをするビタミンの一種です。

私たちの体の中では、常にたくさんの化学反応(代謝)が起こっています。パントテン酸はこの代謝の円滑な進行に役立つ「潤滑油」のような役割があり、体を正常に働かせて健康維持に貢献しています。

さらに、善玉コレステロールの生成に関与したり、免疫機能を助ける抗体の生産をサポートしたりなど、体の機能を保つための重要な栄養素です。

葉酸|赤血球の生産・体の発育

納豆は葉酸が豊富で、100g当たり糸引き納豆では130μg、ひきわり納豆では110μg含まれています。

葉酸は、赤血球の生産や健全な発育に重要な役割を果たすビタミンの一種です。

また、核酸(細胞の遺伝情報を保持するDNAや、DNAの情報をもとにたんぱく質を合成するRNAの総称)の生成を促進し、細胞の生産や再生を助けて体の発育に貢献しているのです。

葉酸は、細胞の分裂や成熟に欠かせないため、妊娠中の胎児の健全な成長に欠かせません。そのため、厚生労働省では妊娠している女性に対して1日240μgの追加摂取を推奨しています。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

鉄|体中に酸素を運ぶ

納豆は鉄も豊富で、100g当たり糸引き納豆では3.3mg、ひきわり納豆では2.6mg含まれています。

鉄は、赤血球中にあるヘモグロビンの主成分として体中に酸素を運ぶ重要な役割を担うミネラルの一種です。筋肉に酸素を蓄えて筋力を維持するのに役立ち、体の疲労緩和にも効果が期待できます。

一方、鉄が不足すると酸素の供給が不十分になり、息切れや倦怠感を主症状とした鉄欠乏性貧血を招くため要注意です。

日本女性の40%(月経のある20~40代では約65%)が貧血、またはかくれ貧血(※)とされているため、女性は特に積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

※かくれ貧血…貧血と診断されてはいないものの、鉄不足の状態であること。

出典:働く女性の心とからだの応援サイト「日本の女性は鉄分不足!その不調、貧血かも?

食物繊維|便通の改善・コレステロールの排出

納豆は食物繊維も含まれ、100g当たり糸引き納豆では9.5g(※)と豊富で、ひきわり納豆では5.9g含まれています。

食物繊維は、腸内環境を整えて便通を改善したり、善玉菌を増やしたりして大腸の健康維持に役立つ成分です。

血糖値の急激な上昇を抑え、コレステロールを体外に排出する働きがあるため、糖尿病や高血圧といった生活習慣病予防も期待できます。

※糸引き納豆の食物繊維量は「AOAC.2011.25法」での成分量を記載しています

納豆の栄養をたっぷり摂れる食べ方

納豆の画像

納豆にはナットウキナーゼというたんぱく質分解酵素が含まれています。ナットウキナーゼは、血栓を溶解する働きがあり、血流改善や血圧降下作用、末梢体温の維持に役立つ成分です。

ナットウキナーゼは、熱に弱いため、熱を加えずにそのまま食べるのがおすすめです。

たんぱく質を含む毎日食べたい食品3選

鳥肉、トマト、野菜の画像

栄養豊富な納豆は日本の宝ともいえる優秀な食品ですが、他にも手軽においしくたんぱく質を摂れる食品があります。

また、たんぱく質は、植物性と動物性を同時に摂ると効率的に摂取できるといわれています。納豆に含まれるたんぱく質は植物性であるため、動物性も組み合わせて摂るのがおすすめです。

そこで最後に、納豆に加えて摂りたい、動物性たんぱく質を含む食品を紹介します。

プロセスチーズ

プロセスチーズには、100g当たり22.7gのたんぱく質が含まれています。そのほか、亜鉛やビタミンA(レチノール)、ビタミンB12も豊富です。

亜鉛は、たんぱく質やDNAの合成を助けて成長発達をサポートします。

ビタミンA(レチノール)は、目や皮膚の粘膜の健康維持に効果的です。

ビタミンB12は、葉酸と協力して骨髄での赤血球の生成と成熟を助けることで造血に役立ちます。

サラダチキン(ささみ、むね肉)

サラダチキンは、主に鶏のささみやむね肉を原料に作られており、それぞれ100g当たりのたんぱく質含有量は、ささみ23.9g、むね肉23.3gほどです。

エネルギーの産生に役立つナイアシンや、免疫機能のサポートをするビタミンB6なども豊富に含んでいます。

ちくわ

ちくわには、100g当たり13.2gのたんぱく質が含まれています。食べ応えがありますが、脂質量がわずか0.4gと少ないのも魅力です。

ただし、100g当たりに2.5gほどの塩分も含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。

まとめ

納豆は100gあたり16.5g以上のたんぱく質を含み、ビタミンKやパントテン酸・葉酸・鉄・食物繊維といった栄養素も補給できる優秀な食品です。これらの栄養素は骨の健康や代謝促進・造血・酸素運搬・腸内環境の改善などに役立ちます。

血液をサラサラにするナットウキナーゼは、熱に弱いため、健康効果を最大限に活かすには、納豆は加熱せずそのまま食べるのがおすすめです。

なお、たんぱく質は、植物性と動物性を同時に摂ると効率良く吸収できるといわれています。そのため、納豆に加えてプロセスチーズやサラダチキン・ちくわなど手軽に食べられる食品を常備しておくと、ボディメイクや健康づくりにさらに役立つでしょう。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

この記事をシェア

Xで共有する

LINEで送る

Facebookでシェアする

TOP すべての記事 納豆のたんぱく質の含有量は?その他の栄養素やおすすめの食べ方も紹介

PICK UP

ピックアップ