とうもろこしは、茹で方を工夫するだけで甘さやみずみずしさが引き立ち、さらに味わい豊かになります。また、加熱方法を変えれば歯ざわりや風味も変わってくるので、そのまま食べたり料理にトッピングしたりと、食べ方に合わせて茹で方を使い分けるのもおすすめです。
今回は、とうもろこしをおいしく茹でるためのポイントや、お好みの仕上がり別の加熱方法を解説します。
とうもろこしをおいしく茹でるポイント
まずは、とうもろこしをおいしく茹でるためのポイントを紹介します。
手に入ったらすぐ茹でる
とうもろこしは、野菜のなかでも鮮度が落ちやすいのが特徴です。収穫してから時間が経つにつれて、粒の糖度も下がってしまいます。
とうもろこしを甘く仕上げたいなら、購入してすぐに加熱調理することが大切です。
ただし、どうしても当日中に消費できない場合は、風味や甘みは多少落ちてしまいますが冷蔵・冷凍で保存することも可能です。冷蔵保存なら2~3日、冷凍保存であれば1か月程度はもつとされています。
とうもろこしを冷蔵・冷凍保存する方法について、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
「とうもろこしの保存方法は?冷蔵・冷凍でおいしさを保つコツ」
2~3枚の薄皮を残して茹でる
とうもろこしを茹でるときは、薄皮を2~3枚残した状態で茹でるのがコツです。
薄皮も含めてすべてむいてから茹でると、食感が水っぽくなりやすく、旨みも溶け出してしまいます。
薄皮がついたまま茹でることで、とうもろこし本来の甘みや旨みを逃さずに、最大限引き出すことができます。
ただし、緑の皮がついたまま茹でると青臭さが残ってしまうため、外側の硬く濃い緑色をした皮は必ず取り除きましょう。
とうもろこしの基本の茹で方&茹で時間
ここでは、仕上がりの味や食感に分けて3つの茹で方を紹介し、それぞれの適切な茹で時間も解説します。
- 【一番おすすめ】水から茹で、沸騰寸前の温度で加熱する
- 【さわやかな甘み】水から茹で、沸騰したお湯で加熱する
- 【シャキシャキ食感】沸騰したお湯に入れて茹でる
なお、茹でおわった後は茹で汁に浸けた状態でしばらく置き、粗熱を取りましょう。とうもろこしの旨みや甘みを閉じ込めて、よりおいしく仕上がります。
なお、いずれの方法でも、火を止めてから湯量の3%程度の塩を追加で加え、そのまま4分ほど漬けておくと、甘みをより引き出すことができます。
【一番おすすめ】水に入れて火にかけ、沸騰寸前のお湯で15~20分
水からとうもろこしを火にかけ、沸騰寸前の状態をキープしながらじっくり茹でる、一番おすすめの方法です。ゆっくり火が通るため、粒がやわらかくふっくら仕上がり、とうもろこしの甘みが最も引き立ちます。
手順は次の通りです。
- とうもろこしの皮を、薄皮2~3枚を残してむく。
- たっぷり水を入れた鍋にとうもろこしと塩少々を加えて火にかける。
- お湯は完全に沸騰させず、表面がゆらゆらと揺れる程度の火加減をキープ。そのまま15~20分程度かけて茹でる。
【さわやかな甘み】水に入れて火にかけ、沸騰したお湯で3~5分
はじめの手順は1つ目の茹で方と同じですが、完全に沸騰させたお湯を使って短時間で仕上げていく方法です。粒がふくらんでしっとりとした食感になり、さわやかな甘みを感じられます。
手順は次の通りです。
- とうもろこしの皮を、薄皮2~3枚を残してむく。
- たっぷり水を入れた鍋にとうもろこしと塩少々を加えて火にかける。
- お湯を沸騰させ、さらに3~5分程度茹でる。
お湯を早く沸騰させたい場合は、鍋に蓋をしても構いません。時短で茹で上げたいときにおすすめの茹で方です。
【シャキシャキ食感】沸騰したお湯に入れて3~5分
先にお湯を沸騰させておき、加熱する時間をより短くした方法です。
他の茹で方と違い、シャキシャキとした軽やかな食感に仕上がります。とうもろこしを野菜サラダに入れたり、料理のトッピングに活用したりするときにおすすめです。
手順は次の通りです。
- とうもろこしの皮を、薄皮2~3枚を残してむく。
- 沸騰したお湯にとうもろこしと塩少々を加え、3~5分程度茹でる。
とうもろこしの他の調理方法
とうもろこしは鍋で茹でる以外にも、電子レンジで加熱する方法と、フライパンで加熱する方法もあります。より手軽に調理でき、味わいもそれぞれ変わるのでぜひ試してみてください。
ここでは、電子レンジ加熱とフライパン加熱のやり方を解説します。
電子レンジ
まずは、電子レンジで加熱する方法です。
- とうもろこしの皮を、薄皮2~3枚を残してむく。
- 薄皮の上から水をかけ、とうもろこし全体をラップですき間なくくるむ。
- 600Wの電子レンジで5分程度加熱する。
- レンジから取り出し、ラップでくるんだまま粗熱を取る。
電子レンジで加熱するメリットは、水溶性の栄養素が溶け出すのを防げることや、より手軽に調理できることです。ラップで蒸したような状態になるため、甘さも引き立ちます。さらに、鍋を用意しなくても良いので、洗い物を減らしたい場合にも適しています。
ただし、レンジで加熱したものは時間が経つと水分が抜けていってしまいます。加熱後はすぐに食べるのがおすすめです。
電子レンジ加熱の方法やメリット、おいしく作るコツは、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
「とうもろこしはレンジ加熱でおいしくなる!簡単な手順とコツを解説」
フライパン
フライパン調理では、少なめの水で蒸し煮にします。フライパンはとうもろこしが無理なく入るくらいの深さがあり、蓋がしっかり閉まるものを選びましょう。
- 深めのフライパンに1〜2cm程度の水を入れ、沸騰させる。
- 沸騰したお湯にとうもろこしを入れる。とうもろこし2〜3本に対し、小さじ1程度の塩を上からふりかけ、蓋をする。
- 火加減は中火にして、7〜8分程度蒸すように加熱する。
- 蓋をしたまま粗熱を取る。
塩を先にお湯に溶かしてしまうと、お湯に浸かっている部分だけに塩気がついてしまいます。塩を上からかけることで、全体にまんべんなく味がつきますよ。
蒸し煮にすると食感が良くなり、旨みや甘みもしっかり残ります。手軽にとうもろこし本来の風味を堪能したい方におすすめです。
まとめ
とうもろこしを鍋で茹でる方法は主に3つあり、それぞれ食感や甘みなど仕上がりが変わります。どの方法でもよりおいしく食べるには、新鮮なとうもろこしを選んですぐに調理するのがポイントです。
また、鍋で茹でる以外に、電子レンジやフライパンを使って加熱する方法もあります。加熱方法を変えて、お好みの食感や味わいを探すのもおすすめです。とうもろこしをおいしく調理して、自然な甘みを楽しんでみてください。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。