とうもろこしは鮮度が落ちやすく、新鮮なまま長期間置いておくのが難しい食材です。購入したら、なるべくその日のうちに食べることをおすすめします。
とはいえ、たくさんもらったときなど、すぐに食べきるのが難しいこともありますよね。その場合は、ポイントをおさえながら冷凍または冷蔵で保存して長持ちさせましょう。今回は、とうもろこしの風味をキープする、適切な保存方法を紹介します。
とうもろこしの保存は【冷凍(目安:1か月)】がおすすめ
とうもろこしの鮮度を維持しながら長期間保存するには、冷凍保存がおすすめです。冷凍で適切に保存すれば、1か月は日持ちします。
ここでは、とうもろこしを冷凍保存する際の手順を紹介します。
【おすすめ!】最も鮮度を保てるのは「加熱後に冷凍」
とうもろこしの鮮度を最も保てるのは、加熱後に冷凍保存する方法です。
手順は次の通りです。
- とうもろこしを鍋で少し硬めに茹でる。(電子レンジ加熱も可)
- 茹で上がったとうもろこしをすぐにラップで包む。
- そのまま冷まして粗熱を取る。
- ラップの表面についた結露を拭き取り、保存袋に入れる。
- 冷凍庫に入れる。
ポイントは熱々のうちにラップで包むことです。水分が逃げてしまうのを防ぎ、茹でたてのツヤを保つことができます。
なお、1本をそのまま保存すると冷凍庫の中で場所をとってしまうため、スペースがない場合は茹でた後に輪切りにしたり、実を外したりしてから冷凍するのもおすすめです。
実だけを外した状態で保存するときは、直接保存袋に入れるほか、ペットボトルに入れて冷凍するのも便利ですよ。
とうもろこしをおいしく茹でる方法については、こちらの記事をご覧ください。
「とうもろこしの基本の茹で方!茹で時間やおいしくなるポイントも解説」
時短したいなら「生のまま冷凍」もできる
冷凍の作業を時短したい場合は、生のまま冷凍することも可能です。
加熱してから冷凍したものと比べ、解凍時に多少食感が落ちてしまいますが、手軽に長期保存したいときに便利です。
具体的な手順は次の通りです。
- キッチンばさみを使ってひげの先端を切り落とす。
- 外側の皮を数枚取り除き、内側の薄皮は2〜3枚残しておく。土汚れがついている場合は払い落とす。
- 1本ずつ皮ごとラップで包む。
- 保存袋に入れて冷凍する。
ラップでくるむ際は、空気が入らないようにぴったりと包むのがポイントです。
使いたい料理によっては「ペースト状にして冷凍」もおすすめ
とうもろこしをポタージュなどに使う場合は、ペースト状に加工してから冷凍するのもおすすめです。コンパクトになるので冷凍庫の中でも場所を取りません。
具体的な手順は次の通りです。
- 鍋でとうもろこしをやわらかく茹でる。(電子レンジ加熱も可)
- 包丁などを使って実を外す。
- フードプロセッサーでペースト状にする。
- ジッパー付きの保存袋に入れ、空気を抜いて平らにしながら口を閉じる。
- 袋の上から、2~4等分になるように溝を入れて冷凍する。
溝を入れて冷凍しておくことで、調理の際に必要な分だけ割って使うことができます。
冷凍保存したとうもろこしの解凍方法
冷凍保存したとうもろこしの解凍方法は、冷凍したときの方法によって異なります。
ここでは、それぞれの解凍方法を解説します。
加熱した後に冷凍した場合
加熱後に冷凍したとうもろこしは、食べる前日に冷蔵庫へ移し、自然解凍をしましょう。ある程度時間がかかるため、きちんと解凍されているか確かめてから調理に使うと安心です。
事前に茹でてあるため、解凍後はそのままでも食べられますが、電子レンジなどで軽く温めなおすとより甘みを感じられます。
冷凍による食感の変化が気になる場合は、ピラフやチャーハンなど火を通して使うのがおすすめです。1本丸ごと使うなら、焼きとうもろこしにするのも良いでしょう。
粒を外して冷凍した場合は、解凍せずに凍ったまま料理に使うこともできます。
生のまま冷凍した場合
生のまま冷凍したとうもろこしを解凍するには、電子レンジ、鍋、蒸し器の3つの方法があります。
・電子レンジ
- 凍ったままのとうもろこしをラップでふんわりと包む。
- 600wの電子レンジで、1本6~8分加熱する。
・鍋
- 鍋に水と凍ったままのとうもろこしを入れて、火をつける。
- 沸騰したら3〜4分そのまま加熱する。
・蒸し器
凍ったままのとうもろこしを蒸し器に入れて、約10〜12分蒸す。
こちらの方法で解凍したあとは、茹でたとうもろこしと同じような状態になるため、そのまま食べることができます。
ただし、茹でてから冷凍したものに比べて解凍時に食感が損なわれてしまうため、スープなど食感が気になりにくい料理に活用するのがおすすめです。
ペースト状にして冷凍した場合
ペースト状にして冷凍したとうもろこしは、凍ったまま調理できます。
例えば、冷凍のまま牛乳やコンソメと一緒に鍋で温めればコーンポタージュが完成します。温めたコーンポタージュをよく冷やせば、冷製スープも作れますよ。
冷凍するときにひと手間かかってしまいますが、一度にたくさん冷凍しておけば、いつでも手作りのコーンポタージュを用意できるため便利です。
あと一品足りないときにも役に立つので、とうもろこしがたくさん手に入ったときはペースト状にして冷凍しておくのもおすすめです。
とうもろこしの他の保存方法
数日以内に食べきる場合は、とうもろこしを冷凍ではなく冷蔵で保存することも可能です。
ここでは、冷蔵保存の手順や保存期間の目安を解説します。
生のまま冷蔵保存する|目安:2~3日
とうもろこしを生のまま冷蔵保存した場合、保存期間の目安は2〜3日です。
具体的な手順は次の通りです。
- キッチンばさみを使ってひげの先端を切り落とす。
- 外側の汚れている皮をむき、内側の薄皮は2〜3枚残したまま、ラップでぴったり包む。
- そのまま冷蔵庫の野菜室に入れて保存する。
とうもろこしの粒に含まれる水分は、時間の経過ごとに芯に吸い取られてしまいます。そのため、内側の薄い皮を残したままラップで包むことで、水分の蒸発を防ぎ、鮮度を保ちやすくなります。
また野菜は、自然に生えているときに近い状態で保存すると長持ちするといわれています。そのため、野菜室で保存するときは、ひげの部分を上にして立てて保存するのがおすすめです。
茹でてから冷蔵保存する|目安:2~3日
茹でたとうもろこしも、2~3日を目安に冷蔵保存が可能です。
- キッチンばさみを使ってひげの先端を切り落とす。
- 外側の汚れている皮をむき、内側の薄皮は2〜3枚残しておく。
- そのまま鍋で茹でるか電子レンジで加熱したあと、ラップで空気が入らないように包む。
- 粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて保存する。
熱いうちにラップで包むことで、水分を閉じ込めることができ、粒のハリやツヤ感を保つことができます。
粗熱が取れたら、食べやすい大きさに輪切りにしておくのもおすすめです。他にも、実だけを外してラップに包んでおけば、サラダやスープのトッピングなど、彩りが欲しいときにサッと使えて便利ですよ。
とうもろこしを電子レンジで調理する方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
「とうもろこしはレンジ加熱でおいしくなる!簡単な手順とコツを解説」
まとめ
とうもろこしは、上手に保存することで時間が経ってもおいしく食べられます。最もおすすめの方法は、加熱してから冷凍保存することです。鮮度を保ちやすく、料理の時短にも役立ちます。
そのほか、手間はかかりますが、ポタージュに使ったり大量保存したりしたい場合はペースト状にする方法もあります。どのような料理に使いたいのかを考えながら、適切に保存して長く楽しみましょう。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。