たまねぎは、食卓に欠かせない食材のひとつです。一年中出回っていて、どのような料理にも使える食材なので、常備している家庭も多いでしょう。
しかし、あっという間に芽が出てしまった、変色してしまった……という経験がある方もいるのではないでしょうか。
今回は、たまねぎをできるだけ長持ちさせる適切な保存方法について紹介します。
たまねぎの最適な保存方法
ここでは、たまねぎを最も長持ちさせられる適切な保存方法について解説します。
1.ネットやストッキングで吊るして常温保存
たまねぎを丸ごとの状態のまま保存する場合、基本的には常温保存(1度~15度程度)が最適です。夏場は傷みやすくなるため、気温の高い時期は冷蔵庫で保存しましょう。
また、たまねぎは湿気が大敵です。購入したときのビニール袋に入れたままで置いておくと、湿気が溜まってしまうおそれがあります。
常温で保存する場合は、皮が付いたままネットやストッキングに入れて、風通しが良く、直射日光が当たらない日陰に吊るすのがおすすめです。
ネットやストッキングに1個分ずつ結び目を作って入れておくと、たまねぎ同士で触れ合うこともないので、通気性が良くなります。使うときは、結び目の下で切って取り出しましょう。
風通しが良い状態で保存すれば、2か月は保存できます。
2.新聞紙で包んで常温保存
マンションなどで吊るすスペースがない場合は、新聞紙やキッチンペーパーに包んで常温保存するのがおすすめです。たまねぎを1個ずつ包み、大きなカゴや段ボールなど通気性が良い容器に入れておきましょう。
保存場所は、風通しの良い日陰がベスト。新聞紙やキッチンペーパーは定期的に交換し、湿気がこもらないように工夫してください。
ほかのたまねぎと触れ合う状態で保存すると傷むおそれがありますが、1個ずつ包むことで、そうした傷が予防できるというメリットもあります。
この方法での保存期間は、1か月~2か月が目安です。
【シーン別】たまねぎを長持ちさせる保存方法
たまねぎを使う前に保存するなら常温保存がおすすめですが、季節や使い方、たまねぎの状態にあわせて保存方法が異なります。
ここでは、シーン別のたまねぎの保存方法を紹介します。
夏場・冬場に保存する場合
夏場や冬場などは、たまねぎの適温(1度~15度程度)での保存が難しい季節です。
この場合は、新聞紙やキッチンペーパーで1個ずつ包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。保存期間の目安は、1か月ほどです。
冷蔵庫内での湿気対策として、包んだ新聞紙やキッチンペーパーは定期的に交換することが大切です。
使いかけを保存する場合
使いかけのたまねぎを保存するときは、水分をなるべく残さないのが鉄則です。
たまねぎの水分を拭き取り、ラップで空気に触れないようにきっちり包みます。ジップ付きの保存袋などに入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
この状態でも長くはもたないため、3日~4日で使い切るのがベストです。
なお、使いかけのたまねぎを長持ちさせたい場合は、次に紹介する冷凍保存も参考にしてください。
料理を時短したい場合
料理を時短するために、あらかじめ下ごしらえしたたまねぎを冷凍保存することも可能です。
ここでは、料理の時短に使える、たまねぎの冷凍保存の方法を紹介します。
関連記事:「たまねぎを冷凍保存するメリットは?冷凍方法や解凍・活用方法も!」
切ってから冷凍保存
料理でたまねぎを使うことが多い方は、使いやすいサイズに切って冷凍保存しておくと便利です。
切ってから冷凍保存したものは、1か月程度の保存が可能です。たまねぎは冷凍すると細胞が壊れるため、味が染み込みやすくなるというメリットもあります。
切ったたまねぎを保存する場合は、少量ずつラップの上に平らに広げて包み、保存袋に入れて冷凍保存しましょう。
ラップで小分けにすることで、取り出しやすくなるのも利点です。使うときは、解凍も必要ありません。凍ったまま調理に使えるため時短になります。
炒めてから冷凍保存
たまねぎをあらかじめ炒めてから冷凍保存することも可能です。
薄切りやみじん切りにしたたまねぎをあめ色になるまで炒め、粗熱が取れたらラップで小分けに包んで保存袋に入れて冷凍しましょう。
炒めたたまねぎは、およそ1か月保存可能です。
カレーなどの煮込み料理や、野菜や肉にかけるソース、スープなどに使えます。凍ったまま調理に使えるので、たまねぎを炒める時間も解凍する時間も必要なく、時短になります。
大量のたまねぎを保存したい場合
たまねぎをまとめ買いしたり、たくさんもらったりして使いきれない場合は、丸ごと冷凍することもできます。
まず、たまねぎの皮を剥き、頭の部分と根の部分を切り落とします。次に、切り落とした部分に十字の切り込みを入れて、空気に触れないようラップできっちり包みましょう。
包んだものを保存袋に入れて冷凍庫で保存すると、1か月の保存が可能です。
使うときは、冷蔵庫で2時間~3時間程度解凍してからカットするか、凍ったまま丸ごと煮込み料理などに入れるのがおすすめです。
たまねぎを保存する際の注意点・ポイント
たまねぎを長持ちさせるには、いくつかのコツや注意点があります。
最後に、たまねぎを保存する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
新たまねぎは数日で食べきる
新たまねぎは、収穫後に乾燥処理をしない状態で出回るため、普通のたまねぎよりも水分量が多めです。普通のたまねぎよりも腐りやすいので、購入したら冷蔵庫に入れ、数日で食べきるのがベストです。
また、みずみずしい新たまねぎは、乾燥させて保存するのに向きません。新鮮なものを生の状態で楽しめるうちに食べきってしまいましょう。
保存する予定がある場合は新鮮なたまねぎを選ぶ
たまねぎを長期間保存するときは、できるだけ新鮮なたまねぎを選びましょう。身が平たいものよりも、球体のようにしっかりと丸く太り、首と根の部分は細く締まっているものが新鮮な証拠です。
また、皮につやがあって傷がないものを選ぶと傷みにくいでしょう。
選ぶときは、見た目だけでなく、実際に手に持ってみることも大切です。ずっしりと重みがあり、首や根の周辺に触れてもへこまないものを選びましょう。
包装ビニールからすぐ取り出す
たまねぎを購入したら、ビニールの袋からすぐに取り出すことが大切です。
ビニールの袋にたまねぎを入れておくと、袋の中に湿気が溜まって結露が発生することがあります。たまねぎは水分に弱いため、傷みやすくなるのです。
「ビニールの袋に入れたままにしないこと」と覚えておきましょう。
冷蔵室と野菜室を使い分ける
冷蔵室と野菜室では、温度と湿度が異なります。
冷蔵室は低温で湿度も低く、野菜室は冷蔵室よりも高温で湿度も高いのが一般的です。
たまねぎは湿度が高い場所を好まないため、冷蔵庫内であれば冷蔵室での保存に向いています。
間違えて野菜室で保存すると、湿度に耐え切れずに傷むおそれがあるので注意しましょう。
まとめ
たまねぎは、湿気が少なく、風通しが良い場所で常温保存するのが最適です。夏場や冬場など、保存に適した温度を保てない場合は、1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーに包んで保存袋に入れ、冷蔵室で保存しましょう。
また、あらかじめ切ってから冷凍保存しておけば、料理の時短にもなるため、たくさんもらったときは冷凍保存もおすすめです。
たまねぎを上手に保存して、日々の料理や節約に活かしてみてはいかがでしょうか。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。