「かぼちゃの保存は、常温?それとも冷蔵庫?」と迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。大きく分けて「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの方法があり、かぼちゃの状態によって最適な保存方法が異なります。ポイントをおさえれば、保存期間を長くさせるだけでなく、甘さを引き出すことも可能です。
今回は、かぼちゃの保存方法と長持ちさせるポイント、かぼちゃを使ったおいしいレシピについてご紹介します。
かぼちゃを保存するときは水分に注意する
かぼちゃの保存性は、「丸ごとのまま」と「カットかぼちゃ」の場合で大きく異なります。
かぼちゃの保存には水気が大敵ですが、丸ごとのまま保存する場合は中の実が固い皮に守られているため、適切な環境であれば2か月間ほどの保存が可能です。
しかし、スーパーなどでよく見かける「カットかぼちゃ」の場合、水分が多いワタや種の部分が早く傷み始めます。カットかぼちゃを買ってきた場合は、すぐにワタと種を取り除くのが長持ちさせるポイントです。
【形状別】かぼちゃの保存方法
ここでは、「丸ごとのまま常温保存」「カットして冷蔵庫」「カットして冷凍庫」の3つの場合に分けて、正しい保存方法をご紹介します。
丸ごとのまま保存する
丸ごとひと玉の状態のかぼちゃは、適切な方法で保存すれば常温で2か月ほど持ちます。新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ヘタを上にして冷暗所で保存しましょう。
風通しが良く、10度前後の環境が理想的です。ただし、風通しの良い場所であっても、夏場や冬の暖房が効いた部屋では傷むスピードが早くなってしまいます。気温が高い場合は、丸のまま新聞紙などに包んで、常温ではなく冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
また、かぼちゃはカットせずに丸ごとの状態で保存すると、時間とともに追熟が進み、程よく水分が抜けて甘みが増すといったメリットがあります。
カットしてから保存する
カットしたかぼちゃは、「冷蔵庫の野菜室」か「冷凍庫」で保存しましょう。カットすると水分が多いワタと種の部分から傷みやすいので、スプーンなどで取り除き、キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取りましょう。
また、断面が乾燥してしまうので、ラップで密閉するのがおいしさをキープするポイントです。
カットしたかぼちゃの、野菜室と冷凍庫での具体的な保存方法をご紹介します。
野菜室で保存する
野菜室で保存する場合は、長くても5日ほどで使い切りましょう。それ以上保存すると、カビが生えたり、腐ってしまうおそれがあります。
<野菜室で冷蔵する場合>
- かぼちゃは、皮の部分だけを洗う(断面やくりぬいた部分は、なるべく濡らさない)
- ワタと種を取り除き、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- ラップでぴったりと包み、野菜室で保存する
【長持ちさせるポイント】
- 断面に水分が残っていると傷みやすいので、丁寧に水分を拭き取りましょう。
- 断面やくりぬいた部分もなるべく濡らさないよう、内面は洗わずに保存しましょう。
- 断面に空気が当たると、酸化・乾燥により傷みやすくなります。しっかりラップで密閉させましょう。
冷凍庫で保存する
カットしたかぼちゃの保存期間を長くしたい場合は、1か月ほど保存できる冷凍保存がおすすめです。あらかじめ用途に合わせたサイズに切り分けてから冷凍すると、使いたいときにさっと使えて調理時間を短縮できますよ。
さらに、加熱したかぼちゃを切り分けて冷凍しておくと、その後の調理がさらに楽になるのでおすすめです。「生のまま」と「加熱してから」の2パターンの冷凍保存方法をご紹介します。
<生のまま冷凍する場合>
- かぼちゃは、皮の部分だけを洗う(断面やくりぬいた部分は、なるべく濡らさない)
- ワタと種を取り除き、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- 用途に合わせて切り分ける(硬い場合は、電子レンジで適宜加熱すると良い)
- 1回分ずつ小分けにし、ラップでぴったりと包む
- 冷凍用の保存袋に4を入れて、冷凍庫で保存する
【便利に使うポイント】
- 煮物には「角切り」、天ぷらには「薄切り」、スープには「サイコロ状」など、普段よく作る料理に合わせてカットしておくと便利です。
- 4の工程を省き、そのまま冷凍用保存袋に入れる方法もあります。空気を抜いて平らにしてから金属トレーにのせて冷凍すると、熱伝導がよく短時間で冷凍できるので、よりおいしさをキープできます。
<加熱してから冷凍する場合>
- かぼちゃは、皮の部分だけを洗う(断面やくりぬいた部分は、なるべく濡らさない)
- ワタと種を取り除き、キッチンペーパーで水分を拭き取る
- かぼちゃをラップで包み、竹串がスッと通る程度まで電子レンジで加熱する(1/4サイズの場合、600Wで4分ほど)
- 粗熱を取り、用途に合わせて切り分ける
- 1回分ずつ小分けにし、ラップで包む
- 冷凍用の保存袋に4を入れて、冷凍庫で保存する
【便利に使うポイント】
- 電子レンジに限らず、茹でたかぼちゃも同様に冷凍できます。
- お弁当のおかずとして使いたいときは、シリコンや紙のお弁当用カップに詰めたあと、保存容器に入れて冷凍しておくと便利です。
- 加熱したかぼちゃをマッシュ(すりこ木などでつぶす)しておくと、かぼちゃサラダやコロッケ、ポタージュ作りの際に活躍します。
- 5の工程を省き、そのまま冷凍用保存袋に入れる方法もあります。空気を抜いて平らにしてから金属トレーにのせて冷凍すると、熱伝導がよく短時間で冷凍できるので、よりおいしさをキープできます。
保存したかぼちゃを使ったおいしいレシピ
ここからは、ピエトロのドレッシングやパスタソースを使って、簡単に作れる絶品かぼちゃレシピをご紹介します。
かぼちゃとチキンのスキレット
おもてなし料理にもピッタリの、簡単に作れるメニューです。焼いてドレッシングをかけるだけなのに、特別感のあるオシャレな出来栄えと味わいが楽しめます。
材料(2人分)
- かぼちゃ…120g
- 鶏もも肉…80g
- オリーブオイル…大さじ1
- 塩・こしょう…適量
- くるみ…大さじ1
- ピエトロオリーブオイルドレッシング バルサミコ®…大さじ1
作り方
- かぼちゃと鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。鶏もも肉に軽く塩・こしょうをする。
- スキレットにオリーブオイルを熱し、中火で1に焼き色をつける。
- 2をオーブンで焼く(目安:250度で4~5分)。温かいうちにドレッシングをかけ、砕いたくるみをのせる。
かぼちゃとチーズ、バジルソースの春巻
短冊切りにしたかぼちゃを巻いて揚げる洋風春巻です。味付けもパスタソースにお任せなので、とってもお手軽。とり~りチーズとバジルの香りが食欲をそそります。
材料(2人分)
- 小麦粉…適量
- 春巻の皮…4枚
- かぼちゃ…300g
- モッツァレラチーズ…50g
- おうちパスタ バジル(パスタソース)…適量
- 揚げ油…適量
作り方
- かぼちゃは皮を除き、短冊切りにしておく。
- 春巻の皮の真ん中より少し手前に、かぼちゃ、モッツァレラチーズをのせ、上に「おうちパスタ バジル」をかける。
- 具が長方形になるように形を整えたら、空気を抜きながら巻き、巻き終わりを下にして置いておく。
- フライパンに揚げ油を用意し、170度程度まで温める。3の巻き終わりの部分を下にして油に入れる。
- 3分ほど揚げて、こんがりと焼き色がついたら裏返す。裏面も同様に揚げる。
まとめ
かぼちゃは丸ごとのままの場合、適切に保存すると常温で2か月ほど保存できます。カットしたかぼちゃは常温ではなく、数日のうちに使う場合は野菜室、長く保存したい場合は冷凍庫で保存しましょう。
それでも、保存環境が悪ければ傷みが早く進んでしまいます。「白か緑のカビが生える」「触ったときに柔らかい」「糸を引く」「異臭がする」といった場合は、傷んでいるサインなので処分しましょう。
無駄なくおいしく食べきるためにも、正しい保存方法を実践してみてくださいね。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。