食べ物を扱うキッチン周りは、常にきれいな状態を保っておきたいもの。それでも、「できればなるべく手軽に掃除を済ませたい」と思う方は多いでしょう。キッチン掃除をスムーズに進めるためには、日頃のこまめなお手入れとアイテム選びが重要です。今回は、キッチン掃除に役立つ便利なアイテムや掃除方法について解説します。
キッチン掃除はこまめなお手入れが基本!
キッチンはお家の中でも特に水汚れや油汚れが溜まりやすい場所です。こまめに掃除を行わないと汚れが蓄積して落ちにくくなってしまいます。
キッチンをきれいに保つには、汚れが溜まらないうちに掃除をするのが鉄則。生活に欠かせない食事に関わる場所なため、衛生状態を良好に保つことが大切です。
毎日たっぷり時間をかけずとも、汚してしまったタイミングでさっと拭き取る、何曜日はお手入れの日と決めていつもより10分長く掃除をするなど、ちょっとした習慣を身に付けるだけでも汚れが溜まりにくくなり、後々の掃除がスムーズになります。
【予備知識】キッチン掃除に有効なアイテム
キッチン掃除で有効なアイテムは、重曹・クエン酸・セスキ炭酸ソーダの3つ。掃除をしたい箇所や落としたい汚れの性質に合わせた使い分けが必要です。
弱アルカリ性の重曹は、酸性の汚れを落とすのに効果があり、鍋の焦げ付きや頑固な油汚れ、石鹸カスなどを落とすのに多く使われています。
セスキ炭酸ソーダはアルカリ性で、皮脂や手垢、油汚れを落とす際に便利です。
酸性のクエン酸は、水垢を落とすのに効果的です。ただし、サビの原因になるため、金属部分に使った場合はしっかり拭き取りましょう。
<アイテムまとめ>
アイテム名 | 特徴 |
---|---|
重曹(弱アルカリ性) | 鍋の焦げ付き、油汚れ、石鹸カスなど酸性の汚れに効果的 |
セスキ炭酸ソーダ(アルカリ性) | 皮脂や手垢などのたんぱく質汚れ、油汚れに効果的 |
クエン酸(酸性) | 水垢などアルカリ性の汚れに効果的、金属部分は拭き残しに注意 |
【箇所別】キッチン周りの掃除方法
ここからは、キッチン周りの箇所ごとの掃除方法を紹介します。常に衛生的な状態を保てるよう、適切な掃除方法を理解しておきましょう。
調理台
調理台は食材や水分が付着しやすいうえ、食材の脂分やフライパンからはねた油が溜まりやすくなっています。正しく汚れを取り除き、雑菌の繁殖を抑えましょう。
ステンレス製の調理台は、食器用洗剤など中性の洗剤、もしくはアルカリ性のアイテムを薄めて一定方向に水拭きをし、その後乾拭きをします。除菌効果を高めるため、仕上げに消毒用のアルコールスプレーをかけ、乾いたペーパータオルで一定方向に拭きましょう。
ホーローや大理石でできた調理台は、アルカリ性洗剤やアルコールは使わず、中性洗剤もしくはお湯で拭き取るのがポイントです。
シンク
シンクには石鹸カスや水垢・油汚れなどが溜まりやすくなっています。性質の異なる汚れが混ざりやすい場所なので、それぞれに効果的な掃除方法を選択することがポイントです。
アルカリ性の汚れである水垢を落としたい場合、酸性のクエン酸で落とせます。水200mlにクエン酸小さじ1杯を混ぜたクエン酸水を水垢に吹き付け、30分ほど放置した後にスポンジでこすりましょう。
クエン酸でも落ちない場合、水垢ではなく石鹸カスかもしれません。この場合は、粉の重曹を汚れにふりかけてからスポンジでこすりましょう。サビを取り除きたい場合はクリームクレンザー、カビを取り除くには漂白剤など、汚れにあった洗剤選びが重要です。
排水口
排水口のぬめりや黒ずみは、洗剤カス・油汚れ・雑菌などが原因です。ぬめりを取る前にカバーとゴミ受けを外し、排水口に溜まったゴミを捨てましょう。
排水溝の掃除には、重曹とクエン酸をあわせて使うのが効果的です。目の細かいゴミ受けは使い古しの歯ブラシなどを使って重曹、もしくは中性洗剤で洗いましょう。その後、ぬめりを取るために排水溝内にまんべんなく重曹をかけ、その上からクエン酸もしくはお酢をかけて泡立たせます。泡が収まるまで放置したら、最後にしっかりとお湯で洗い流しましょう。
コンロ周り
キッチンの中で最も油汚れがつきやすいコンロ周りは、ガスコンロとIHヒーターで掃除方法が異なります。
ガスコンロ
シンクに二重にしたビニール袋を準備し、その中にぬるま湯と、重曹またはセスキ炭酸ソーダなどアルカリ性のアイテムを入れます。五徳やグリルといった取り外せる部品を外し、袋の中でつけ置きしましょう。
つけ置きしている間に、アルカリ性洗剤を含ませた柔らかい布を使ってガスコンロ本体の拭き掃除をします。その後、ブラシやスポンジなどを使ってつけ置きした部品の汚れを落としていきましょう。
本体と部品の両方が掃除できたら、部品を乾かしてから元に戻して掃除は完了です。
IHヒーター
IHクッキングヒーターは、部品の取り外しが不要な分、拭き掃除を丁寧に行うことが大切です。
重曹またはセスキ炭酸ソーダなどアルカリ性のアイテムを水で薄めて、油汚れや焦げ付きを落としたい箇所に吹き付けたら、さっと拭き取りましょう。汚れが取れたら、最後に乾拭きで仕上げます。
油汚れや焦げ付きが取れにくい箇所には、アルカリ性洗剤などを吹き付けた後にラップをかぶせてしばらく置き、さらにラップを丸めたものでこすると効果的です。
換気扇
換気扇は油汚れが溜まりやすいため、手の届く範囲はこまめに拭き掃除することで汚れの蓄積を防げます。
お湯または水200mlに重曹小さじ1杯から2杯を混ぜて重曹水をつくり、雑巾などに含ませて油汚れを拭き取ると汚れがこびりつかず楽に落とせます。
重曹水は調理台やIHヒーターの拭き取りにも使えるので、同じタイミングで習慣的に掃除するのがおすすめです。
それでも落ちない汚れには、月に1回ほどを目安に重曹水を浸したキッチンペーパーを換気扇に貼り付けておき、汚れを浮かせてから雑巾で拭き取りましょう。
冷蔵庫
冷蔵庫の汚れの原因は、生肉から出たドリップや飲み物、油分、野菜や果物のかけら、水垢などです。
消臭効果を持たせつつ掃除するには重曹水を使うのがおすすめです。冷蔵庫内の汚れに吹き付けて、少し時間を置いてから隅々まで拭き取りましょう。重曹水で落としきれないアルカリ性の汚れには、クエン酸水を使うのが効果的です。
このとき、冷蔵庫の電源を切って中身をすべて出すと、掃除の時間を短縮できます。
冷蔵庫の中だけでなく、パッキンや水受け部分、ドアの取っ手なども汚れが溜まりやすいため、忘れずに拭き取りましょう。掃除をするのと同時に、冷蔵庫に長時間置かれている調味料の賞味期限を確認し、必要に応じて処分するとさらにすっきりとした状態に整理できます。
まとめ
キッチンの掃除は、汚れの性質に合った洗剤を選び、こまめに行うことが大切です。油汚れや焦げ付き汚れなどの酸性汚れにはアルカリ性、水垢や石鹸カスなどのアルカリ性の汚れには酸性のアイテムが有効です。
掃除を後回しにせずにこまめに少しずつ実践することで、汚れが蓄積されず、きれいなキッチンを保てるようになるので、ぜひ心掛けてみてくださいね。
この記事を書いた人

ピエトロラジオ編集部
1980年創業・レストラン発祥のピエトロが、毎日の「いただきます!」をたのしくする、食卓にまつわるアイデアやヒントをお届けします。