オクラは夏野菜の定番として親しまれている野菜です。茹でる時間や方法によって、異なった食感を楽しむことができますよ。
今回は、食感別のオクラの最適な茹で時間や、おいしく茹でる方法、おすすめのレシピを紹介します。
オクラの最適な茹で時間は?
オクラは、茹で時間によって食感が異なります。ここでは、仕上げたい食感や調理方法に合わせて、最適な茹で時間を解説します。
シャキシャキ食感に仕上げるなら【約1分】
オクラをシャキシャキ食感に仕上げるなら、茹で時間は1分が目安です。シャキッと固めの歯ごたえで、ねばねば感は控えめに仕上がります。
ねばねば食感を楽しむなら【約1分30秒】
オクラのねばねば食感を楽しみたい場合は、1分30秒ほど茹でるのがおすすめです。
少し長めに茹でれば皮がやわらかくなり、内側のねばねば感やとろとろ感を楽しめます。
電子レンジで加熱するなら【約40秒】
オクラは鍋で茹でるのが一般的ですが、手軽に電子レンジで加熱して火を通す方法もあります。
加熱時間の目安は、オクラ5本(約50g)につき600wの電子レンジで40秒です。一度にたくさん加熱したいときは、オクラを1本増やすごとに10秒ずつ加熱時間を追加すると良いでしょう。
茹でるとオクラの栄養の一部が水に溶け出してしまいますが、電子レンジなら栄養素の流出が少なく済むのもメリットです。
電子レンジ加熱の詳しい手順については、次項でも解説します。
オクラをおいしく茹でる方法
オクラをおいしく茹でるには、どのような茹で方をすれば良いのでしょうか。ここでは、オクラの茹で方の手順とポイントを紹介します。
手順1.下ごしらえする
まず、ガクと呼ばれるヘタの周りの硬い部分を包丁で削り取ります。面取りをするようにオクラを回しながら削り取りましょう。
次に、表面のうぶ毛を取ります。オクラをサッと水洗いしてボウルに入れ、塩をまぶします。指で優しくこすりながら、塩の摩擦でうぶ毛を取り除きましょう。
大量のオクラのうぶ毛を取る場合は、まな板を使う「板ずり」という方法がおすすめです。
オクラをまな板に置いて塩を振り、手のひらで押さえて前後に転がします。潰さないように優しく転がしましょう。こうすることでうぶ毛が取れ、表面がなめらかになります。
なお、下ごしらえしたときの塩は、そのまま茹でれば下味になります。塩をつけすぎてしまった場合は茹でる前に軽く払っておきましょう。
手順2.お好みの硬さに茹でてから冷ます
・鍋の場合
- オクラがすべて浸るくらいの量の水を鍋に入れ、沸騰させる。
- 沸騰したお湯に塩がついたままのオクラを入れる。ガクの下に竹串を刺して茹で具合を確かめながら、お好みの硬さになるまで茹でる。
- 茹で上がったら冷水に入れ、ザルに上げて水気を切る。
一気に冷やすことで色止めになるので、茹でたあとはなるべくすぐに冷水に入れるのがポイントです。また、余熱でもやわらかくなってしまうことがあるため、少し硬めに仕上げてお湯から上げるのも良いでしょう。
・電子レンジの場合
- 塩もみや板ずりでオクラについた塩を、水で軽く洗い流す。
- オクラに1cmほどの切り込みを入れ、耐熱容器に並べる。このとき、向きを揃えるのではなく、互い違いになるようにする。
- オクラの入った耐熱容器に水を小さじ1入れて、ふんわりとラップをかける。
- 電子レンジで加熱する。
- 加熱後のオクラをざるに広げ、そのまま冷ます。
オクラが爆発するのを防ぐため、切り込みを必ず入れてから加熱しましょう。加熱時間は先ほど紹介した通り、オクラ5本につき600wの電子レンジで40秒です。
また、下ごしらえの塩が残りすぎるとしょっぱくなってしまうため、軽く洗い流してから加熱するようにしましょう。
【補足】おすすめの保存方法
オクラは乾燥しやすいため、冷蔵庫での長期保存は避けましょう。長く保存しておきたい場合は、茹でてから冷凍すると約1か月もちます。
茹でたオクラの冷凍手順は、次の通りです。
- 霜を防ぐため、茹でたオクラの水気をキッチンペーパーで拭き取る。
- オクラを2〜3本ずつラップで包む。
- ジッパー付きの保存袋に入れ、冷凍保存する。
輪切りにしてから冷凍保存することも可能です。その場合は、なるべく平らになるようにラップに広げて包みましょう。1回で使う分量ずつ包めば、調理のときにサッと取り出せて便利です。
また、煮物やスープ、炒めものなら凍ったまま調理に使えます。冷凍したオクラをカットしたい場合は、室温に1〜2分置いておけば包丁が入りやすくなりますよ。
茹で時間別!オクラを使ったおすすめのレシピ
ここでは、オクラを使ったレシピを茹で時間別に紹介します。
約1分(シャキッと食感)|たことオクラのマリネ
暑い日にぴったりのさっぱりしたレシピです。味付けはドレッシングだけで完結するため、簡単に作ることができます。
材料(2人分)
- オクラ…6本(60g)
- 茹でだこ…100g
- ピエトロドレッシング 和風しょうゆ…大さじ2、仕上げ用に適量
作り方
- 下ごしらえしたオクラを茹でて輪切りにし、たこは一口大に薄くスライスする。
- オクラとたこをボウルに入れ、ドレッシングと混ぜ合わせる。
- 器に盛って仕上げ用のドレッシングをかける。
約1分30秒(ねばねば食感)|オクラとなめたけの冷奴
オクラとなめたけのねばねば感を楽しむレシピです。おつまみにもおかずにもぴったりなレシピなので、常備菜にするのも良いでしょう。
材料(2人分)
- オクラ…3本(30g)
- 絹豆腐…200g
- 味付けなめたけ…30g
- ピエトロドレッシング 和風しょうゆ…大さじ1、仕上げ用に適量
- かつお節…適量
作り方
- オクラを下ごしらえし、茹でてから輪切りにする。
- オクラ、なめたけ、ドレッシングをボウルに入れて混ぜ合わせる。
- 器に豆腐を盛り、その上に混ぜ合わせた(2)をのせる。
- 仕上げ用のドレッシングとかつお節をかける。
約40秒(電子レンジ)|夏野菜のガーリックグリル
ガーリックの香りが食欲をそそるメニューです。手順も簡単なので、副菜としていつでも作ることができ、常備菜にもおすすめです。
材料(2人分)
- パプリカ(赤と黄)…各70g
- オクラ…7本(70g)
- 粉チーズ…適量
- 塩…適量
- ピエトロCHEF’S ガーリックオイル…小さじ2、仕上げ用にも同量
作り方
- オクラは下ごしらえをして食べやすい大きさに切り、電子レンジで加熱する(600wで40秒程度)。
- パプリカは乱切りにする。
- オクラとパプリカ、ガーリックオイルと塩を混ぜ合わせる。
- 耐熱皿に入れ、トースターで10分加熱する。
- 仕上げ用のガーリックオイルと粉チーズをかける。
まとめ
オクラは、仕上げたい食感や使いたい料理によって適切な茹で時間が異なります。今回紹介した茹で方を参考に、お好みの硬さを探してみるのはいかがでしょうか。
また、オクラをおいしくいただくためには保存方法も重要です。オクラは傷みやすい野菜なので、上手に保存して長くオクラを楽しみましょう。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。