長ねぎの青い部分は食べられる?含まれる栄養と使い方を紹介

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「長ねぎの青い部分は捨てるもの?」と思っている方もいるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、青い部分も捨てずに食べるのがおすすめです。なぜなら、白い部分よりも栄養が豊富なうえ、健康や料理をおいしくするための活用方法もたくさんあるからです。

今回は、長ねぎの青い部分に含まれる栄養と、活用方法を詳しく紹介します。

長ねぎの青い部分も食べられる

〇を作っている女性の画像

長ねぎの青い部分は、白い部分と同様に食べられます。白い部分に比べて香りや辛味が強く、やや硬めですがシャキッとした食感が特徴です。鍋やみそ汁・薬味など、使い方のバリエーションも豊富です。

ちなみに、長ねぎの白い部分は「茎」だと思っている方もいるのではないでしょうか。実は、長ねぎの茎は根元のごく一部だけであり、白と青のどちらの部分も「葉」に該当します。

栽培する際に、土をかぶせて日光に当たらないようにすると、ねぎの葉は白くなり、日光に当たると青くなるのです。日光に当たるかどうかで、見た目だけでなく、栄養価も大きく変わってきます。

【長ねぎ】青い部分にも栄養が含まれている

長ねぎの画像

長ねぎの栄養は、実は「白い部分」にはない栄養素が「青い部分」には豊富に含まれています。青い部分を捨ててしまうのはもったいないので、上手に活用していきましょう。ここでは、長ねぎの青い部分に含まれる栄養素のうち、特徴的な3つについて紹介します。

硫化アリル

硫化アリルは、長ねぎ特有の香りのもとになる辛味成分です。交感神経を刺激して血行を促し、体を温める作用があります。脂肪燃焼や冷え性改善、殺菌作用や免疫力アップ、風邪予防、食欲増進、消化促進にも効果的です。

また、長ねぎを刻むと酵素のはたらきで硫化アリルがアリシンに変化します。アリシンは、糖質の代謝や疲労回復効果のあるビタミンB1に結びついて吸収を良くしたり、血液中に長く留めておいたりする有用成分です。

アリシンの効果を活かすには、ビタミンB1が豊富な食材(豚肉やレバーなど)と長ねぎを一緒に摂取すると良いでしょう。

しかし、硫化アリルは水に溶けやすい性質を持ち熱に弱いため、効率的に摂取するには薬味や料理の彩りとして生のまま食べるのがポイントです。

β-カロテン

長ねぎの白い部分に比べて、青い部分には約18倍も多くβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは、抗酸化作用があり細胞の老化を防いで、免疫力のアップやがん予防の効果も期待されている栄養素です。

また、β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜や目・肌・毛髪の健康維持に役立ちます。

β-カロテンは、油に溶けやすい性質があるので、油で炒めたり、油分のある料理と一緒に食べたりすると吸収率がアップします。

フルクタン

フルクタンは、長ねぎの青い部分の内側や芯にあるねばねばとした成分です。水溶性食物繊維の一種で、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるはたらきがあり、便秘改善や免疫力アップも期待できます。

また、血圧を下げたり、血糖値の上昇を緩やかにしたり、余分なコレステロールを体外に排出するのにも効果的です。

フルクタンは熱に強く、加熱すると一部が甘み成分であるフルクトースに変化するため、甘みが増します。

長ねぎは冬に旬を迎えますが、その時期はフルクタンの含有量も増えており、鍋やみそ汁に入れて加熱すると強い甘みを楽しめます。生のねぎの辛みや風味が苦手な方は、加熱して食べると良いでしょう。

【長ねぎ】青い部分の主な使い方3つ

カットした長ねぎの画像

長ねぎの青い部分は、様々な使い方ができる万能食材です。ここでは長ねぎの青い部分を使った効果的な調理法について、「薬味」「臭み消し」「彩り」の3つの観点から詳しく紹介します。

薬味

ねぎ特有の香りや辛味が好きな方は、ねぎの青い部分を細かく刻んで薬味として使うのが良いでしょう。うどんやそば・冷奴・納豆などにのせると、ねぎの風味や辛み・食感が加わって、一層おいしく楽しめます。

また、温かい麺のつゆやみそ汁に加えて煮込むと、加熱によってねぎの辛みが甘さに変わるため、お子さんでも食べやすくなるでしょう。料理にやさしい甘さを加えたい場合は、加熱するのが効果的です。

しかし、刻んだねぎを長時間水にさらしたり、加熱し過ぎたりすると、栄養素が失われて健康効果が減少してしまいます。

栄養を逃さないためには、そのまま食べるのがベストです。辛みを抑えるために水にさらしたい場合は、サッと短時間に留めましょう。

煮込み料理であれば、最後の仕上げに加えると栄養が流れるのを防ぎつつ、風味や食感を楽しめます。

食材の臭み消し

長ねぎの青い部分は、肉や魚の煮込み料理の臭み消しとしてもよく使われます。例えば、生臭くなりがちな豚の角煮やレバーの煮つけ・鶏手羽の煮物・魚の煮付けに加えて、煮込むと良いでしょう。

長ねぎのツンとした強い香り成分(硫化アリル)によって、肉や魚の臭いが感覚的に気になりにくくなり、結果として臭いが軽減されます。

また、長ねぎの風味が加わり料理全体の味が一層引き立つのも嬉しいポイントです。ちなみに、臭み取りのために加えた長ねぎに、他の食材の臭みが吸着しているわけではありません。そのため、そのまま煮込んでも問題なくおいしく食べられます。

料理の彩り

長ねぎの青い部分は、料理の彩りアップにも活用できます。例えば、玉子焼きやチャーハン・鶏の照り焼きなど、色味が少なく地味に見えがちな料理に青い部分をパラリと散らすだけで、見た目が一気に華やかになります。

鮮やかな緑が加わると、料理全体が食欲をそそる出来栄えに早変わりします。さらに、見た目や風味・食感だけでなく、ねぎの豊富な栄養が加わりバランスが良くなるので、一石二鳥です。

ただし、長時間加熱すると鮮やかな緑の色合いが変わってしまうので、生食か短時間の加熱に留めましょう。

なお、刻んだ長ねぎを冷凍保存しておけば、使いたいときにすぐ取り出せて時短につながります。料理の彩りだけでなく、薬味としても手軽に活用でき、保存期間も延びるため、腐らせてしまう心配もありません。長ねぎの冷凍保存方法については、こちらの記事で紹介しているため参考にしてみてください。

長ねぎの保存方法は何がある?冷蔵・冷凍それぞれの保存方法を紹介

まとめ

長ねぎの青い部分は、白い部分よりも栄養が豊富で、薬味や臭み消し・彩りアップができる万能な食材です。

しかし、鮮度が落ちるとねぎの青い部分から乾燥してしおれてくるので、早めに使いましょう。鮮度を保つポイントは、乾燥しないように新聞紙で包んだり、ポリ袋に入れたりして、立てた状態で冷蔵庫保存することです。

長ねぎの青い部分も捨てずに無駄なくおいしく食べれば、美容や健康だけでなく、節約・生ごみ削減などうれしい効果がいっぱいなので、上手に活用してみてくださいね。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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