ピーマンは栄養価が高く、旬の夏以外の時期でも年中手に入りやすい野菜なので、常備している方も多いのではないでしょうか。ついつい買いすぎてしまい、使いきれずに余ってしまうこともあるでしょう。余ってしまったピーマンは、適切な方法で保存しないと傷みやすくなるため注意が必要です。
今回はピーマンを冷凍保存するメリットと保存方法、おいしく食べるための調理方法についてご紹介します。
ピーマンを冷凍保存するメリット
ピーマンを冷凍保存すると長期保存が可能になるだけでなく、食べやすくなったり、調理時間の短縮につながったりします。まずはこれらのメリットについて解説します。
保存期間が長くなる
ピーマンを冷凍保存すると、常温に置いたり冷蔵庫で保存したりするよりも保存期間が長くなります。ピーマンを冷凍した場合の保存期間の目安は約1か月です。
一方、ピーマンを冷蔵庫で保存した場合では、丸ごとの状態で1~2週間ほど、カットした状態だと3日ほどしか鮮度を保てません。さらに、保存状態によっては傷むスピードが早くなり、ピーマンの表面にシワができやすくなってしまうため、長くおいしさを保ちたいときは冷凍保存がおすすめです。
独特の苦みが和らぐ
ピーマンを冷凍すると、ピーマンの繊維が壊れるため、独特の苦味が和らぎます。特に、加熱調理してから冷凍すると、そのまま冷凍したときよりも苦さが軽減するので、ピーマン特有の味が苦手な方でも食べやすくなるのもポイントです。
また、冷凍保存したピーマンを加熱すると食感が柔らかくなるため、小さいお子さまやご高齢の方も召し上がりやすくなります。
調理の時短につながる
冷凍したピーマンは火が通りやすくなり、加熱時間も短縮されるため時短調理につながります。
さらに、ピーマンをまとめてカットしてから冷凍保存しておくと、調理時の切る手間を省くことができます。必要なときにさっと取り出して、そのまま使用することができるのでとても便利ですよ。あと1品欲しいときでも、冷凍保存したピーマンを使えば手軽におかずを作ることができます。
ピーマンの冷凍保存方法
ピーマンを冷凍保存する方法は主に3つです。どれもちょっとしたポイントを押さえながら保存することで、解凍後もおいしく食べられます。ここからはピーマンの冷凍保存の手順をご紹介します。
カットしてから冷凍する方法
一番のおすすめは、カットした状態で冷凍保存することです。この方法で冷凍すると長期間おいしさをキープできて、次に使うときの時短にもつながります。
【カットする場合の冷凍手順】
- ピーマンは水洗いしてから縦半分に切り、種とワタを取り除く。
- 1を乱切りや細切りなど、普段よく使う形にカットする。
- キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取り、ピーマン同士が重ならないようにして保存用の袋に入れ、冷凍保存する。
保存するときはピーマンの酸化を防ぐために、空気になるべく触れないようにしましょう。また、ラップで1回分ずつ小分けにしておくと、使いたい分だけすぐに取り出せて便利です。
丸ごと冷凍する方法
ピーマンは皮が薄いため、丸ごと冷凍したあともわざわざ解凍する必要がなく、凍ったままカットして調理に使えるのが特徴です。
ですが、時短になるものの、丸ごと凍らせることで種の部分が酸化して黒ずんでしまい、見た目が悪くなってしまうことがあります。味や風味も落ちやすいので、丸ごと冷凍したものは早めに使い切りましょう。
【丸ごとの場合の冷凍手順】
- ピーマンを水洗いする。
- キッチンペーパーで水気を拭き取る。
- なるべく空気が入らないように注意しながらピーマンを冷凍用の保存袋に詰め、冷凍庫に入れる。
冷凍保存するときは、保存袋の耐冷温度も確認しておきましょう。
加熱してから冷凍する方法
ピーマンを加熱してから冷凍すると、変色予防や青臭さの軽減につながります。解凍後に加熱することを加味して、柔らかくなりすぎないようさっと火を通し、固めに仕上げるのがポイントです。
【加熱する場合の冷凍手順】
- ピーマンを水洗いし、縦半分に切ったら種とワタを取り除く。
- 1を調理しやすい大きさに切る。
- 1分ほど茹でてから、ザルに上げて冷ます。
- キッチンペーパーなどで水気を拭き取る。
- ピーマン同士が重ならないようにして保存容器に入れ、冷凍保存する。
加熱方法は茹でる以外にも、炒める、電子レンジで温めるなど、お好きな方法でお試しください。
ただし、ピーマンに含まれるビタミンCは水溶性のため、水に触れる時間を短くして栄養素の流出を防ぐことが大切です。水の状態からじっくり茹でるのではなく、沸騰したお湯に投入し、さっと加熱するなど工夫しましょう。
電子レンジで調理するときは、ピーマンの固さを確かめながら10秒ずつ加熱時間を調整してみてください。
冷凍ピーマンの解凍方法
冷凍したピーマンを加熱調理するときは、解凍せずに凍ったままの状態で使いましょう。ただし、すぐに柔らかくなるため加熱のしすぎに注意が必要です。短時間で火を通すことで、食感や風味を保ちやすくなります。
また、サラダや和え物などに使う場合でも、凍った状態から一度熱をかけたものを使用するのがおすすめです。自然解凍すると水分が出てしまい、おいしさが損なわれてしまうためです。例外として、加熱してから冷凍したピーマンを使う場合は、電子レンジで少し温めるだけで大丈夫ですよ。
冷凍も使える!ピーマンを使ったレシピ
ここからは、冷凍ピーマンを使ったおすすめ調理法をご紹介します。手軽に作れる簡単レシピを抜粋しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ピーマンと牛肉のうまごま炒め
ピーマン嫌いの子どもでもパクパク食べられるメニューです。ごまドレッシングで炒めることで、ピーマンの苦味を和らげることができます。味も簡単に決まるので、時短でおいしく作りたい方にもおすすめです。
材料(2人分)
- 牛肉…200g
- ピーマン…5個
- えのき…100g
- 塩…適量
- ピエトロドレッシング 焙煎香りごま…大さじ2
- サラダ油…適量
作り方
- 冷凍ピーマンを細切りにする。えのきは石づきを切り落としてからほぐしておく。
- 加熱したフライパンに薄く油をひき、牛肉に塩をしてから炒める。
- 牛肉の色が変わったらえのきを加える。
- ドレッシングを回しかけてからピーマンを入れ、軽く炒めあわせる。
なすとピーマンのマリネ
あと1品欲しいときのお助けレシピです。さっぱりとしたマリネなので、箸休めにもぴったりです。作り置きできるのでお弁当のおかずにするのもおすすめです。
材料(1人分)
- なす…30g
- ピーマン…1/2個(約15g)
- ピエトロドレッシング グリーン 和風しょうゆ…大さじ1/2
作り方
- 冷凍ピーマンとなすを食べやすい大きさに切る。
- 1を素揚げする。
- 2をドレッシングに漬け込んで完成。
まとめ
ピーマンをまとめ買いして余ってしまったときは、冷凍保存がおすすめです。冷凍することで長期間保存が可能になるだけでなく、ピーマン特有の苦味も和らげることができます。また、凍ったまま調理に使えるので、調理時間も短縮できますよ。
カットしてから冷凍する方法はそのあとの調理もしやすくおすすめですが、丸ごと冷凍や加熱してから冷凍する方法もあります。普段の調理スタイルに合わせて使い分けてみてくださいね。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。