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【味付けの基本】調味料の「さしすせそ」を覚えて料理上手を目指そう!

調味料の画像

料理番組などでよく耳にする、調味料の「さしすせそ」。気になっているものの、詳しくは知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、「さしすせそ」の順番の意味や使い方のポイントを、ピエトロのシェフがご紹介します。それぞれの調味料の役割を理解して、もっとおいしく料理を仕上げるコツを掴んでみましょう。

◆味付けの基本「さしすせそ」とは

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味付けの基本といわれる「さしすせそ」とは、日本の料理(とくに和食)に欠かせない調味料の頭文字をとったゴロ合わせのこと。それぞれ、次の調味料のことを指しています。

・さ:砂糖
・し:塩
・す:お酢
・せ:醤油(昔の書き方「せいゆ」「せうゆ」)
・そ:味噌

この「さしすせそ」の順番で味付けをすると、よりおいしく仕上がるといわれています。ここからは、それぞれの調味料の特徴と、その順番が良いといわれている理由について解説します。

「さ」は砂糖

「さ」は砂糖の略で、主に甘みを付ける目的で使用されます。砂糖は塩よりも分子が大きく、食材に染み込みにくい性質をもっているため、一番初めに加えるのがおすすめです。

また、砂糖は保水性もあるので、食材を柔らかくして乾燥を防ぐ役割も。そのほか、照り焼きなど料理に焼き色を付けたり、ツヤを出したりするためにも使われます。

「し」は塩

「し」は塩の略で、塩味を付けたり、食材の水分を出して味を引き締める役割があります。塩は砂糖よりも分子が小さく、塩を先に入れると甘みが十分に入らなくなり、食材も硬くなってしまうため、砂糖の次に加えるようにしましょう。

ほかにも、塩には味のバランスを調えるはたらきがあり、すっぱいものに入れると酸味を和らげマイルドに、甘い物に入れるとより甘さを引き立ててくれます。さらに、食材の臭みやぬめり、アクを取り除く効果もあります。

「す」はお酢

「す」はお酢のことで、特有の香りや酸味で料理をさっぱりさせたいときや、塩味を和らげたいときに使います。料理に酢を加えるときは3番目が最適。砂糖や塩より先に加えると食材に味が染み込みにくくなり、酸味も飛んでしまうため気を付けましょう。

また酢には野菜や果物の劣化を防ぐ役割があり、保存料として使われるほか、殺菌効果や魚の臭みを取る効果も期待できます。

「せ」は醤油

「せ」は醤油(昔は「せいゆ」や「せうゆ」と書かれていた)のこと。食材の色付けや臭み取り、香り付けなどに活用できる調味料です。料理に使うと醤油の旨みやコクが加わり、奥深い味わいが楽しめます。

醤油は風味や香りを活かすため、仕上げの直前に使うのがポイント。醤油の味を食材に染み込ませたいときは、煮込み用と香り付けの仕上げ用とで分けて入れるのもおすすめです。加熱しすぎると焦げついてしまったり、風味が損なわれやすくなるため注意しましょう。

ほかにも、ほどよい塩分やアルコール、有機酸などの作用で菌の増殖を防ぐはたらきがあるため、醤油漬けや佃煮など保存のきくレシピにも活用されています。

「そ」は味噌

「そ」は味噌の略で、まろやかで深い旨みと香りをつける役割があります。味噌をグツグツ煮立てると香りや風味が飛んでしまうので、仕上げのタイミングに加えて、ひと煮立ちしたら火を止めるなど工夫しましょう。

味噌は米や麦など原料の違いや熟成期間、処理方法などにより、淡色・赤・白など色や風味のバリエーションがたくさんあるのも特徴。ご家庭ごとに好みの味わいを選んでみてくださいね。

また、味噌には食材の臭みを消すはたらきがあります。塩分濃度が高いので、食材から水分を出して保存性を高める効果も期待できますよ。

◆「さしすせそ」と一緒に覚えておきたい「酒」「みりん」

みりんの画像

和食の味付けに欠かせない酒やみりん。「さしすせそ」には入っていないものの、使用頻度が高いので覚えておくと調理の際に役立ちます。ここでは、酒やみりんの特徴と料理に加えるタイミングについて解説します。

酒には旨みがたっぷり含まれているため、甘みを付けずに食材の旨みやコクを引き出したいときに使うのがおすすめです。アルコールを飛ばすために、「さしすせそ」の前に加えると良いでしょう。最初に加えることで食材を柔らかくする効果も期待できます。

ほかにも、加熱すると酒に含まれるアルコールが食材の臭みと一緒に蒸発していくため、肉や魚の臭みを消したいときにも活用してみましょう。

みりん

みりんは料理にコクを加えたいときや、照りやツヤを出したいときに使われますが、実は「本みりん」「みりんタイプ調味料」「みりん風調味料」などさまざまな種類があります。それぞれ特徴や料理に加えるタイミングが異なるためチェックしておきましょう。

商品 特徴
本みりん ・アルコール分が高く、酒と同じく食材の臭み消しにもなる
・アルコールを飛ばすため最初に入れるのがおすすめ
みりんタイプ調味料 ・本みりんと同じ効果がありつつ、塩が含まれるのが特徴
・アルコールを飛ばすため最初に入れるのがおすすめ
みりん風調味料 ・アルコールはほとんど含まず、糖分が多いのが特徴
・照りやツヤを出しやすく、最後に入れるのがおすすめ

みりんを使うタイミングは基本的に「さしすせそ」の前ですが、用途に応じて異なります。アルコールの作用を活用したいときは最初に加え、料理の仕上げに使いたいときはみりん風調味料や、煮切ったみりんを入れると良いでしょう。

◆「さしすせそ・酒・みりん」を使う順番

1~5の数字の画像

調味料を使う順番は、まとめるとこのようになります。

順番 調味料 ポイント
1 酒、本みりん、みりんタイプ調味料 アルコールを飛ばす必要があるため、最初に加える。
2 (さ)砂糖 味が染み込みやすくなるように、酒やみりんの後に加える。
3 (し)塩 先に加えると味が染み込みにくくなるため、砂糖の後に加える。
4 (す)酢 食材に味が染み込みにくくなるため、塩の後に加える。酸味を活かしたいときは火からおろす直前がおすすめ。
5 (せ)醤油 加熱すると風味が損なわれるため、料理の後半で使う。
6 (そ)味噌 煮立てると香りが飛んでしまうため最後に使う。
7 みりん風調味料 照りや風味を活かすために最後に加える。

調味料を加える順番を守ると食材の味が引き立ち、料理がおいしく仕上がります。とはいえ、順番通りに加えないからといって、まずくなるわけではありません。料理によっては順番や効かせたい効果が異なったり、調味料をあわせてから使ったりする場合もあるので、「さしすせそ」はあくまでひとつの型として考えておきましょう。

◆料理の味付けにも「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」がおすすめ

ピエトロの看板商品「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」は、実は“さしすせそ”の味噌以外が揃った、万能調味料としても使える1本。サラダのドレッシング以外にも、色々な料理に活用できるので常備しておくと便利です。

調味の順番が難しく感じたときや、時短したいときにも簡単に味付けが決まる、おすすめレシピをご紹介します。

鶏の唐揚げ

からあげの画像

家族が大好きな唐揚げも、ドレッシング1本で簡単に味付けが決まります。ジューシーなお肉にしっかり味が染み込んだ唐揚げをぜひお楽しみください。

【材料】(2人分)
鶏もも肉…300g
片栗粉…40g
ベビーリーフ…適量
レモン…1/8個(お好みで)
ピエトロドレッシング 和風しょうゆ…大さじ3

【作り方】
1.鶏もも肉は一口大の大きさに切り、ドレッシングにつけて冷蔵庫で一晩以上つけておく。
2.1に片栗粉をまぶして180℃に熱した油(分量外)で揚げる。
3.器に2を盛り付け、お好みでベビーリーフとレモンを添える。

焼き豚チャーハン

チャーハンの画像

ドレッシングのみの味付けで絶品のパラパラなチャーハンが作れます。ドレッシングの油分が米粒一つひとつに絡むので、初心者さんでも簡単にパラパラな仕上がりになりますよ。

【材料】(1人分)
ごはん…150g
焼き豚…25g
玉ねぎ…1/8個
万能ねぎ…1本
ピエトロドレッシング 和風しょうゆ…大さじ2

【作り方】
1.玉ねぎはみじん切り、万能ねぎは小口切り、焼き豚は1cm角に切る。
2.冷ごはんと具材をボウルに入れ、ドレッシングを加えて全体になじむよう混ぜ合わせる。
3.フライパンで2を炒める(油は不要)。
4.器に盛り付けて完成。

◆まとめ

「さしすせそ」の順番で調味料を加えると、食材の味が引き出されてより一層おいしく仕上がります。料理によっては順番が前後することもありますが、基本的には「酒・みりん」の後に「さしすせそ」の順番に加えると覚えておきましょう。調味料の使い方も意識して、日々の料理をさらに楽しんでみてくださいね。

▼監修者プロフィール

小森シェフの画像

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。
シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。
ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。
日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。