豆苗の育て方とは?再生栽培の方法とおいしく育てるポイントを解説

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豆苗は、一度食べた後の根を使って再び育てられる、エコで経済的な野菜として人気があります。水と光を適切に管理すれば、初心者でも簡単に自宅で再収穫が可能です。今回は、豆苗の育て方やおいしく育てるためのコツ、収穫のタイミングについて詳しく解説します。

豆苗の基本的な育て方

窓際に置いた豆苗の画像

豆苗はスーパーで購入した後も、再生栽培によって複数回楽しめる手軽な野菜です。ここでは、豆苗を元気に育てるための基本的な方法について解説します。

用意するもの・準備

豆苗の栽培を始める前に、まずは必要な道具と、適切な環境について確認しましょう。

  • 容器
    根が浸かる程度の浅めのトレイやタッパー、ペットボトルを加工したものなどが適しています。清潔に保つことが発芽と生育のカギになるため、使用前にきれいに洗っておきましょう。

  • 水道水で十分です。根の先端~半分が浸かる程度の量にとどめ、豆部分まで水没させない
  • 環境
    置き場所は、明るい室内が理想です。直射日光が当たると葉が傷みやすいため、レースカーテン越し程度の光が最適。温度は15~25℃が保たれる環境を意識しましょう。

栽培の流れ(再生栽培の場合)

豆苗を元気に再生させるには、食べるときの葉の切り方と水管理がポイントです。以下の手順に沿って育てていきましょう。

  1. 豆苗を切る
    豆の近くに2つある小さな脇芽を残し、脇芽より上の部分を切ります。脇芽は植物の成長点となるため、ここを残すことで再び芽が伸びやすくなります。
  2. 根と容器を準備する
    残した根と豆をきれいに洗い、清潔な容器に並べます。根だけが浸かる程度に水を入れ、根の上にある豆部分は水没しないよう注意します。
  3. 水を取り替える
    水は継ぎ足しせず毎日新しく取り替え、常に清潔な状態を保ちましょう。特に夏場は1日2回の交換がおすすめです。
  4. 成長に合わせて管理する
    成長が進むにつれて水の減りが早くなるため、減った分を適宜補給します。光量も植物の様子を見ながら調整しましょう。
  5. 再収穫をする
    芽が15cmほどに伸びたら再収穫をします。この後は1から同じ手順で再び育てられます。ただし、2〜3回目は芽が細り収穫量がやや減少します。

この流れを守れば、約1週間で再び収穫が可能です。家庭でも簡単に育てられる豆苗は、手軽に始められるエコな再生栽培の代表格といえます。

豆苗をおいしくする育て方のポイント

豆苗の画像

同じ豆苗でも、育て方によって味や風味が変わります。ここでは、再生栽培でも豆苗をおいしく育てるためのポイントを紹介します。

脇芽(わき芽)を残す

豆苗を収穫するときは、脇芽を残す位置でカットすることが最も重要です。

茎を切る際、根元近くに小さな芽が2つほどついているのが見えるはずです。この脇芽を残すように、根元より少し上の位置で切ると、新しい芽が再び伸びて再生しやすくなります。

反対に、脇芽まで切り取ってしまうと、次に生えてくる芽がなくなり、再生栽培が失敗してしまう可能性があります。

脇芽をしっかり残しておくと、2回目以降の成長スピードが速く、太くて甘みのある茎に育ちます。

光量を適切に保つ

豆苗の風味や食感を良くするには、光の量も大切なポイントです。

豆苗は明るい場所を好みますが、直射日光が強く当たると茎が硬くなり、えぐみが出やすくなります。そのため、窓辺などの明るい場所に置き、レースカーテン越しの日差しを当てる程度が理想的です。反対に、光量が足りないとひょろひょろと間延びして育ってしまい、味も落ちてしまいます。

適度な光を浴びせることで、豆苗の茎がまっすぐ伸び、葉の緑も濃くなり、シャキッとした食感に育ちます。昼間は自然光を取り入れ、夜は暗くして休ませることで、より健康的に育ちます。

水は豆まで浸さない

豆苗を育てる際は、水の量にも注意が必要です。

根が水に浸かる程度で十分で、豆部分まで水がかかると腐敗の原因になります。豆には芽が育つための栄養が蓄えられているため、豆が腐ってしまうと栄養の供給が止まり、成長が悪くなります。さらに、腐敗が進むとカビやぬめりが発生し、衛生面でも問題が生じます。

清潔な容器で、根の先だけが常に水に触れる状態をキープすることが理想です。豆部分は常に乾いた状態を保つことで、香りがよく、すっきりとした味わいの豆苗に育ちます。

こまめな水管理

最後に、豆苗のおいしさを保つ最大のコツは「水の清潔さ」です。

水をこまめに交換し、容器を常に清潔に保つことで、豆苗は健康的に育ちます。古い水を継ぎ足すのではなく、毎回、溜まった水をすべて捨ててから新しい水を入れるのが基本です。特に気温が高い時期は、1日2回の水替えが理想的です。

きれいな水環境を保つことで、豆苗が腐るリスクを減らし、青臭さのないみずみずしい味わいに仕上がります。再生栽培そのものにほとんど手間はかかりませんが、水換えのひと手間こそが、おいしい豆苗を育てる秘訣です。

容器・衛生管理を徹底する

容器を常に清潔に保つことも重要です。

ぬめりや異臭が出た場合は容器をすぐに洗い、カビが確認されたら食べずに思い切って新しい豆苗に切り替えましょう。衛生的な環境が、健やかな再生につながります。

豆苗を収穫するベストなタイミング

豆苗の画像

豆苗を再生栽培した場合、一般的には栽培開始から7〜10日ほどで1回目の収穫が可能です。ただし、気温や日当たりなどの環境条件によって多少前後します。

収穫の目安は、茎の長さと葉の開き具合です。茎が10〜15cmほどに伸び、葉がほどよく展開している状態がベストタイミング。茎がしっかりしていると食感も良く、甘みが感じられます。

成長しすぎると茎葉が硬くなり、風味も落ちやすくなるため注意しましょう。なお、2回目以降は成長が遅く、味わいや収穫量が減少する傾向があります。豆部分にカビも生えやすくなるため、カビを確認した場合は栽培を中止するようにしましょう。

まとめ

ジャンルを問わず、さまざまなメニューで活躍する豆苗。豆苗の再生栽培は、清潔な水と適度な光、そして脇芽を残す丁寧な管理が成功のポイントです。正しい方法で育てれば、風味豊かでシャキッとした豆苗を繰り返し楽しめます。環境にも優しい豆苗の再生栽培を、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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