たまねぎは品種によって収穫時期が異なり、適切なタイミングで収穫しないと味や保存性が大きく変わります。特に、茎がどの程度倒れているか、葉の色がどれほど変化しているかといった見極めは、初心者でも収穫適期を判断しやすい重要なポイントです。また、収穫後のたまねぎの乾燥や保存を正しく行うことで、より長く新鮮なおいしさを保つことができます。
今回は、品種別の収穫時期から見極めのコツ、さらに保存方法まで詳しく解説します。
たまねぎの一般的な収穫時期

たまねぎは品種によって収穫時期が異なります。成長速度の違いによって「極早生」「早生」「中生」「晩生」に大きく分類され、それぞれ特徴や向いている調理法が違います。
極早生(ごくわせ)種・早生(わせ)種のたまねぎの収穫時期
極早生種は3月中旬~4月にかけて、早生種は4~5月にかけて収穫されます。これらは「新たまねぎ」としてスーパーに出回ることが多い品種です。
水分量が多くみずみずしい食感が特徴で、甘みが強くやわらかいため、サラダなどの生食に最適です。特に極早生種は辛みが少なく、やわらかさが際立ちます。
温暖な地域での栽培に向いていますが、貯蔵には適していません。収穫したらなるべく早く食べきるのが良いでしょう。収穫から日が経つとどんどん鮮度が落ちていくため、旬の時期のうちに味わうのがおすすめです。
中生(なかて)種のたまねぎの収穫時期
中生種は5月下旬~6月上旬に収穫されます。早生と晩生の中間的な性質を持ち、「中早生」と呼ばれることもあります。
加熱すると甘みが引き立つのが特徴で、炒め物やカレーなどさまざまな料理に向いています。温暖な地域から寒冷地まで比較的広く栽培可能です。
晩生ほどではありませんが、適切な方法をとれば長期貯蔵できます。一般的には秋ごろまでの保存が可能です。
晩生(おくて)種のたまねぎの収穫時期
晩生種は温暖地では6月ごろ、寒冷地では8~10月ごろに収穫されます。特に北海道で栽培が盛んです。
実が大きく、甘みだけでなく辛味もしっかりと持ち合わせています。正しい乾燥方法と保存方法を行うことで、翌年の春まで長期間保存できます。
通常、スーパーに出回っているたまねぎは、晩生種を収穫後に貯蔵したものが多くなっています。日常的に使うたまねぎとして最も一般的なのがこの種類です。
たまねぎの収穫適期を見極めるサイン

たまねぎの収穫の最適なタイミングは、土の上に出ている茎(葉茎)の8割程度が倒れてから約1週間後です。茎葉が倒れるのは「光合成した栄養が球に溜まり、球が成熟に近付いた」サインです。
このとき、葉は完全に枯れておらず、まだ少し緑色が残っている段階が理想的です。この段階になったら水やりを止め、1週間ほど待つことで球がしっかり締まり、日持ちしやすくなります。
収穫が早すぎると球の発達が不十分になり、遅すぎると保存性が悪くなります。適切な時期の見極めが大切です。
たまねぎの正しい収穫方法
たまねぎの収穫は適切なタイミングと方法で行うことが、おいしさと保存性を左右します。ここでは、正しい収穫方法を紹介します。
ポイント1.茎が倒れるタイミングで水やりをストップする
茎が倒れ始めたら水やりはストップしましょう。葉に送られる水分が減ることで、球の成熟が促されます。
ポイント2.収穫作業は晴れた日に行う
収穫後に貯蔵に向けて乾燥させる必要があるため、収穫作業は必ず晴れた日に行いましょう。特に、その後2日ほど晴天が続く日を選ぶのが理想的です。
雨天時の収穫は、収穫したたまねぎが腐りやすくなるため避けましょう。
ポイント3.左右に揺すりながら手で抜き取る
収穫は手で抜き取るのが基本です。茎の下の方をしっかり持ち、軽く左右に揺すりながら引っ張ると抜きやすくなります。
ただし、土が固い場合は、スコップをたまねぎの周囲に差し込み、根を切らないように注意しながら土を掘り起こしましょう。根が切れると保存性が悪くなるので、慎重に行ってください。
たまねぎの収穫後の保存方法

たまねぎを長期間おいしく保存できるかどうかは、収穫後の乾燥の質が大きく影響します。ここでは、いかに上手に乾燥させるかに焦点を当てながら、家庭で実践できる具体的な保存ステップについて解説します。
ステップ1|天日干し
収穫後は、晴れた日に1~2日ほどそのまま畑に横たわらせて天日干しします。プランター栽培の場合は風通しの良いところに並べて天日干ししましょう。
収穫直後は内部に水分が多く残っており、この水分が後の腐敗やカビの原因になります。そのため、天日干しで表面の余分な水分をしっかり取り除くことで、貯蔵中の腐敗やカビを防ぐことができます。
天日干しが終わったら、葉と根の処理を行います。根は完全に切り落とし、茎から葉にかけては、球の上から15cmほど残して余分な部分を切り落とします。茎葉を少し残すことで芽が出にくくなり、たまねぎの栄養が分散することを防ぎます。
ここで茎を完全に切り落とすと切り口から傷みが侵食する可能性があるため、適度な長さを残すことがポイントです。
ステップ2|つるし保存
天日干しを終えたたまねぎは、5~6株ずつ茎葉の部分で束ね、ひもやネットに固定してつり下げます。
落ちないようにしっかりと縛りながら、たまねぎ同士が密着しすぎないよう注意しましょう。また、通気性を確保するために、あまりキツく縛りすぎないようにすることが大切です。
つるす場所は、直射日光を避けた涼しく乾燥した場所が理想的です。風通しの良い軒下や物干し竿につるすのが適しています。
また、通気性の良いストッキングに入れてつるす方法もあります。使い古しのストッキングに1個ずつ入れていくと、必要な分だけ下から取り出せて便利です。そのほか、みかんネットを使用する方法も簡単で効果的です。
つるす場所がない場合は、コンテナやかごなどに入れて風通しの良い日陰で保存することもできます。この場合も、詰め込みすぎると蒸れの原因になるので、適度な量を心がけましょう。
まとめ
たまねぎは極早生から晩生まで品種ごとに収穫時期が異なり、茎の倒れ具合や葉の状態を確認することで収穫適期を判断できます。
正しい収穫と長期保存のポイントを押さえて、おいしく長くたまねぎを楽しんでみてはいかがでしょうか。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴35年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。




