ゴーヤの栄養と健康効果!苦みの正体やおすすめレシピも紹介

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ゴーヤは苦みが強いイメージがあってあまり食べたことがないという方もいるかもしれませんね。しかし、ゴーヤは栄養満点な野菜なので、食生活を整えて健康的な毎日を過ごしたい方にはぴったりの食材です。

今回は、ゴーヤに含まれる栄養や苦みの正体、おすすめレシピを紹介します。

ゴーヤに含まれる栄養素と健康効果

ゴーヤにはさまざまな栄養が含まれています。中でもビタミンC、葉酸、ビタミンKが豊富で、健康維持に役立つ成分が効率的に摂取できるのが魅力です。

ビタミンC 葉酸 ビタミンK
ゴーヤ 76mg 72μg 41μg
きゅうり 14mg 25μg 34μg
ズッキーニ 20mg 36μg 35μg
キャベツ 38mg 66μg 79μg

※可食部100g当たりの含有量

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

このように代表的な野菜と並べてみても、ビタミンKはキャベツが多いものの、どの栄養成分もゴーヤには豊富に含まれていることが分かります。

それぞれの栄養素にどのような働きがあるか、詳しくみていきましょう。

ビタミンC|抗酸化作用・病気の予防

ゴーヤはビタミンCが豊富な野菜で、可食部100g当たり76mg含まれています。これはキャベツの2倍、レモン果汁の1.5倍以上の量で、ビタミンCを効率的に摂りたいときに重宝する食材です。

ビタミンCには抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、フリーラジカルや活性酸素(※)から細胞を保護する働きのことです。ビタミンCを積極的に摂っておくと、加齢によって起こる疾患の予防に役立つ効果が期待できます。

また、コラーゲンの生成をサポートし、傷の治癒を促す働きもあります。さらに、吸収率が低いとされる植物性食品中の鉄分の吸収を促進するため、鉄分不足による貧血に悩んでいる方にとっても重要な栄養素です。

※フリーラジカルや活性酸素:細胞が損傷する原因となる。主にしみやしわ、動脈硬化などに関係する。

葉酸|赤血球の生産・体の発育

ゴーヤ可食部100g当たりの葉酸の含有量は72μgです。同じウリ科のきゅうりの約3倍、ズッキーニの2倍多く含まれています。

葉酸はビタミンB12と一緒に赤血球の合成を促進する作用があり、健康維持に重要な役割を果たしています。DNAやRNAといった核酸や、体の組織を作るのに欠かせないたんぱく質の生合成を促進し、細胞の生産や再生をサポートする働きもある栄養素です。

体の発育にも大きく貢献しており、特に妊娠中の女性に必要な栄養素としても知られています。これは胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減する働きがあることが理由です。

葉酸は年代を問わず、健やかな体をキープするために大切な栄養素といえます。

ビタミンK|血液凝固のサポート・骨の形成

ゴーヤにはビタミンKが可食部100g当たり41μg含まれており、これは同じウリ科のズッキーニやきゅうりよりも多い値です。

ビタミンKは出血を止めるために必要なプロトロンビンなどの生成に、補酵素として深く関わっています。また、丈夫な骨の形成に役立ち、加齢とともに骨量が減りやすい女性にとっても重要な栄養素です。

ゴーヤの苦みの正体は?

ゴーヤの特徴ともいえる苦みは、主に「モモルデシン」という成分によるものです。

モモルデシンには整腸作用血糖値を下げる働きがあるといわれています。胃酸の分泌によって食欲不振をやわらげる効果も期待されているため、食欲が落ちやすい夏は積極的に摂取したい成分です。

また、ゴーヤをはじめ、ズッキーニやきゅうりといったウリ科の植物には「ククルビタシン」という苦み成分が含まれています。まだ成熟していない果実や収穫直後の作物に多いといわれています。

ククルビタシンを多量に摂取すると、腹痛や下痢などの消化器症状が出るおそれがあるため注意が必要です。

とはいえ、一般的に販売されている食用のウリ科植物は品種改良されており、ククルビタシンはほとんど含まれていません。もし普段とは違うような苦すぎるものがあったら注意するようにしましょう。

観賞用のウリ科植物と交雑してしまうケースもあり、ごくまれにククルビタシンを多く含むものができてしまうことがあります。

ゴーヤの栄養を逃さないための調理のポイント

ゴーヤの栄養を逃さず、効率的に摂取するための調理のポイントを紹介します。

わたは取り除きすぎない

ゴーヤの内側についているわたも、実は食べられます。栄養もあるので、下処理するときは取り除きすぎないようにしましょう。

わた自体に苦みはほとんどなく、ふんわりとした独特の食感も楽しめます。

水にさらしすぎない

ゴーヤを水にさらしたり、お湯で茹でたりして苦みを抜く方法もありますが、長時間つけっぱなしにしないように注意しましょう。

ゴーヤに多く含まれるビタミンCや葉酸は、水に溶けやすい水溶性ビタミンです。そのため、ゴーヤを水にさらしすぎると苦みだけでなく栄養まで溶け出てしまい、せっかくの栄養素が十分に摂れなくなる可能性もあります。

なお、ゴーヤに多く含まれるビタミンKは脂溶性なので、水にさらしても大きく失われる心配はありません。

ゴーヤの栄養を逃さず苦みを和らげる下処理の方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ゴーヤの下処理の方法!苦みを和らげるコツとおすすめレシピ4選

油を使って調理する

ゴーヤは油との相性がとても良い野菜です。ゴーヤをおいしく、栄養満点な料理に仕上げるには、油を使った炒め物や、油を使ったドレッシングと合わせてみてください。

油は脂溶性ビタミンの吸収を助けるのに役立つとされています。ゴーヤに多く含まれるビタミンKは脂溶性ビタミンなので、油と合わせることで栄養をしっかりと摂取できます。

ゴーヤの栄養をたっぷり摂れるレシピ3選

ここでは、栄養満点なゴーヤを使ったおいしいレシピを紹介します。

さわやかな甘み!ゴーヤと梨のシャキシャキサラダ

梨の甘みとゴーヤの苦みがマッチしたおしゃれな一品です。おもてなし料理や、さっぱりした副菜を用意したいときにぜひ作ってみてください。

材料(4人分)

作り方

  1. 梨は四等分に割って芯と皮を取り除き、5mm程度の薄切りにしたあと千切りにする。
  2. ゴーヤはヘタを落とし、わたと種を取り除いて2mm程度の薄切りにする。
  3. 2.と塩小さじ1(分量外)をボウルに入れ、塩を全体になじませたら10分程度置く。
  4. 3.から出た水分を手でぎゅっと絞り、沸騰したお湯で1分程度茹でる。
  5. 4.をザルにあげて流水で冷やし、水気を絞る。
  6. ボウルに梨、ゴーヤ、ドレッシングを入れて混ぜ合わせ、器に盛る。

ピエトロのレシピサイトでは、ゴーヤと梨のシャキシャキサラダのほか、サラダづくりの「困った」をマジカルに解決するさまざまなレシピを紹介しています。ぜひ覗いてみてください。
>>ピエトロ「マジカルサラダ」特集レシピ

夏バテ予防にぴったり!ゴーヤチャンプル

沖縄の郷土料理であるゴーヤチャンプルです。スタミナをつけたい夏場や、野菜たっぷりのおかずを用意したいときにぜひ作ってみてください。

材料(2人分)

作り方

  1. ゴーヤは縦半分に切り、わたと種を取り除いて3mm幅にスライスする。
  2. 豆腐は水切りをして、一口大に切る。たまねぎはくし切り、豚バラ肉は3mm幅の細切りにする。
  3. フライパンで、豚バラ肉、ゴーヤ、たまねぎの順に炒める。
  4. 具材に火が通ったら、豆腐とドレッシングを入れて炒める。
  5. 全体にドレッシングが絡まったら、溶き卵を加えてお好みの固さに火を通す。

サクサク食感!ゴーヤのフリット

サクサクとした軽い食感が楽しめるレシピです。あらかじめ「おうちパスタ ごま醤油ガーリック」に漬けておくことで、ゴーヤの苦みが和らいで食べやすくなります。

材料(2人分)

作り方

  1. ゴーヤは横半分に切り、中のわたと種を取り除く。
  2. 1.を1cm幅の輪切りにし、おうちパスタに10分間漬け込む。
  3. ボウルなどに片栗粉と重曹を入れて混ぜ合わせ、2.にまぶす。
  4. 3.を熱した油に入れ、キツネ色になるまで揚げる。

まとめ

ゴーヤにはビタミンCや葉酸、ビタミンKなどが豊富に含まれており、効率的に栄養が摂れる食材です。独特の苦みは上手に下処理をすることで、マイルドな口当たりになります。
栄養を逃さず摂るには、下処理で水にさらしすぎないように注意しつつ、油と一緒に調理するのがコツです。

ゴーヤのさわやかな苦みを楽しめるレシピもぜひ活用してみてください。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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