納豆の賞味期限はいつ?腐ったときの見分け方を詳しく解説!

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「納豆はもともと腐っているから、賞味期限を過ぎても問題なく食べられる」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、納豆は納豆菌という微生物によって発酵している状態であり、腐敗しているわけではありません。

腐敗が進んだ納豆を食べると健康を害するおそれがあるため、食べられるかどうかの判断基準を知っておく必要があります。今回は、納豆の賞味期限についてや、まだ食べられる納豆・もう食べられない納豆の見分け方を紹介します。

納豆の賞味期限

ごはんに納豆を乗せた画像

「賞味期限」とは、適切な保存方法を守り、未開封の状態で保存した場合においしく食べられる目安の期限のことをいいます。

そのため、適切な状態で保存できていれば、賞味期限が切れたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。

まずは、納豆を冷蔵保存した場合・冷凍保存した場合の賞味期限を紹介します。

冷蔵庫で保存した場合

納豆を冷蔵保存した場合の賞味期限は、1週間程度に設定されていることがほとんどです。

冷蔵庫の一般的な温度は約0~7℃であり、納豆のパッケージに表示されている日付は10℃以下で保存した場合の賞味期限のため、この期限内であればおいしく食べられます。

なお、多くの場合、ひきわり納豆は粒納豆に比べて賞味期限が短くなっています。

これは、完熟した大豆を細かく砕き、納豆菌をふりかけて発酵させているためです。大豆を砕いた断面の分だけ納豆菌が付着する表面積が広がり、発酵が進むスピードが速くなるのです。

冷凍庫で保存した場合

実は、納豆は冷凍保存もできる食材です。

冷凍庫で納豆を保存した場合、賞味期限が1か月程度まで延びるため、パッケージに記載されている賞味期限内に食べきれない場合も焦る必要がなく便利です。

さらに、納豆を冷凍保存しても納豆菌は死滅しないため、風味や粘り、味わいは冷凍前と変わりません。解凍すると食感が若干やわらかくなることがありますが、気にならない程度でおいしく食べられます。

なお、納豆は未開封のパックのまま冷凍保存できますが、ほかの食品に匂いが移る可能性があるため、ジッパー付きの冷凍保存袋に入れたり、ラップで包んだりして保存するのがおすすめです。この際は、できるだけ保存袋内の空気を抜き、しっかり密閉して乾燥を防ぎましょう。

冷凍保存した納豆を解凍するときは、食べる前日から冷蔵庫に移動させて自然解凍するのがポイントです。電子レンジで解凍すると風味が損なわれるだけでなく、パック容器に入ったままの加熱は容器が溶けたり破損したりする恐れがあるため、おすすめできません。

納豆が腐ったとき・まだ食べられるときの見分け方

納豆の画像

納豆は10℃を超える環境で保存すると発酵が進み、賞味期限が早まります。

これは、納豆が熱処理されていない生鮮食品であり、発酵が終わっても納豆菌や酵素が生きているためです。

ただし、適切な保存状態であれば、1日~2日ほど賞味期限を過ぎたからといって食べられなくなるわけではありません。風味はだんだんと落ちていきますが、傷んだ様子がなければ食べても健康上の問題はないでしょう。

とはいえ、納豆はもともと特有の匂いがあり、時間の経過とともに色が変化してくるため、腐っている状態とまだ食べられる状態が分かりにくいことがあります。

ここでは、そのようなときに役立つ、食べられる納豆と食べられない納豆の見分け方を詳しく解説します。

○食べられる|白いふわふわがある

納豆の表面に付着している白いふわふわは、「被り」と呼ばれる納豆菌の菌層です。衛生面や風味に問題はなく、食べても健康上の問題はありません。

「全体的に白い」「一部白い」「やや茶色くなっている」など、納豆によって菌層の張り方や色が異なりますが、いずれも問題なく食べられます。

△まだ食べられる|豆の色が濃い・特有の匂いが強い

納豆の色がこげ茶色に変化し、特有の匂いが強くなっている状態は、まだ食べられます。
ただし、水分が抜けて乾燥が進み、納豆の粒が全体的に硬くなっているときは食べるのを避けましょう。

△まだ食べられる|苦みがある

賞味期限が切れた納豆を食べると、苦みやえぐみを感じることがあります。これは、大豆のたんぱく質が納豆菌によって分解され、ペプチドが生成されているためです。

ペプチドはアミノ酸が数個~数十個結合した化合物で、風味は落ちますがペプチドそのものは食べても問題はありません。

△まだ食べられる|白いつぶつぶがある

納豆に付着している白いつぶつぶは「チロシン」というアミノ酸の結晶で、身体に害はありません。

10℃以下で冷蔵保存していても、時間の経過とともにチロシンの結晶化が進んでいきますが、10℃以上の場所で保存すると急激に発酵が進み、チロシンが発生しやすくなります。

特に、大豆を細かく砕いたひきわり納豆は発酵が進みやすく、チロシンが結晶化しやすい特徴があります。

白いつぶつぶが付着した納豆は食べても問題ありませんが、ジャリジャリと砂を噛んだような食感があり風味を損ないます。熱で多少は食感がやわらぐため、気になる場合はパスタや納豆焼き、みそ汁などの加熱調理に活用するのがおすすめです。

×絶対に食べない|水っぽくなっている・アンモニア臭がする

納豆が水っぽくドロッとしている、混ぜても糸を引かずサラサラしている、カビが生えている場合は、納豆菌以外の腐敗菌が増えている状態のため食べられません。

また、納豆にはもともと納豆菌の独特な匂いがありますが、特有の匂いとは異なる、鼻をつくようなアンモニア臭がする場合も腐っています。食べると体調を崩すおそれがあるため、破棄しましょう。

【納豆の豆知識】発酵と腐敗の違い

納豆の画像

納豆は「最初から腐っているから賞味期限は関係ない」と思われがちですが、腐敗しているわけではなく発酵しています。納豆は、大豆を納豆菌で16~18時間ほど発酵させて作られています。

発酵も腐敗も微生物による分解作用であり、化学的なメカニズムは同じです。微生物によって多糖類やたんぱく質が分解される際に、発酵や腐敗が起こるのです。微生物には、納豆菌や乳酸菌などの細菌や酵母、カビなどがあります。

この際に、旨みや栄養価が増しておいしくなるなど、人間にとって有益な反応が現れた場合は「発酵」と呼ばれます。

一方、不快な臭いがしたり人間に害を与える雑菌が発生したりした場合は「腐敗」と呼び分けられます。

納豆は人間にとって有益な発酵食品ですが、時間の経過とともに納豆菌以外の雑菌が繁殖すると、腐敗して食べられなくなってしまうのです。

まとめ

納豆の賞味期限は冷蔵保存で1週間程度、冷凍保存で1か月程度です。数日から1週間程度であれば賞味期限が切れていても食べられることが多いですが、結晶化した白いチロシンが口の中でジャリジャリしたり、納豆菌によって生成されたペプチドが苦みを発生させたりと、風味を損なう可能性があります。

しかし、水っぽくなっている・アンモニア臭がする・カビが生えている・混ぜても糸を引かない場合は、納豆菌以外の雑菌が増えて腐敗している状態のため、絶対に食べないようにしましょう。

 

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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