長ねぎは炒め物から薬味まで、さまざまな料理に活用できる食材ですが、つい余らせてしまうことも多いですよね。使い切れなかった長ねぎを保存していても、すぐに乾燥してしまったり、風味を損ねてしまったりすることもあるでしょう。今回は、長ねぎを上手に保存する方法や、簡単に作れるおすすめレシピを紹介します。
長ねぎの保存方法1.冷蔵保存
長ねぎは加熱すると甘みが増すので、鍋や炒め物などにおすすめの野菜です。青い葉の部分も栄養価が高いため、捨てずに保存して有効活用しましょう。長ねぎを冷蔵庫で保存する場合は、1週間ほど鮮度を保つことができます。ここでは、長ねぎを冷蔵保存する方法を紹介します。
カットしてから保存
長ねぎは乾燥に弱いため、正しく保存して鮮度を保ちましょう。カットしてから保存する方法は次の通りです。
- 長ねぎをよく洗い、根元を切り落として3等分に切る。
- しっかり濡らしたキッチンペーパーで、長ねぎの白い部分の根元に近いほうを包む。
- 長ねぎの上の部分は、軽く濡らしたキッチンペーパーで包む。
- 長ねぎの青い部分も同様に2と3の手順を繰り返す。
- 青い部分と白い部分を、それぞれ別の保存袋に入れる。
- 冷蔵庫の野菜室に立てて保存する。
野菜は育った状態に近い形で保存するほど、鮮度を保ちやすくなるので、できるだけ冷蔵庫に立てて保存すると良いでしょう。3等分にカットすると、冷蔵庫でも立てて保存しやすい長さになります。
また、濡らしたキッチンペーパーで長ねぎを包むことで、水分が空気中に逃げずに済みます。さらに、適度な水分が加わり、乾燥を防いでみずみずしさをキープできるのです。
また、長ねぎの部位に応じて保存袋を分けるのは、青い部分のほうが白い部分よりも傷みやすいからです。一緒に保存した場合、白い部分も傷みやすくなるため、分けて保存することをおすすめします。週に1回を目安にキッチンペーパーを交換して、鮮度を保ちましょう。
刻んで保存
長ねぎを刻んでから保存すると、使いたいときにパッと活用できて便利です。包丁やまな板を使用せずにそのまま調理に使えるので、後片付けの手間も省けます。ただし、刻んでから保存すると、長いまま保存したものよりも傷みやすくなるため、なるべく早めに使いましょう。保存方法は次の通りです。
- 長ねぎをよく洗い、細かく刻む。
- 1を乾いたキッチンペーパーで包む。
- 2の上からラップで包み、保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。
刻んだねぎから出た水分でキッチンペーパーが湿ってきたら、新しいものに交換しましょう。湿ったままの状態で保存していると、傷みやすくなるため注意が必要です。2~3日を目安に様子を見ながらキッチンペーパーを取り替えましょう。
長ねぎの保存方法2.冷凍保存
長ねぎをすぐに使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍することで、長ねぎの鮮度を保ち、風味を損なわずに1か月ほど保存できます。
しかし、冷凍期間が長くなると味や風味が変化しやすくなるため、1か月以内を目安に使用しましょう。ここでは、長ねぎを冷凍保存する方法を紹介します。
カットしてから保存
冷凍保存する場合、なるべく長い状態のまま保存することで、風味をキープしやすくなります。長ねぎをカットしてから保存する方法は、次の通りです。
- 洗った長ねぎの根元を切り落とし、3等分する。(大きさは冷凍用保存袋に合わせて調整してください)
- キッチンペーパーで水気を拭き取る。
- 2をしっかりとラップで包み、冷凍用保存袋に入れて、空気を抜きながら口を閉じる。
- 金属トレイ(バット)にのせて冷凍庫に入れる。
長ねぎの鮮度を保つコツは、しっかりとラップで包むことです。乾燥対策になり、鮮度を保ちやすくなります。
また、冷凍保存する場合は冷蔵保存と異なり、長ねぎの青い部分と白い部分を同じ保存袋に入れても傷むスピードは変わらないため、それぞれを分けて冷凍する必要はありません。
刻んで保存
刻んで冷凍しておくと、調理の際に長ねぎを刻む手間が省けるため時短になります。長ねぎを刻んでから冷凍保存する方法は、次の通りです。
- 長ねぎを洗い、小口切りなど用途に合わせて切る。
- キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取る。
- 冷凍用保存袋にキッチンペーパーを入れ、刻んだ長ねぎを覆う。
- 空気を抜いて平らにしてから、冷凍用保存袋の口を閉じる。
- 金属バットにのせて冷凍庫に入れる。
キッチンペーパーで長ねぎを包むのは、余分な水分を吸収させるためです。長ねぎの量が少ないときや使う分だけ小分けにしたいときは、直接ラップで包んで冷凍保存しても問題ありません。
保存した長ねぎを活用できるレシピ
長ねぎは生で食べたり、加熱したり、さまざまな料理に使うことができます。ここでは、保存しておいた長ねぎをおいしく使い切るためのレシピを紹介します。
ねぎまき酢豚の黒酢あん
長ねぎのシャキシャキとした食感と、豚肉のジューシーさが相性抜群のひと品です。豚肉をカリッと焼き上げることで香ばしさも加わり、ご飯が進みます。また、黒酢あんの酸味が料理に奥行きを与え、それぞれの食材のおいしさを引き立てます。
材料(2人分)
- 豚ばら肉…200g
- 長ねぎ…2本分(カット前の状態)
- 水…大さじ2
- 片栗粉…2g
- 塩こしょう…少々
- 【ピエトロ×TANITA】ドレッシング 黒酢&雑穀…大さじ4
作り方
- 豚ばら肉は塩こしょうをしてから10cmほどに、カットして保存しておいた長ねぎは白い部分を3cmほどの大きさに切る。
- 1の長ねぎを豚ばら肉で巻く。
- フライパンでじっくりと2を焼き、余分な油をキッチンペーパーで拭き取る。
- 片栗粉を水で溶いてドレッシングと混ぜ合わせ、3に回し入れながら全体に絡める。
- 器に盛り付け、刻んで保存しておいた長ねぎの青い部分をトッピングする。
ねぎとひき肉のピザ
ひき肉、長ねぎ、チーズなど、冷蔵庫に余りがちな食材と春巻きの皮で作るお手軽ピザです。春巻きの皮に具材をのせて焼くだけなので、忙しいときでも簡単に作れます。ひき肉以外にも、鶏ひき肉やツナ、季節の野菜をトッピングするなど、お好みの具材に変えてもおいしく食べられますよ。
材料(2人分)
- ひき肉(牛・豚合挽き)…100g
- 長ねぎ…1/2本分(カット前の状態)
- 万能ねぎ…3~4本
- 溶けるチーズ(ピザ用)…60g
- 春巻きの皮…6枚
- オリーブオイル…適量
- おうちパスタ ごま醤油ガーリック…大さじ3
作り方
- フライパンを熱し、ひき肉・おうちパスタ・刻んで保存しておいた長ねぎを入れて炒める。
- 春巻きの皮にオリーブオイルを塗り、三層になるように1枚ずつ重ねていく。
- 2の上に炒めた1、小口切りにした万能ねぎ、溶けるチーズの順にのせ、オーブントースターでこんがりと焼く。
まとめ
長ねぎは鍋や炒め物、薬味など、幅広く活用できる野菜です。しかし、そのまま置いておくとすぐに傷んでしまい、風味を損ねてしまいかねません。冷蔵保存すれば、長ねぎのシャキシャキとした食感を1週間ほど楽しめます。一方、冷凍なら約1か月と長期間保存が可能で、必要なときに使えて時短になります。長ねぎの保存方法とあわせて、今回紹介したおすすめレシピもぜひ試してみてください。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。