大根の適切な冷凍方法!食感や味を保つ3つのポイントとは?

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大根は余りがちな野菜のひとつですが、正しく冷凍保存すれば最後までおいしく使い切れます。みずみずしい大根は冷凍には向かないと思われがちですが、工夫次第で水っぽさを抑えることができ、煮物やおろし、サラダまで幅広く活用可能です。

今回は、大根の冷凍・解凍方法や、おいしく冷凍保存するコツを紹介します。冷凍大根を使ったおすすめレシピもお伝えするので、ぜひ試してみてください。

大根の冷凍方法|保存期間:約1か月

大根の画像

大根を冷凍保存する際は、用途別にカットや味つけを工夫して保存しましょう。調理時の手間が省けるだけでなく、歯応えも引き立てられます。

まずは、主な3つの冷凍方法を紹介します。

使いやすい大きさにカットして冷凍

味噌汁や煮物用など、使う料理を想定してあらかじめカットしておくと、冷凍後もそのまま使えて時短になります。

味噌汁には短冊切りやいちょう切り、煮物やおでんには輪切りがおすすめです。冷凍により繊維が壊れるため、下茹でなしでも味が染みやすく、やわらかく仕上がります。

冷凍方法

  1. 大根の皮をむき、用途に合わせて切る。
  2. 水気をふき取り、小分けにしてラップに包む(輪切りはラップ不要)。
  3. 冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存する。

解凍方法

  1. 解凍せず、凍ったまま味噌汁や煮物といった加熱調理に使用する。

大根おろしにして冷凍

大根おろしをよく使う方は、一度にたくさんすりおろして冷凍しておくと、食べたいときに解凍するだけで、すぐに食べられます。

冷凍による味や食感の変化もほとんどなく、生の大根おろしと同様に使用可能です。

おろした大根は、手で水気を強く絞りすぎると食感が悪くなるので、ザルにおいて自然に水切りすることがポイントです。

冷凍方法

  1. 大根の皮をむいてすりおろし、ザルに入れて自然に水を切る(手で絞らない)。
  2. 1食分ずつ保存袋に入れて、平らにして冷凍する。

解凍方法

  1. 冷蔵庫に移して自然解凍、または電子レンジの解凍モードで解凍する。
  2. ザルに入れて水を切ってから使用する(手で絞らない)。

下味をつけて冷凍

千切りやいちょう切りにした大根に、ドレッシングや甘酢を加えて冷凍する方法です。解凍するだけでサラダや漬物を用意できて便利です。

解凍後はコリコリとした歯ざわりになり、食感も楽しめます。

冷凍方法

  1. 皮をむいて、お好みの大きさに切った大根に、甘酢やドレッシングなどをお好みで加える。
  2. 袋の上からもんで、味をなじませてから平らにして冷凍する。

解凍方法

  1. 冷蔵庫に移して自然解凍、または電子レンジの解凍モードで解凍する。
  2. 手で軽く水気を絞る。
  3. 味が薄い場合は、塩で調整する。

大根の葉の冷凍方法|保存期間:約1か月

大根の葉の画像

大根の葉は栄養価が高く、炒め物やごはんの具、汁物の彩りなど、さまざまな料理に使える優秀な食材です。

しかし、傷みやすく放置しておくとしなびてしまうため、すぐに使わない場合は冷凍保存が役立ちます。

冷凍すれば約1か月間、おいしさをキープできます。大根の葉も無駄にせず、毎日の料理に彩りと栄養を手軽にプラスしましょう。

冷凍方法

  1. 大根の葉を根元からよく洗い、悪くなっている葉は取り除く。
  2. 鍋にお湯を沸かし、お湯1Lに対して塩を小さじ1加えて葉を2~3分程度茹でる。
  3. 茹でた葉をザルに取り、水分をしっかり絞って食べやすい大きさに切る。
  4. 冷凍用保存袋に入れ、冷凍する。

解凍方法(加熱調理に使う場合)

  1. 凍ったまま、加熱調理して使用する。

解凍方法(生のまま和え物などに使いたい場合)

  1. 冷蔵庫に移して自然解凍、または電子レンジの解凍モードで解凍する。
  2. 手で水気をしっかり絞って使用する。

冷凍大根の食感や味を保つための3つのポイント

大根を茹でている画像

冷凍大根は便利ですが、調理次第では水っぽくなったり、風味が落ちたりする場合もあります。

おいしく食べるには、冷凍・解凍時の工夫と調理時のひと手間が大切です。ここでは、食感と味わいをキープするための3つのポイントを紹介します。

ポイント1.冷凍前に加熱処理をする

大根をそのまま冷凍すると、解凍時に組織が壊れるため、水っぽさが気になってしまう場合があります。

水っぽくなるのを防ぐには、冷凍前に短時間の加熱処理をするのが効果的です。加熱により、細胞内の酵素の働きが抑えられ、冷凍後の食感の変化を最小限にとどめられます。

冷凍前の加熱処理の手順

  1. カットした大根を沸騰したお湯で1~2分茹でる。
  2. すぐに冷水にさらす。

ポイント2.室温での解凍を避ける

冷凍した大根を解凍する際は、室温に置いて解凍するよりも、冷蔵庫でゆっくり解凍したほうがベターです。

室温で解凍すると、急激な温度変化により細胞を壊しやすく、水分が多く出てベチャッとした食感になってしまいます。

大根のみずみずしさや歯応えを保つには、冷蔵庫でゆっくりと解凍することが大切です。

ポイント3.煮る前に軽く炒める

スープなどの煮物料理に使うときは、冷凍大根をそのまま煮るのではなく、あらかじめ軽く炒めるのがおすすめです。

表面に薄い皮膜ができることで煮崩れを防ぎ、味もしっかり染み込みやすくなります。

また、煮汁にしょうゆや味噌を加えると、冷凍特有の風味がやわらぎ、味わいに奥行きが生まれるため、よりおいしく仕上がります。

冷凍した大根を使ったおいしいレシピ

冷凍保存した大根は味が染みやすく、調理の時短にも便利です。

今回は、冷凍大根を活用した、食卓を豊かにするおいしいレシピを2品紹介します。

さわやか 豚ばら角煮大根

さわやか 豚ばら角煮大根の画像

白ワインとマーマレードの香りがさわやかに広がる角煮風の一品です。冷凍大根の染み込みやすさを活かせば、短時間で本格的な味に仕上がります。

材料(2人分)

  • 豚ばら肉ブロック…300g
  • 冷凍大根(2cm厚さの輪切り)…1/4本分
  • 厚揚げ…1丁
  • にんにく…4片
  • マーマレード…70g
  • 白ワイン…70ml
  • サラダ油…適量
  • ピエトロドレッシング 和風しょうゆ…210ml

作り方

  1. <下準備>
    密封袋に2cmの厚さに切った豚ばら肉、ドレッシング(60ml)、マーマレード、皮をむいたにんにくを入れてしっかりもみ、冷蔵庫で2時間ほど置いて味をなじませておく。
  2. 鍋にうすくサラダ油をひき、凍ったままの冷凍大根を入れて軽く炒める。
  3. 冷やした豚ばら肉を漬け汁ごと入れ、残りのドレッシング、白ワインを加えて強火で煮立たせる。
  4. 煮立ったら弱火にし、ひと口大に切った厚揚げを入れて25分ほど煮込む。
  5. 煮汁が1/3ほどになり、とろみが出たらお皿に盛る。

なめこおろしのつけうどん

なめこおろしのつけうどんの画像

火を使わず手軽に作れる、暑い日や忙しい日にぴったりのひんやりうどんです。解凍した大根おろしのさっぱり感と、香ばしいごまドレッシングが絶妙にマッチします。

材料(2人分)

作り方

  1. うどんは茹でて冷まし、お皿に盛る。
  2. 解凍して水気を切った冷凍大根おろしとなめこをまぜる。
  3. 1に2と刻んだ青じそをのせる。
  4. ドレッシングに水を加えてよく混ぜ、つけだれにする。

まとめ

大根は冷凍保存すれば、保存期間が延びるだけでなく、味の染み込みも良くなります。水っぽさを抑えるポイントは、加熱処理や適切な解凍方法、調理時のひと手間です。

冷凍大根を上手に使って、時短しながらおいしい料理を楽しみましょう。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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