ほうれん草の栄養は?無駄なく摂るコツやレシピも紹介

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ほうれん草はさまざまな栄養素が豊富に含まれる緑黄色野菜です。健康的な食生活を目指すうえで積極的に食卓に取り入れたい野菜ですが、せっかく食べるなら栄養を無駄なくしっかり摂りたいですよね。

今回は、ほうれん草に含まれる栄養や、栄養を逃がさない調理のコツ、おすすめのレシピを紹介します。

ほうれん草に豊富な栄養

まずは、ほうれん草に含まれる栄養素について解説します。

ビタミンK

ほうれん草100g当たりのビタミンK含有量は、生で270µg、茹でで320µgと豊富に含まれています。100g当たりの含有量を見ると、同じくビタミンKが豊富とされるブロッコリーよりも多いのが特徴です。

ビタミンKは血液凝固や骨の形成に関与するビタミンで、身体にとって大切な栄養素といえます。

葉酸

ほうれん草100g当たりの葉酸含有量は、生で210µg、茹でで110µgです。

葉酸は、赤血球の生産やたんぱく質の合成などに関わる重要な栄養素です。また、胎児の成長にも大きく関与しており、特に妊娠中・授乳中の女性に必須の栄養素としても広く知られています。

葉酸は意識して摂取しないと不足しやすい栄養素なので、ほうれん草から効率的に摂りましょう。

ビタミンA(β-カロテン)

ほうれん草100gあたりのβ-カロテン含有量は、生で4,200µg、茹でで5,400µgです。

β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」と呼ばれる栄養素の一種です。中でもβ-カロテンは効率的にビタミンAに変換され、粘膜の健康維持や抵抗力向上に効果があるとされています。

また、ビタミンAとしての効果以外にも、β-カロテンは抗酸化作用や免疫を活発にさせる作用などがあることが報告されており、季節の変わり目など体調を崩しやすいときにしっかり摂りたい成分です。

ビタミンC

ほうれん草100g当たりのビタミンC含有量は、生で35mg、茹でで19mgです。特に冬場のほうれん草はビタミンC含有量が増え、夏の約3倍になるのが特徴です。

ビタミンCはストレスへの抵抗力を高める働きのほか、コラーゲン生成や抗酸化作用などの効果があるとされています。美容に気を遣っている方にもおすすめのビタミンなので、ぜひ取り入れてみてください。

鉄分

ほうれん草100g当たりの鉄分含有量は、生で2.0mg、茹でで0.9mgです。目立って高い数値ではありませんが、日常的によく食べられている野菜と比較すると、にんじん、トマト、たまねぎの約10倍もの鉄分を含んでいます。

鉄分は、主に酸素を全身に供給する役割をもつ栄養素です。鉄分が不足すると、食欲低下や倦怠感を感じやすくなるとされています。

鉄分には吸収効率が10~20%と高いヘム鉄と、1~5%と低い非ヘム鉄の2種類があります。野菜など植物性の食品に含まれるのは非ヘム鉄なため、効率だけで見るとやや低めです。

非ヘム鉄の吸収率を上げるためには、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に食べることが大切です。ほうれん草には鉄分のほかビタミンCも豊富に含まれているので、調理法を工夫して吸収効率を高めることもできます。

ほうれん草の栄養を逃がさない調理のコツ

ここでは、ほうれん草の栄養を逃がさず調理するコツを解説します。

油で炒める

ほうれん草に豊富なビタミンKやビタミンAは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に調理すると吸収効率が上がります。

もともと脂が含まれている肉や魚と合わせたり、油をひいて炒め物にするのがおすすめです。

短時間でさっと茹でる

一方のビタミンCや葉酸は水溶性なので、長時間茹でるとお湯に溶け出してしまう性質があります。そのため、ほうれん草を茹でるときは1分程度と短時間にとどめておくのがポイントです。

たっぷりのお湯で茹でると、ほうれん草を入れたときに水温が下がりにくく、短時間でもほど良く火が通ります。お湯を使わず、電子レンジで加熱するのもひとつの手段です。

ほうれん草の茹で方については、こちらの記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
ほうれん草の茹で方と下ごしらえのコツ!初心者でも失敗しない方法

ビタミンCを多く残して調理できれば、ほうれん草に含まれる鉄分の吸収効率も上がります。栄養を無駄なく摂るためにも、加熱方法や時間を意識して調理してみてください。

アク抜きも短時間にする

ほうれん草を茹でた後や電子レンジ加熱した後は、さらに冷水にさらしてアクを取ります。アクにはシュウ酸という成分が含まれており、残るとえぐみが出てしまうことや、過剰に摂取すると尿路結石の原因になってしまうことが理由です。

アク抜きするときに長く水にさらしすぎると、水溶性ビタミンなどの栄養素まで溶け出してしまいます。水にさらす時間は、茹でるときと同じく短時間にとどめて、水気を軽く絞ってから使うのがコツです。

ほうれん草の栄養をたっぷり摂れるレシピ2選

ほうれん草は栄養豊富なうえ、料理の彩りにもぴったりの野菜です。ここでは、栄養をしっかり摂りながら食卓が華やぐおすすめレシピを紹介します。

豚肉ともやしとほうれん草のレンジ蒸し

豚肉ともやしとほうれん草のレンジ蒸しの画像

電子レンジ調理のみで作れる簡単ホットサラダです。お湯を使わずに加熱するため、ほうれん草の栄養を効率良く摂れます。

材料(2人分)

作り方

  1. ほうれん草は3cm幅にカットする。
  2. 耐熱皿に1ともやしを広げ、さらに豚肉を並べてドレッシングを回しかける。
  3. ラップをかけ、500Wのレンジで5分加熱する。加熱後はそのまま1分蒸らす。
  4. 水気を切って青ねぎを散らし、仕上げ用のドレッシングをかける。

ひき肉とほうれん草のトマトガーリックソース

ほうれん草の色味がきれいな、本格的な味わいのパスタです。油やお肉とあわせることで脂溶性のビタミンを効率よく摂取できます。

材料(2人分)

作り方

  1. スパゲティを表示時間通りに茹でる。
  2. ほうれん草は5cm幅にカットする。
  3. フライパンにオリーブオイルをひいて中火で熱し、牛ひき肉を炒める。肉に火が通ったらほうれん草も加えてさらに炒める。
  4. 3に茹でたスパゲティを加えて混ぜ、おうちパスタと塩こしょうで味をととのえ、器に盛り付ける。

まとめ

ほうれん草には多くの栄養素が含まれています。茹でる時間を短くしたり、油と一緒に調理したりすることでさらに効率的に栄養が摂れます。

日々の健康ケアのために栄養をしっかり摂りたい方、料理を彩り良く仕上げたい方にもぴったりの野菜なので、ぜひ食卓に取り入れてみてください。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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