きのこを冷凍保存するメリットは?冷凍するときのポイントと種類別の方法を解説

この記事をシェア

Xで共有する

LINEで送る

Facebookでシェアする

幅広い料理に活用できるきのこをおいしく保存するには、実は冷凍保存がおすすめです。きのこを冷凍保存すると長持ちする上、旨みが増すなど嬉しいポイントもたくさん。

今回は、きのこを冷凍するメリットやポイント・保存方法・冷凍きのこを使ったおすすめのレシピを紹介します。

きのこを冷凍保存するメリット

保存袋に入ったきのこの画像

きのこを冷凍保存することには、大きく2つのメリットがあります。それぞれについて紹介します。

長持ちする

きのこは水分が豊富に含まれているため、適切な方法で保存しないとすぐに傷んでしまいます。もし冷蔵庫で保存した場合、3日程度で傷み始め、カビが生えてしまう可能性もあります。

しかし、きのこは冷凍すれば約1ヶ月間保存が可能です。冷凍保存により保存期間を大きく延ばすことができるほか、風味が落ちる心配もありません。

また、きのこを切って冷凍しておくと、使いたい量だけすぐに取り出せるため、毎日の料理がさらにスムーズになりますよ。

旨みが増す

きのこは冷凍保存により旨みが増し、栄養価も高くなるといわれています。これは、冷凍することできのこの中の水分が膨張し、細胞壁が壊れて成分が溶け出しやすくなるためです。

きのこには、三大旨み成分のひとつとも呼ばれる「グアニル酸」が特に多く含まれており、さらに、ビタミンB群やビタミンD・カリウムなどの栄養素も含まれています。こういった成分をさらに料理に引き出すには、冷凍保存がぴったりです。

きのこを冷凍保存するときのポイント

保存袋に入ったきのこの画像

きのこの冷凍保存のメリットを最大限に活かすには、下記のポイントに注意することが大切です。

水洗いをしない

きのこは、水洗いすると風味が落ちるだけでなく、水分を吸って水っぽくなってしまいます。特に、冷凍保存の場合は水分が大敵となるため、水洗いせずに冷凍することが大事です。汚れが気になる場合は、軽く濡らしたペーパータオルでやさしく拭き取りましょう。

生のまま冷凍する

加熱してから冷凍すると風味や栄養価が落ちる原因にもなるため、必ず生のままで冷凍することが大切です。

きのこを冷凍保存できる期間は1か月程度で、長期間冷凍保存すると傷んだり霜がついたりします。先に冷凍したきのこから、できるだけ早く使い切るようにしましょう。

短時間で冷凍する

きのこの旨みや栄養成分を逃さないために、なるべく短時間で冷凍しましょう。きのこができるだけ重ならず平らになるよう、保存容器やジッパー付き保存袋に入れ、熱伝導率の高い金属製のトレーに置いてから冷凍するのがおすすめです。急速冷凍機能が付いている冷凍庫であれば、積極的に活用すると良いでしょう。

食べやすく切る

あとの調理にすぐ使えるよう、冷凍前に食べやすく切っておくこともポイントです。きのこの種類や使うメニューに合わせてカットしておくと、料理の時短にもつながりますよ。

冷凍したきのこを解凍すると、水分と一緒に旨みも出てしまうため、凍ったままの状態から加熱調理をしましょう。エリンギ・えのき・ぶなしめじなどは、冷凍すると食感が少し変わるため、心配な方は食感が分かりづらい料理に使いましょう。

【種類別】きのこの冷凍保存方法

きのこの画像

ここからは、きのこの種類別の冷凍保存方法を紹介します。きのこの種類ごとで適した保存方法が異なるため、旨みをキープできる方法をしっかりと覚えておきましょう。

しいたけ

しいたけを冷凍保存するには、石づきと軸を切ってからジッパー付き保存袋に入れましょう。使いたい料理に合わせて、丸ごとのまま冷凍するしいたけと、スライスしてから冷凍するしいたけを分けておくと便利です。

保存袋に入れるときは、しいたけ同士ができるだけ重ならないようにすると、調理の際に取り出しやすくなります。また、軸は切ってそのまま捨ててしまう方もいますが、軸も食べられるので一緒に保存しておくのがおすすめです。

ぶなしめじ

ぶなしめじは、根元を切り落としてから手で小房に分けておくと、調理の際に使いやすくなります。かさ同士の重なりで隙間があくと霜がつきやすいため、ジッパー付き保存袋に入れたら、チャックを閉める前にしっかりと空気を抜いておきましょう。

えのき

えのきは、根元を切り落としてほぐしてから、使いやすいサイズや長さに分けて冷凍するのがおすすめです。ほぐしておくと、調理時に必要な分だけすぐに取り出せます。

保存袋の中で平らになるように並べるのが、おいしさを保ちながら冷凍するポイントです。

エリンギ

エリンギは、石づきを切り落としてから薄切りにしておくと、いろいろな料理に使いやすくなります。他のきのこと同じく、保存袋の中で平らになるように並べましょう。

冷凍後に加熱調理をしても、エリンギ独特のコリコリとした食感は損なわれることなく、おいしく食べることができますよ。

舞茸

舞茸も、使いやすい大きさに小分けしてから保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。舞茸はきのこの中でも傷みやすいといわれているため、買ってきたあとは早めに冷凍保存すると良いでしょう。冷凍庫にストックしておくと、炒め物やスープの材料としてサッと使えるので便利です。

マッシュルーム

マッシュルームも、ほかのきのこ同様、水に濡らさないように気をつけて冷凍保存しましょう。マッシュルームをカットすると切り口が変色しやすくなるため、変色予防のはたらきを持つレモン汁があればかけておくことをおすすめします。

冷凍したきのこを活用できるレシピ

冷凍したきのこを活用すると、料理にしっかりと旨みを効かせることができます。おすすめのレシピを3つ紹介しますので、ぜひ試してみてください。

たっぷり野菜ときのこのラタトゥイユ

たっぷり野菜ときのこのラタトゥイユの画像

ラタトゥイユは、フランス南部・ニースの郷土料理で、夏野菜の煮込み料理です。

材料(2人分)

作り方

  1. トマトを角切りにし、ドレッシングと混ぜ合わせる。
  2. たまねぎ、きのこ、ズッキーニ、かぼちゃを角切りにする。このとき、かぼちゃはレンジでやわらかくなるまで加熱する。
  3. フライパンにオリーブオイルを熱し、2を加えて中火で加熱し、水とおうちパスタを加えて全体を加熱する。
  4. 3をボウルにうつして粗熱をとり、1を加えて混ぜ合わせる。

きのこと鶏肉のアヒージョ

きのこと鶏肉のアヒージョの画像

きのこと鶏肉の組み合わせで、味わい深いアヒージョを作ってみませんか。

材料(2人分)

作り方

  1. ひらたけはほぐし、エリンギは2cm幅の輪切りにする。
  2. スキレットに鶏肉、ドレッシング、オリーブオイル、にんにくを入れて中火で加熱する。
  3. ひと煮立ちしたら1を加え、混ぜながら加熱し、十分に火が通ったら弱火にして2~3分煮込む。
  4. 仕上げにパセリを散らし、軽く焼いたバケットを添える。

豚肉とれんこん、きのこのごま醤油ガーリック

豚肉とれんこん、きのこのごま醤油ガーリックの画像

れんこんのシャキシャキとした食感が、豚肉やきのことマッチするパスタです。

材料(2人分)

作り方

  1. スパゲティを茹でる。
  2. フライパンに油を熱し、豚肉を中火で加熱する。
  3. 2に半月切りにしたれんこん、きのこを加えて塩・こしょうをし、全体を加熱する。
  4. 3に1とおうちパスタを加えて混ぜ合わせる。
  5. 器に盛りつけ、食べやすい大きさに切った水菜をのせる。

まとめ

きのこは、冷凍保存することで長持ちさせられるだけでなく、旨みもアップします。きのこの味や香りをさらに楽しむためには、冷凍保存をして生のときよりも旨みを引き出すのがおすすめです。

冷凍保存をうまく活用し、きのこの味わい方を広げていきましょう。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

この記事をシェア

Xで共有する

LINEで送る

Facebookでシェアする

TOP すべての記事 きのこを冷凍保存するメリットは?冷凍するときのポイントと種類別の方法を解説

PICK UP

ピックアップ