冷凍したお肉の解凍、どうしていますか?電子レンジは手軽で便利ですが、ほかにも方法はいろいろあります。今回は、電子レンジを使ったお肉の解凍方法やポイント、電子レンジ以外の解凍方法をご紹介します。解凍する際の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
お肉をすぐに解凍したいなら電子レンジがおすすめ
お肉をすぐに解凍して料理を始めたいときは、電子レンジを使うのがおすすめです。お肉100gあたり1分~4分ほどで解凍できます。
電子レンジでの解凍にかかる時間は、お肉の形状やお使いの電子レンジの機種によって異なります。一度に長時間加熱するのではなく、少しずつ追加しながら加熱するのがおすすめです。
電子レンジは短時間で解凍でき、調理の時短につながる一方で、急な温度差によって旨み成分や栄養分が含まれるドリップが出やすくなってしまいます。こうしたマイナス点も踏まえ、電子レンジを使うのは、すぐに調理したいときの解凍手段のひとつと考えておくと良いでしょう。
【電子レンジを使った解凍方法】
- 耐熱皿にクッキングペーパーを敷き、その上にラップなどの包みを外した冷凍肉を置く。
- 100~200Wほどの弱モード、もしくは解凍モードに設定し、表裏それぞれ1分ずつ加熱する。
- 2で解凍が足りない場合、様子を見ながら少しずつ追加で加熱する。
クッキングペーパーを敷いて解凍することで、余分なドリップが吸収され、加熱ムラをやわらげることができます。
電子レンジを使ってお肉を解凍するときのコツ
電子レンジでの解凍は急な温度差によってドリップが出やすいですが、ポイントを押さえることでお肉の旨みをできるだけ逃げないように解凍することができます。ここでは、電子レンジを使ってお肉を解凍するときのコツを2つご紹介します。
カチカチの状態でレンジに入れる
お肉を解凍するときには、冷凍庫から出した直後のカチカチの状態でレンジに入れましょう。冷凍庫から出して時間が経過すると、外側から溶け始めてしまいます。電子レンジに入れる時点で溶けた部分と凍った部分があると、解凍ムラが生じ、加熱し過ぎるおそれもあります。
カチカチの状態で電子レンジに入れると、解凍ムラや肉に火が通る失敗なども防げるようになります。
ドリップを取り除く
ドリップはお肉の臭みや解凍ムラの原因になるほか、ドリップが加熱されることで解凍ムラも起こってしまいます。このため、解凍時にドリップが出てきたら必ず取り除きましょう。
ドリップが出たときすぐに吸収できるよう、クッキングペーパーにのせてからレンジにかけるのがおすすめです。クッキングペーパーは、厚みがあり電子レンジで使用できるものを使います。
レンジ以外の解凍方法も知っておこう!
お肉を解凍するには、電子レンジ以外にもさまざまな方法があります。方法ごとの手順とポイントを、解凍時間が短いものから順番に解説しますので、ぜひ試してみてください。
方法1.ぬるま湯で解凍する(3~4分)
電子レンジと同じぐらい早く解凍したい場合は、ぬるま湯を使って解凍できます。お肉の中心部分とお湯が当たる部分で温度差ができ、ドリップが出やすくなるほか、解凍ムラができる場合もあるため、お肉の状態を見ながら解凍するようにしましょう。
【ぬるま湯での解凍方法】
- 凍ったままの状態のお肉をビニール袋などに入れ、空気を抜くようにして袋の口をしっかり縛る。
- 35度~40度程度のぬるま湯をボウルに入れ、1のお肉を入れる。
- ぬるま湯を流しながら上下を数回ひっくり返す。
解凍時間は100gあたり3~4分が目安です。
方法2.金属鍋ではさんで解凍する(4~5分)
薄切り肉やひき肉など、1cm以下の薄さであれば金属鍋で挟んで解凍する方法も有効な手段です。アルミの熱伝導率の高さを利用するため、アルミタイプの鍋や底がアルミ製のフライパンを使います。お湯やお水を流したままにしたくない方におすすめです。
【金属鍋を使った解凍方法】
- 凍った状態のお肉をビニール袋に入れるか、ラップに巻く。
- 鍋やフライパンを2つ用意し、1つは底面が見えるよう逆さまにして置く。上にのせるほうの器具に30度程度のぬるま湯を入れる。
- 2の器具の間にお肉を挟む。
お肉は途中で一度ひっくり返して、5分程度おきましょう。冷凍肉が平らでない場合は、タオルを30度程度のぬるま湯で濡らしてから冷凍肉を包むと、平らになって解凍しやすくなります。
方法3.流水で解凍する(5~7分)
流水を冷凍肉に当てて解凍すると、100gあたり5~7分程度で解凍できます。ただし、ぬるま湯のときほどではないもののドリップが出やすい点と、流水を当て続けるため水を多く使う点に注意が必要です。
【流水での解凍方法】
- 凍ったままの状態のお肉をビニール袋などに入れ、空気を抜くようにして袋の口をしっかりと縛る。
- 深めのボウルに1を沈め、常に水が溢れる程度に流水を当てる。
お肉が浮いてきてしまう場合、水を入れたペットボトルを重しにしてお肉の上に置きましょう。寒い時期は水温も下がりますので、解凍時間が長くかかります。
方法4.氷水で解凍する(1~3時間)
氷水を使って解凍すると、お肉の表面温度が上がらないため品質が下がりにくく、ドリップの発生も最小限に抑えられます。解凍時間は、1時間から3時間ほどが目安です。
【氷水での解凍方法】
- 凍ったままの状態のお肉をビニール袋などに入れ、空気を抜くようにして袋の口をしっかりと縛る。
- 深めのボウルに氷水を入れ、1を沈める。
氷が溶けきってしまわないよう様子を見ながら解凍し、氷水の温度を一定に保つためにも氷が溶けてきたら適宜補充しましょう。
方法5.冷蔵庫に入れて解凍する(12時間)
冷蔵庫を使うと、低温でゆっくり解凍することで、お肉全体の温度差が少ないまま解凍できるうえドリップも出にくく、おいしさを保てます。時間に余裕があるときは、冷蔵庫での解凍がおすすめです。
【冷蔵庫での解凍方法】
- 凍ったお肉をフリーザーバッグなどに入れ、冷蔵庫に移す。
- 冷蔵庫で半日以上置く。
お肉を使いたい前日の夜に冷蔵庫へ移しておくと、翌日手早く調理にとりかかれて便利ですよ。冷蔵庫にチルド室があれば、そこに入れても問題ありません。
フリーザーバッグにお肉を入れるときは、バッグを二重にしておくとドリップ漏れを防げます。
まとめ
冷凍したお肉は、時間をかけてゆっくりと解凍することでおいしさをキープできます。電子レンジを使った解凍は時間短縮につながるものの、急な温度差でお肉の質が落ちてしまいやすくなります。
最もおすすめしたいお肉の解凍方法は、冷蔵庫に入れておく方法です。ですが、慌ただしい毎日で電子レンジを使って解凍したい場合もあるでしょう。そんなときは、今回紹介した内容を参考に、ポイントをおさえながら上手に解凍してみてくださいね。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴30年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。