Interview AGNESI
Francesco De Carolis
(フランチェスコ デ カロリス)
1964年6月26日生まれ。
1994年に来日、1995年より世界的に有名な食品関係の企業の日本支社に入社。AGNESIブランドの日本市場を担当する。
その後20年以上AGNESIと共に歩み続け、現在はColussi社(AGNESIブランドの製造者・本社:ミラノ)におけるアジア市場の役員に就任。
日本をはじめ、アジア各国・イタリアを飛び回っている。
- 最高品質のパスタに出会うまで
- 私たち「AGNESI(アネージ)」は1824年、北イタリアのリグーリア州インぺリアに「最高のパスタは、最高の小麦から」という信念の基に生まれたパスタメーカーです。創業者のパオロ・アネージが最高の小麦を求めて世界中を航海したことから、真っ白な帆を広げた帆船がAGNESIのブランドマークになりました。世界中を旅して私たちが出会ったのは、温暖なイタリアの気候が育てた「デュラム小麦」でした。デュラム小麦はイタリア語で、grano(小麦)duro(硬い)。粒は淡い琥珀色で、芯の部分が一般的な小麦よりも硬いんです。そしてたんぱく質を多く含むから、生地の形が崩れにくくコシがある。まさにパスタ作りのために生まれてきたような小麦なんじゃないかなと思います。デュラム小麦と一口にいっても、育った土の特徴や気候によってそれぞれ個性があります。私たちが求めていたのは「風味」「コシ」「弾力」「色」それぞれが最高品質のパスタ。1種類の小麦だけでは引き出せなくても、いくつかの種類をブレンドすることで新しい個性が生まれます。そこで、イタリアの各地から14品種のデュラム小麦を集め、それぞれが持つ特徴や成分を数値化し、「ああじゃない、こうじゃない…」と何度もブレンドのテストを繰り返しました。そうしてようやく、納得のいくパスタの開発に辿り着くことができました。
- 小麦の豊かな香りと弾むような食感
- 最高のパスタを作るには、その製法がとても重要です。まず、厳選したデュラム小麦をセモリナ粉(粗挽きにした粉)にします。実はイタリアには、パスタの品質を守るため「パスタの原料はデュラムセモリナ粉と水のみで作ること」という厳しい法律があるんですよ。面白いでしょ?(笑)ブレンドしたセモリナ粉を丁寧に練ったら、表面がなめらかになるよう、テフロンダイスという型で絞り出します。そして70度の中温でじっくり乾燥させれば、弾むようなアルデンテの状態が長続きする香り高いパスタの出来上がり。完成したパスタの黄金色は、保存料も着色料も使っていない、デュラム小麦本来の美しい色合いそのものなんですよ。
- 200年もの間プロに愛され続ける理由
- プロの料理人が使うパスタは、キッチンからお客様の席まで、出来立てのおいしさが長続きすることが何よりも大事ですよね。でも効率も捨てられない。だから、一度に大量に茹でても仕上がりが均一で、長時間アルデンテの状態が続くパスタが求められます。この条件をクリアするには、小麦粉の絶妙なブレンドと高い技術力が必要不可欠。私たちが作るパスタは、弾むようなアルデンテの状態が長く続くこと、そして、つややかでなめらかなパスタの表面にソースがよく絡むことが特徴です。このクオリティと技術力が評価され、今でも多くのリストランテから愛され続けています。
- 1824年、創業当時のパスタの味
- イタリアにおけるパスタの歴史はとても古くて、なんと2000年以上も前から、貴族だけでなく一般庶民にまで広く愛されてきました。昔は茹でたパスタにチーズをかけるだけか、野菜や豆と一緒に煮るといった、いたってシンプルなものだったそうです。パスタ料理が充実したのは大航海時代から。他の大陸からトマトやじゃがいもといった新しい食材が持ち込まれ、1800年頃、今ではパスタと切っても切り離せない基本の味となった「トマトソース」が誕生します。そのおいしさからパスタソース作りに火が付き、みるみるうちに発展していったそうです。当時初めてトマトソースのパスタを食したイタリア国民の感動は、想像も及ばないほど至極のものだったんじゃないかな。イタリア国民はもう何年も、パスタのおいしさに夢中なんですよ。
Interview PIETRO
小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。
シェフ歴30年を迎えるピエトロの名物シェフ。
ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。
日々キッチンに立ちパスタ料理を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発、愛されキャラが光る料理教室の開催など、20年にわたり多くの事業に携わっている。
- ピエトロが最高品質のパスタにこだわる理由
- ピエトロのはじまりは1980年に福岡の天神の街にオープンしたスパゲティ専門店。当時のスパゲティといえば、ミートソースかナポリタンが主流だったんです。そんな中、しょうゆソースやたらこ、高菜や納豆といった、和の食材を取り入れた多彩なメニューが評判になりました。それは「炊きたてのごはんにあうものは、茹でたてのスパゲティにも合う」というピエトロならではのアイデアがあったからこそ。ピエトロの多彩なソースを存分に味わってもらうためには、パスタの最高の茹であがりである“アルデンテ”の食感が欠かせません。ピエトロは創業当時から、パスタのおいしさの決め手“アルデンテ”にこだわり、最高品質のパスタを探し求めていました。
- ピエトロとAGNESIの出会い
- ピエトロがAGNESIに出会ったのは1997年。料理人であった創業者の村田 邦彦が「もっとおいしいパスタを提供したい」と、数えきれないほどあるイタリアのパスタの中から巡り合ったのがAGNESIブランドのパスタでした。弾むようなアルデンテの食感とのどごしに感動した村田は、自らイタリアの工場に出向き、さらに日本人の好みに合うツルツルとした歯ざわりと食感に仕上がるよう、イタリア人のパスタ職人と何度も試作を重ねたと聞いています。村田のパスタにかける強いこだわりと想いが当時のAGNESI担当者に認められてから20年以上、ピエトロレストランではお客様にAGNESIのパスタを提供し続けています。
- AGNESIのパスタを提供し続ける理由
- 全国にレストランを展開しているピエトロが使うパスタの量は、なんと年間約200t!こうして見ると、改めて「愛されているな~」と嬉しくなりますね。ツルツルと心地よく、弾むような食感のAGNESIのパスタは、トマトソースやクリームソースはもちろん、ピエトロの得意なしょうゆソースやたらこソースにもぴったり。正直、これまでも多くのパスタを食べてきたので、「パスタ麺ひとつで、そうも変わるのか…?」と思っていたのですが(笑)、AGNESIのパスタで食べてみたら、これまでとは別の料理みたいにおいしかった。日本人の好みにもよく合うのどごしと食感に、すごく感動したのを覚えています。