ゆずは、さわやかな香りと風味が魅力の果物です。せっかくなら、できるだけ香りや風味を保ちながら、長く楽しみたいですよね。すぐに使うなら冷蔵、長く保存したいなら冷凍、気温が低い時期なら常温など、保存する期間や時期にあわせて方法を選ぶことが大切です。ただし、保存状態が悪いと乾燥やカビ、風味の低下につながることもあるので、注意が必要です。
今回は、ゆずの冷蔵・冷凍・常温での保存方法や保存期間、使いきるための活用術について解説します。
ゆずの冷蔵保存の方法|保存期間:最大10日程度

ここでは、ゆずを冷蔵保存する際の手順とポイントについて解説します。
手順
気温の高い季節は、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。丸ごとの場合と、カットした場合に分けて紹介します。
丸ごとの場合
- ゆずの水気をキッチンペーパーで拭き取る
…ゆずの表面に水分が残っていると傷みやすくなるため、濡れた状態のまま保存しないことが大切です。 - ゆずを1個ずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、保存袋に入れる
…通気性を保つために保存袋の口は完全に密閉せず、軽く閉じましょう。 - 冷蔵庫の野菜室で保存する
カットした場合
- ゆずの切り口をぴったりとラップで包む
…カットしたゆずの切り口を乾燥やカビから守るため、断面が空気に触れにくい状態にすることが大切です。 - ラップで包んだゆずを保存袋に入れる
- 冷蔵庫の野菜室で保存する
保存期間は、丸ごとのゆずであれば7〜10日程度、カットしたゆずであれば3〜4日程度を目安に、なるべく早めに使いきるようにしましょう。
ポイント
ゆずは乾燥すると傷みやすく、香りが飛びやすい食材です。キッチンペーパーや新聞紙、ラップで包んでから保存袋に入れ、乾燥を防ぐことが大切です。さらに、野菜室内で冷気が直接あたらないようにすることも、鮮度を保つことにつながります。
すぐに使いきれない場合は、次に紹介する「冷凍保存」へ切り替えることで、香りを保ちやすくなります。定期的に状態を確認し、異臭や変色、カビなどが見られた場合は食べずに処分しましょう。
ゆずの冷凍保存の方法|保存期間:約1か月
ここでは冷凍保存の手順とポイントについて解説します。
手順
ゆずをより長く保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。4つの方法を紹介します。
丸ごとの場合
- ゆずをよく洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取る
…ゆずの表面に水気が残ると霜がつきやすく、風味が落ちる原因になるため、濡れた状態では保存しないことが大切です。 - 1個ずつラップでぴったりと包む
- ラップで包んだゆずを冷凍用保存袋にまとめて入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れる
カットした場合
- ゆずを輪切りや、くし形切りにする
- 種を取り、カットしたゆずが重ならないようラップで包む
- 冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れる
皮のみの場合
- 皮を幅約2cmの大きめにむく
…ゆずの香りは黄色い皮部分に多く含まれ、白い部分は苦味のもとになるため薄くむくのがポイント。 - 皮が重ならないように並べ、ラップでぴったりと包む
- ラップで包んだゆずの皮を冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れる
果汁のみの場合
- ゆずの皮をむき、搾り器などで搾る
- 絞った果汁をアルミカップや製氷皿に入れ、冷凍庫で凍らせる
- 果汁が凍ったら、冷凍用保存袋に移して、空気を抜いて再度冷凍庫に入れる
冷凍保存した場合の保存期間は、約1か月です。
ポイント
保存後は、冷凍方法に合わせた使い方を楽しみましょう。
例えば、丸ごと冷凍したゆずは、凍ったままおろし金で皮をすりおろし、パウダー状にして料理に使えます。常温に約15分置けば皮をそぎ切りに、さらに約45分置けば果汁を搾ることも可能です。冷凍したゆずの皮は、凍ったまま細切りにして料理の香りづけやトッピングに活用できます。冷凍したゆずの果汁は、常温に約10分置けば自然解凍されるので、ポン酢にしたりはちみつと合わせてホットドリンクにしたりと幅広く使えます。
なお、冷凍保存は大量保存に便利な一方で、一度解凍したゆずを再冷凍することはできません。
ゆずの常温保存の方法|保存期間:約1週間

ここでは、常温保存の手順とポイントについて解説します。
手順
常温保存は、ゆずの旬である11〜12月ごろの涼しい時期に適した方法です。
なお、カットしたゆずは傷みやすく常温保存には向かないため、冷蔵または冷凍保存に切り替えましょう。
常温保存の方法
- ゆずを1個ずつ新聞紙・キッチンペーパー・ラップなどで優しく包む
- 風通しが良く、直射日光の当たらない冷暗所で保管する
保存期間の目安は約1週間ですが、なるべく早めに使いきりましょう。
ポイント
常温保存で鮮度と香りを保つには、乾燥・直射日光・高温多湿を避けることが大切です。すぐに傷んだり香りが飛んだりしてしまうため、通気性の良いカゴなどに入れ、冷暗所で保管しましょう。
また、新聞紙やキッチンペーパー、ラップなどで包み、乾燥と余分な湿気への対策を必ず行ってください。
ゆずを使いきりたいときの活用法

保存しきれないゆずや、保存期限が近づいたゆずを無駄なく使いきるアイデアを紹介します。
調味料・薬味として使う
ゆずは薬味や調味料として活用することで、無駄なく使いきれます。
●薬味
ゆずの皮を刻んだり、皮をすりおろしたりして、薬味として活用する方法です。お吸いものや焼き魚、冷奴などに添えれば、料理の風味が一気に引き立ち、彩りも加わります。
●ゆずポン酢
市販のポン酢にゆず果汁を搾り、仕上げにすりおろした皮を加えれば、さわやかで香り豊かなゆずポン酢が手軽に作れます。お鍋や湯豆腐、炒めものにもぴったりです。
●ゆず味噌
市販の味噌、みりん、砂糖を鍋に入れて弱火で加熱し、照りが出たら火を止めてゆずの果汁とすりおろした皮を混ぜ合わせれば、ふろふき大根や焼きおにぎり、肉や魚の味噌焼きに合うゆず味噌が完成します。
はちみつ漬け・ジャムにする
ゆずをじっくりと味わいたいときは、はちみつ漬けやジャムにするのがおすすめです。
●ゆずのはちみつ漬け
はちみつ漬けは、輪切りにしたゆずをはちみつに漬け込むだけで作れます。ゆず茶や紅茶、お菓子作りにも活用できますよ。
●ゆずのジャム
ゆずのジャムは果汁と皮を一緒に砂糖で煮詰めて作り、パンに塗ったりヨーグルトに入れたりして楽しめます。皮を下茹でしてから加えることで、より風味の強いジャムに仕上がります。
飲み物にする
ゆずのはちみつ漬けやゆずのジャムをお湯で溶いたり、炭酸水で割ったりすれば、手軽なドリンクとして楽しめます。はちみつ漬けにしたゆずはお湯で割ってホットドリンクにすると身体が温まるため、風邪気味のときや喉が痛いときにもおすすめです。
ゆず湯として活用する
冬至にゆず湯に入ると風邪をひかずに冬を越せると言われており、日本では古くから親しまれてきた風習です。丸ごとそのまま浴槽に浮かべるだけで、手軽にゆずの香りを楽しめます。
なお、ゆず湯に使った後のゆずは食用にはできませんが、実は掃除に活用できます。切り口や皮でくるくるとこするだけで、鏡の水垢やコンロのお手入れに役立ちますよ。
まとめ
ゆずは冷蔵・冷凍・常温のいずれの方法でも保存でき、保存期間や適したシーンがそれぞれ異なります。すぐに使う場合は冷蔵、長期保存したい場合は冷凍、旬の涼しい時期には常温と、状況に応じて使い分けることが、香りとみずみずしさを保つポイントです。
保存しきれないゆずは、調味料やはちみつ漬け、ゆず湯などに活用すれば無駄なく楽しめます。ぜひ正しい保存方法を実践して、ゆずのおいしさと香りを長く楽しみましょう。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴35年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。




