せいろの使い方完全ガイド|初めての準備・基本の蒸し方・お手入れまで

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せいろを使った蒸し料理は、食材の栄養素をしっかり守りながらヘルシーに仕上げられる、昔ながらの調理法です。近年、その使いやすさやおいしさが注目を集め、家庭でも取り入れる方が増えています。「せいろを購入したけれど使い方が分からない」「お手入れの方法が不安」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、せいろの基本的な使い方から適切なお手入れ方法、カビへの対処法まで詳しく解説します。

せいろを使うメリット

せいろの画像

せいろ蒸しには、栄養面・健康面・風味の面など、さまざまなメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

栄養素を逃しにくく効率的に摂取できる

せいろ蒸しは蒸気で食材を加熱するため、食材が直接水に触れることがなく、水溶性の栄養素が失われにくいのが特徴です。ビタミンCやビタミンB群などの水溶性ビタミンは、茹でる調理法では水に溶け出してしまいますが、せいろ蒸しならその損失を最小限に抑えられます。

他にも、かぼちゃに含まれるβ-カロテン(体内でビタミンAに変わる栄養素)は、茹でると残存率が51%まで下がるのに対し、蒸すと80%を保てるというデータもあります。栄養をしっかり摂りたいときこそ、せいろ蒸しがおすすめです。

出典:農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)「別表1 食品中のビタミンAの調理による残存率

油を使わずヘルシーに仕上がる

せいろ蒸しは、炒めものや揚げものとは異なり、油を一切使わずに調理できます。大さじ1杯の油を減らすだけで100kcal以上のカロリーカットが可能です。

また、肉や魚など脂分が多い食材も、蒸すことで余分な脂が自然に落ちるため、よりヘルシーな仕上がりになります。カロリーや脂質が気になる方にとって、せいろ蒸しは取り入れやすい調理法の一つです。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

木製ならではの蒸し上がりが楽しめる

せいろは竹・杉・ひのきなどの自然素材で作られているため、調理中に木の香りが食材にほんのりと移り、蒸し料理ならではの優しい風味を楽しめます。

また、木や竹は水分を吸収する働きがあります。そのため、調理中の水滴が食材に落ちにくく、ふっくら・ほくほくとした食感に仕上がるのも魅力です。

【蒸し料理の基本】せいろの使い方

せいろ蒸しの画像

せいろを上手に使いこなすには、正しい手順と使い方のポイントを知ることが大切です。ここでは、新品のせいろの前準備から基本の使い方、食材別の蒸し時間の目安まで解説します。

まずは空蒸し!(前準備)

新品のせいろを購入したら、最初に「空蒸し」を行いましょう。乾燥した状態のままいきなり食材を蒸すと、急激な湿気でせいろが傷むことがあります。長く愛用するためにも、空蒸しは欠かせない重要な工程です。

空蒸しの手順は次の通りです。

  1. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら中火にします。
  2. 全体に水をさっとかけて濡らした空のせいろを、中火で15分ほど蒸します。
  3. 終わったら、固く絞った布巾で水気を拭き取ります。

使う前に空蒸しを行うことで、ほこりや汚れ、木のアクが除去され、新品独特の匂いも気にならなくなります。

基本の使い方

空蒸しが済んだら、いよいよ調理開始です。基本の使い方は次の通りです。

  1. せいろとふたの全体をしっかりと水で濡らし、水気をさっと切ります。鍋の熱による焦げつきを防ぐための大切なひと手間です。
  2. 鍋の約8分目まで(せいろの底が浸からない程度)水を入れて火にかけ、しっかりと沸騰させてからせいろをのせます。沸騰前にのせると、食材の加熱不足や火の通りにムラが出る原因になります。
  3. 蒸気が回るよう隙間を空けて食材を配置します。

なお、食材を2段以上重ねる場合は、火の通りにくいものや油・アクが多いものを下段に、火の通りやすいものを上段に配置するのがコツです。おこわや赤飯などせいろにくっつきやすいものを蒸す際は底に蒸し布を敷き、油分が多いものはオーブンシートや葉物野菜を底に敷くと、汚れが付きにくくなります。

オーブンシートを使う場合は、蒸気が十分回るよう穴を開けてから使いましょう。

食材別の蒸し時間の目安

せいろ蒸しの蒸し時間は食材によって異なります。葉物野菜は約5分、根菜や芋類は約10分が目安です。野菜そのものの甘みや旨みが凝縮され、よりおいしく仕上がります。

肉や魚類は約10分が目安です。蒸気でふっくらやわらかく仕上がり、型崩れしやすい魚の切り身もきれいな状態に保てます。

火加減は強めの中火を基本とし、ふたの隙間から一定量の蒸気が出続ける状態をキープするのがポイントです。食材に竹串がすっと通れば仕上がりのサインです。なお、蒸している間にお湯が減ると空焚きになり、鍋やせいろを傷める原因になります。途中でお湯が減ったらすぐに補充しましょう。

せいろの適切なお手入れ方法

せいろを長く使い続けるには、正しいお手入れが欠かせません。洗い方・乾燥・保管まで、木製ならではの性質を理解して丁寧に扱いましょう。

使用後の洗い方

せいろの洗い方の基本は、濡らした布巾を固く絞って付着した汚れを拭き取るだけです。せいろは調理中に高温の蒸気に包まれるため、ある程度の殺菌効果が期待できます。

油などの汚れが気になる場合はぬるま湯で洗い、それでも落ちない場合は塩を少量振りかけて、布巾でこすり落とすのがおすすめです。洗剤は木材に成分が浸透するため、できるだけ使わないようにしましょう。また、つけ置きや濡れたまま放置すると歪みやカビの原因になります。食器用洗浄機や乾燥機の使用も、熱や乾燥でせいろが傷む原因になるため、使用は控えましょう。

乾燥・保管の方法

使用後は水分をよく拭き取り、吊るすか水切りトレーに立てかけて風通しの良い日陰でしっかりと乾燥させましょう。途中でせいろの上下(向き)を変えると、水が溜まるのを防いで均一に乾かすことができます。

濡れた状態で保管するとカビが発生するため、完全に乾かすことが最も重要なポイントです。保管する際は通気性の良い布や袋(綿・麻素材など)に入れ、湿気が溜まりにくい棚の上部に置く事が大切です。通気性の悪い箱やポリ袋での保管は避けましょう。

せいろにカビが生えたときの対処法

せいろをたわしで洗っている画像

せいろのお手入れが不十分だと、カビが生えることがあります。白っぽいふわふわした汚れや、酸っぱい臭いがする場合はカビの可能性が高いため、適切な手順で落としましょう。

せいろのカビを落とす手順は次の通りです。

  1. 水洗いをした後、ブラシで細かい部分をこすります。
  2. 80℃以上のお湯をカビ部分に10秒以上かけ流して熱湯消毒を行い、表面のカビ菌を弱らせます。
  3. 仕上げに消毒用エタノールを吹きかけます。除菌効果が高まり、カビの再発予防になります。

また、カビの発生を防ぐには、使用後すぐに清潔にして十分に乾燥させることが大切です。風通しの良い場所に保管する習慣を身に付けましょう。

まとめ

せいろは栄養素を逃さずヘルシーに調理でき、木製ならではの風味や食感も楽しめる、魅力がつまった調理器具です。使い始める前の空蒸しと基本の使い方を押さえることで、さまざまな食材をおいしく蒸し上げられます。使用後は洗剤を使わず布巾で拭き取り、しっかり乾燥・適切な保管をすることで長く使い続けられます。ぜひこの記事を参考に、せいろ蒸しを食卓に取り入れてみてください。

監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)

1971年3月29日生まれ。 シェフ歴35年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。

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