秋になるとスーパーや米屋の店頭に「新米」のポップが並び、毎年楽しみにしている方も多いことでしょう。でも「新米と古米って、具体的に何が違うの?」「余った古米はどうすればおいしく食べられるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
今回は、新米と古米の定義から味・食感の違い、見分け方、そして古米をおいしく炊くコツまで詳しく解説します。
そもそも「新米」「古米」とは?

まずは新米と古米、それぞれの定義を確認しておきましょう。
新米とは
新米とは、その年に収穫されたお米のうち、年をまたぐ前までに包装された玄米や精米のことを指します。食品表示法では、収穫年の12月31日までに精米・包装されたものを「新米」と表示することが認められています。
古米とは
古米とは、前年以前に収穫された米のことです。さらに2年前のものは「古古米」、3年前のものは「古古古米」と、1年経過するごとに「古」の文字が増えていきます。
新米と古米の違い

新米と古米の違いは、見た目だけでなく香り・食感・合う料理にも表れます。それぞれの特徴を理解しておくと、より上手にお米を使いこなせるようになります。
香り・風味の違い
収穫直後の新米は高い水分量と新鮮な脂質(油分)が保たれているため、甘くフレッシュな香りが広がります。これが新米の大きな魅力のひとつです。
一方、古米は時間が経つにつれて脂質が酸化し、香りが落ちたり独特のにおい(米ぬかのような香り)が出ることがあります。この違いは炊飯中から感じられるため、鍋を開けたときの香りで判断できることもあります。
食感の違い
新米はもちもちとした粘りと弾力、ツヤがあり、冷めてもやわらかさが持続しやすいのが特徴です。お弁当やおにぎりにしても、食べごたえのある食感が続きます。
古米は水分が少ないためパラパラとした食感になりやすく、炊きたてでも硬めに感じることがあります。新米の粘りはでんぷんの質が保たれているためで、古米はでんぷんの老化が進みやすいことが食感の差につながっています。
合う料理の違い
新米はシンプルな料理(白ご飯・炊き込みご飯・おにぎりなど)で素材の風味を活かすのに向いています。お米そのものの味わいをダイレクトに楽しみたいときにおすすめです。
古米はチャーハン・カレーライス・酢飯・丼物など、油や調味料を使った料理でパラパラ食感が活きます。水分が少ない分、炒めもの系・混ぜもの系の料理との相性がよく、「古米はチャーハンに向く」と言われるのもそのためです。
新米と古米の見分け方
お米を買うとき、新米か古米かを見分けるにはいくつかの方法があります。正しく見極めて、自分の料理や好みに合ったお米を選びましょう。
袋の表示(産年)で確認する
最も確実な方法は、米袋に記載された産年(収穫年)と精米年月日を確認することです。産年がその年のものであれば、新米の目安になります。
また、購入時に袋のラベルを見て、「新米」と記載があることを確認しましょう。ただし、ブレンド米などの一部は産年の表示義務がないため、記載がない場合もあります。
色・見た目(白さ・黄ばみ)で見分ける
新米は白く透き通った光沢があり、炊くとさらに美しい白さが際立ちます。見るからにみずみずしい印象を与えます。
古米は水分の蒸発や脂質の酸化により、やや黄色みを帯びてくることがあります。白米を手のひらに広げて光に当てると、色の差を確認しやすくなります。ただし、保存状態が良い古米は色の変化が少ないこともあるため、他の方法と合わせて確認するとより確実です。
米粒の水分・割れ方で確認する
新米は水分量が多いため、指で割ろうとすると崩れる傾向があります。手触りもしっとりしていて、手に付きやすいのが特徴です。
古米は乾燥しているためきれいに割れることが多く、手触りはサラサラしています。酸化が進んだものでは粉が手につくこともあります。保存環境によっても変わるため、袋の表示や見た目と合わせて総合的に判断すると良いでしょう。
古米をおいしく炊く方法

古米は新米と比べてパサつきやにおいが気になることがありますが、炊き方を少し工夫するだけでぐっとおいしくなります。ポイントを押さえて、古米をおいしく食べてみましょう。
水加減を多めにして長め浸水させる
古米は水分が少ないため、炊く際の水加減は通常より大さじ1〜2多めにするのがポイントです。これだけでふっくらとした炊き上がりに近づきます。
浸水時間は最低1時間、余裕があれば2〜3時間(夏場は冷蔵庫で)にすると、米粒が均一に吸水しふっくら炊けます。炊飯前に氷を2〜3個入れ、沸騰までの時間を長くして炊くと、甘みが増す効果も期待できます。
みりん・昆布・清酒を加えてツヤと旨みを出す
古いお米特有のパサつきやにおいが気になるときは、炊くときに調味料を加えるのもおすすめです。
本みりんを1合あたり小さじ1程度加えると、炊き上がりに甘みとツヤが加わりふっくら感が出ます。
また、乾燥昆布を1片(5〜6cm角)入れると旨みがプラスされ、炊き上がりの香りや味わいがぐっと良くなります。5合など多めに炊く場合は、2片に増やして調整しましょう。そのほか、清酒を1合あたり小さじ1加えると、古米特有のにおいが和らぎ全体的な風味が豊かになります。
本みりんや清酒のアルコール臭が気になる場合は、炊飯後10〜15分しっかり蒸らすと余分な香りが飛んで和らぎます。感じ方には個人差があるため、お好みに合わせて調整してみてください。
炊き上がったらすぐほぐして風味をキープする
炊き上がったら、すぐにしゃもじでほぐすことが大切です。余分な蒸気が逃げ、米がベタつきにくくなります。
炊飯後の蒸らしは10〜15分を目安にすると、水分が均一に行き渡りふっくら感と甘みが引き出されます。余った古米は炊いてすぐにラップで包み、粗熱を取ってから冷凍保存することで、においの悪化や乾燥を防ぐことができます。
炊飯したご飯のおいしい冷凍・解凍方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
新米と古米はそれぞれ特徴が異なり、料理に合わせて使い分けることがおいしく食べるための近道です。古米も炊き方を少し工夫するだけでおいしくなるので、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴35年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。




