旬のぶどうをたっぷり買ったものの、どう保存すれば良いか悩んだ経験はありませんか。同じぶどうでも大粒と小粒では保存方法が異なり、冷蔵か冷凍かによっても適切な扱い方にコツがあります。正しい保存方法を知っておくだけで、ぶどうの鮮度をぐっと長持ちさせることができますよ。
今回は、品種別のぶどうの保存方法と保存期間について詳しく解説します。
ぶどうは水洗いせずに冷蔵が基本!

ぶどうを正しく保存する上でまず知っておきたいのが「水洗いをしない」ことです。ここでは、ぶどうの保存に欠かせない基礎知識を解説します。
ブルーム(白い粉)の役割
ぶどうの表面についている白い粉のようなものは「ブルーム(果粉)」と呼ばれます。これは汚れではなくぶどう自身が分泌する天然の蝋(ろう)成分で、病気の侵入や水分の蒸発を防ぐ保護膜としての役割があります。
ブルームがついているほど新鮮な証拠で、鮮度の目安としても役立ちます。ぶどうを水で洗うとこの保護膜が失われて傷みやすくなるため、保存前は洗わず、食べる直前に水洗いすることが大切です。
大粒ぶどう(巨峰・ピオーネなど)の冷蔵保存の方法
保存期間別に、大粒ぶどうの保存方法を2つ紹介します。ひと手間かけるだけで鮮度を長くキープでき、保存期間に大きく差が出るため、ぜひ実践してみてください。
房からひと粒ずつ切り離して保存する方法(保存期間:約1週間)
大粒ぶどうを房のままにしておくと、中心の太い枝から水分が蒸発してしまい、実がしわしわにしなびやすくなります。房からひと粒ずつ切り離すことで乾燥を防ぎ、鮮度を長持ちさせることができます。
<大粒ぶどうをひと粒ずつ冷蔵する手順>
- キッチンばさみで房から実を切り離す(枝を2〜3mm残してカット)
- キッチンペーパーを底に敷いた密閉容器に実を隙間なく並べる
- 上にもキッチンペーパーをかぶせてから蓋をする
- 冷蔵庫の野菜室に入れる
房ごと保存する方法(保存期間:2〜3日)
すぐに食べる予定があるときは、房ごとの保存でも問題ありません。洗わずに房のままキッチンペーパーで包み、ポリ袋か密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室へ入れましょう。
庫内で他の野菜と触れてつぶれないよう、スペースに余裕を持って置くのがポイントです。
房ごと保存する場合は保存期間が2〜3日と短めのため、なるべく早めに食べきるようにしましょう。長持ちさせたい場合は、ひと粒ずつ切り離す方法がおすすめです。
大粒ぶどうの冷凍保存の方法

食べきれない大粒ぶどうは冷凍保存が便利です。下処理をしっかり行えば約1か月間保存でき、半解凍すると皮もつるっとむけてシャーベットのようなデザート感覚で楽しめます。
ここでは、冷凍の手順と解凍のコツを詳しく紹介します。
冷凍保存の手順
大粒ぶどうを冷凍するときは、水気をしっかり取り除くことがポイントです。水気が残ったまま冷凍すると霜がついて風味が落ちるため、丁寧に拭き取りましょう。
<大粒ぶどうを冷凍する手順>
- ひと粒ずつキッチンばさみで切り離す(枝を2〜3mm残す)
- 流水で優しく洗い、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
- 冷凍用保存袋に重ならないよう並べ、空気を抜いて密封する
- 平らにして冷凍庫に入れる
解凍方法
冷凍保存したあとは、半解凍して食べるのがおすすめです。常温に10分ほど置けばシャーベット状になり、外はぷるんとやわらかく、中はシャリッとした食感が楽しめます。
また、凍ったぶどうに流水を当てながら実の先端部分に爪で切れ目を入れると、皮がつるっときれいにむけます。完全解凍してしまうとぶどうの水分が流れ出て食感が損なわれるため、食べる直前に少しずつ出して半解凍状態で食べるのがポイントです。
小粒ぶどう(デラウェアなど)の冷蔵保存の方法
デラウェアなどの小粒ぶどうは、房から外さずに保存します。ここでは、保存手順と長持ちのコツをあわせて解説します。
小粒ぶどうの冷蔵保存手順(保存期間:約1週間)
小粒ぶどうは大粒と異なり、房ごとまとめて保存するのが特徴です。実が密集していて皮が薄いものが多く、無理に房から外すとキズがついて傷みやすくなるため、小粒ぶどうは房のまま保存しましょう。
<小粒ぶどうを冷蔵する手順>
- 傷んだ粒や黒ずんだものがあれば取り除く
- 洗わずに房ごとキッチンペーパーで包む
- 密閉容器またはポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存する
- 衝撃で粒がつぶれないよう、重ねずに保管する
小粒ぶどうを長持ちさせるコツ
小粒ぶどうをより長持ちさせるには、購入後、なるべく早く保存することが大切です。
温度が安定している野菜室での保管をおすすめします。
また、十分な高さのある密閉容器を使うと実が押しつぶされるのを防げ、乾燥からも守ることができます。
小粒ぶどうの冷凍保存の方法
小粒ぶどうも冷凍保存が可能です。冷凍すると約1か月は日持ちするので、たくさん購入したときにも活躍する便利な保存方法です。
ここでは冷凍手順と解凍方法を紹介します。
冷凍保存の手順
小粒ぶどうを冷凍する際は、実に直接水を当てないよう注意しながら洗うのがポイントです。
<小粒ぶどうを冷凍する手順>
- 中心の軸に流水を当て、全体を濡らすようにして洗う(実が房から外れないよう、実に直接水を当てない)
- キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
- ひと房ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れる
- 空気を抜いて密封し冷凍庫に入れる
解凍方法
小粒ぶどうは凍ったまま皮ごと食べるのがおすすめです。アイスのようなデザート感覚で楽しめるのが冷凍の魅力です。
皮をむきたい場合は、粒を5秒ほど指でつまむと体温で表面が溶け、皮がつるりときれいにむけます。半解凍の状態も食べごろで、外はやわらかく、中はシャリッとした食感が楽しめます。
【注意!】マスカットは冷凍保存をおすすめしない

マスカットは大粒ぶどうのひとつですが、他の品種とは異なり、冷凍保存はおすすめできません。ここではその理由を詳しく解説します。
理由1|マスカット特有のハリが失われてしまう
マスカットは冷凍・解凍の過程で水分が多く流れ出てしまい、特有のパリッとした皮のハリやみずみずしい弾力が損なわれてしまいます。
解凍後はくたっとした食感になり、もともとの魅力が大きく失われます。マスカットならではの食感を楽しむためには、冷蔵保存で早めに食べきることをおすすめします。
理由2|マスカットの華やかな香りが弱くなってしまう
マスカットの魅力のひとつである華やかで芳醇な香りは、冷凍・解凍の間に飛んでぼやけてしまいます。水分と一緒に香りも逃げてしまうのに加え、デリケートな香り成分が冷凍によって変質するためです。
マスカットの香りや食感を最大限に楽しむためには、新鮮なうちに冷蔵保存で食べきることが大切です。マスカットの中でも特に人気の高いシャインマスカットの保存方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
「シャインマスカットは冷凍できる?おすすめしない理由と冷蔵保存のコツを解説」
まとめ
ぶどうの保存方法は大粒か小粒かによって異なりますが、共通の基本は「水洗いしないこと」です。さらに長く保存したいときは冷凍が便利なものの、マスカットは冷凍に不向きなため、冷蔵で早めに食べきるのがポイントです。ぜひ今日からぶどうの正しい保存方法を実践して、最後まで新鮮においしく楽しみましょう。
監修者プロフィール

小森 幸夫(こもり ゆきお)
1971年3月29日生まれ。 シェフ歴35年以上にのぼるピエトロの名物シェフ。野菜ソムリエの資格も持つ。 ホテル・レストランシェフとして10年経験を積んだ後、縁あってピエトロへ入社。 日々厨房に立ち、商品のアレンジメニューやおいしい食べ方を追求しながら、繊細かつユーモラスなメニューの開発を担当。また、大人向け、子ども向けの幅広いジャンルの料理教室も開催するなど、ピエトロの多くの事業に携わっている。




